サエクコマースから、MC型カートリッジの新製品「XC-11」(¥528,000、税込)が発売された。

 同社の創立50周年を記念してリーリスしたグランドスタビライザーの最高、「SGS-100」に続く記念モデル第2弾だ。このMC型カートリッジは、心臓部である発電コイルに、世界で初めてPC-Triple C導体を採用。発電効率を高めるとともに、音の純度を一層磨き上げている。

 またXC-11では発電コイルの特性を最大限に活かすため、従来のMC型カートリッジの多くに見られる、発電コイルの前後にヨークとマグネットを用いた標準的な磁気回路ではなく、まったく発想の異なるリングマグネット方式を採り入れている。

 これはネオジムマグネットの磁界の中にコイルを組み込み込んだ方式で、物づくりにおける熟練の技が必要だが、レコードの音溝から捨い上げた音響信号を仔細漏らさず電気信号に変換することができるという。さらにXC-11では、この高効率変換回路の特性を引き出すべく、PC-Triple Cの発電コイルの巻き数を限界まで減らすことで、インピーダンスを下げてリニアリティを高めることに成功している。

 ローレベルにおける豊かな表現力、圧倒的なエネルギー感の醸成に加え、応答性に優れた音の立ち上がりと立ち下りを獲得することで、これまでの製品では味わえない音の広がりや奥行き、高さ方向にかけての空間を見事なまでに再現できるとしている。

「XC-11」の主なスペック

●型式:超低インピーダンス リングマグネット型MCカートリッジ
●針先:ラインコンタクトダイヤモンド
●再生周波数特性:10Hz〜45kHz
●チャンネルバランス:0.5dB以内(1kHz)
●出力電圧:0.23mV (1kHz 3.54cm/sec rms45°CBS)
●クロストーク:30dB以上(1kHz)
●内部インピーダンス:2.0Ω(1kHz)
●適正針圧:2.1g
●カンチレバー:Φ0.3mm無垢ボロン
●重さ:6.2g