アメリカのスピーカーブランド・Klipsch(クリプシュ)のポータブルBluetoothスピーカー「Music city series」のミドルモデルとなる「NASHVILLE」(ナッシュビル)が日本に上陸。本日より、クラウドファンディングサイト・GREEN FUNDINGにて応援購入を開始した。期間は9月末までで、製品の発送は10月以降を予定している。

「NASHVILLE/ナッシュビル」 1台 通常購入 ¥29,260
「NASHVILLE/ナッシュビル」 2台セット 早期購入 ¥52,800
プロジェクト期間:2024年9月30日まで
目標金額:300,000円
※8/8 15時現在 プロジェクト達成

 価格は上記の通りで、1台の通常購入(支援)で¥29,260、2台を組み合わせて・ステレオスピーカーとして使える2台セットが¥52,800となる。

 Klipschは1946年創業の老舗スピーカーブランドで、創業者でもあるポール・W・クリプシュ氏の理念を今なお色濃く受け継ぎ、その理念を、サウンドを、製品(スピーカー)作りに反映させているのが特徴だ。開発や製造はアメリカ国内で行なわれ、熟練の作業者がていねいに組み立てに従事しているということだ。いわゆるHiFiスピーカーについてはティアックが国内での代理店業務を担っているが、今回発表のNASHVILLEについては、服飾雑貨やコスメを取り扱っているKARA FULLが担当することになる。

 さて、そのNASHVILLEは上述したように、アメリカ国内で音楽の聖地の名を冠したMusic city seriesに属する製品で、NASHVILLEはカントリーミュージックの聖地の名称となる。ほかに、デトロイト、オースティンというラインナップを持つが、国内に投入されるのは、現状ミドルクラスとなるNASHVILLEのみ。

 製品の特長について簡潔に紹介すると、大きさは178×81×78㎜であり、500mlのペットボトルを一回り大きくした程度。ただし質量は970gあり、結構ずっしりとしていて、中身が詰まっているなと感じるほど。

 仕様としては、フルレンジ+パッシブラジエーターの構成で、これが前面と背面に向かって1ペアずつ搭載されているので、前と後ろに同じ音が放出されることで、広い音場の確保に大きく貢献している。“360度重低音サウンド”と訴求しているが、立体音響(コンテンツ、再生機能など)に対応しているわけではないので、念のため。

 対応Bluetoothコーデックは、SBCとAAC。10台以上の製品(NASHVILLE)を同時に接続・連動できる「ブロードキャストモード」機能を持ち、複数のスピーカーを鳴らして、パーティ会場などの広い会場を音で満たすという使い方も可能。ただし、こちらも注意が必要で、LE AudioのAuracast対応ではないので、注意したい。

 その他、Bluetooth規格は5.3、防水・防塵対応のIP67をサポート、24時間のロングライフバッテリー(満充電は約1.5時間)、マイク内蔵でスマホを介しての会話も可能、USB-C端子からの給電(10W)も可能、といった機能を持つ。

 さて、本日、本製品の代理店であるKARA FULLにおいて会見が行なわれ、短時間ながら製品の試聴ができたので、そのインプレッションを簡潔に紹介したい。会には、Klipschの事業本部長(バイスプレジデント)のデイブ・ガンズ氏もオンラインで参加、同社の歴史、音へのこだわりについて説明してくれた。

 まずは1台による再生からとなるが、Klipschの持つ理念を体現したサウンドが楽しめる仕上がり。中高域に厚みがあり、特にボーカルの再現性はよく、「ナチュラルなサウンドで、ライブ感を大事にしている」というデイブ氏の言葉が、そのままサウンドに反映された印象だ。せっかくなので、NASHVILLEという名前の元になったカントリーも聞いてみたが、ボーカルやストリングスなどのサウンドがぐっと前に出てくる感じで、魅力的なサウンドを聴かせてくれた。ただし、AACによる音の軽さは、ある。

 続いて特徴でもある、2台を組み合わせたステレオモードで再生する。先にソース機器(スマホ)と接続した方が親機(L ch)となり、後から接続したのが子機(R ch)になるという仕様だ。一聴して、1台再生で気になった部分がほぼ払しょくされ、少し軽めに感じたサウンドも、広大な空間を満たす、厚みのあるサウンドへと変化し、特にボーカルの音像が両スピーカーの中央、少し上部にスッと立ち上がってくる様は圧巻。より強い“ライブ感”が味わえるようになった。NASHVILLEを楽しむのであれば、2台の組み合わせが好適! といえるサウンドとなっていた。

 ちなみに、両スピーカーの間隔を変えると、もちろん再現性も変化し、1m~1.5mぐらいに設置するのが、記者としてはベストと感じた。もう少し離す(2m)と、音場が分離するようになり、特にボーカルの音像がかなり弱くなってしまう。これについては、ユーザーが各自、購入後にいろいろと試して、自分なりのベストポジションを見つけてほしい。

クラファン終了後に、専用ケース(人工皮革)も発売予定という

持ち運びやすい取って付き

渋谷ツタヤ、蔦屋家電+(二子玉川)にて展示中。KARA FULLでは試聴も可能(予約制)。一部日程に変更があるので、行く場合は再度確認してほしい

▼クラウドファンディングサイト

https://greenfunding.jp/lab/projects/8384

▼Klipschサイト(米国)

▼KARA FULLサイト