オルトフォンから、スピーカー用ケーブルの新製品「Reference SPK-Red MkII」、および「Reference SPK-Blue MkII」が8月に発売される。価格は下記の通り。

「Reference SPK-Red MkII」
1mあたり ¥2,730(税別)
50mロール ¥136,500(税別)

「Reference SPK-Blue MkII」
1mあたり¥4,540(税別)
50mロール ¥227,000(税別)

 オルトフォンでは、長年にわたって高純度銅や純銀素材、あるいはそれらを巧みにハイブリッドした製品生産してきたが、その中でも好評を得ているエントリーモデル「Reference SPK-Red」、および「Blue」がMkⅡへとリニューアルされ、今回発表の2製品へと進化した。

 新モデルでは、一般的な無酸素銅線に比べ高純度で、酸素以外の不純物含有量も極めて微量、かつ電気伝導率にも優れた「C1011 4N-OFC」を新たにハイブリッド用の導体材料として採用。この導体の特徴は、異種金属(例:亜鉛やリン、チタンなど)が配合されておらず、あくまで単一の銅素材としての純度を追求していること。また、銅含有量(純度)やその他不純物の含有許容値が日本産業規格(JIS、旧:日本工業規格)において厳格に定められていること。それらによって、極めてニュートラルな音色をもち、またレンジ感や音像の定位感に優れていることが挙げられるそうだ。

 ケーブル導体の純度で音が変わり、それがオーディオシステムのクオリティアップにつながる。これまで、オルトフォン世に知らしめてきた――高純度導体がもたらす音色の素晴らしさを訴求した製品となる。なお、このC1011は無酸素銅としては最高の純度を誇り、かつJISで定められた厳しい規格をクリアしたものだけがこの番号を名乗ることができるそうだ。

 そして、上位モデルとなるReference SPK-Blue MkIIでは、C1011と銀メッキ銅線のハイブリッドという、さらにハイグレードな仕様を実現しているのも特徴となる。

■「C1011 4N-OFC」について
 新製品のReference SPK-Red/Blue MkIIでは、OFCもしくは銀メッキ銅線とのハイブリッド導体にC1011 4N-OFCを採用。この素材は無酸素銅(Oxygen-Free Copper、OFC)の中でも特に純度が高く、銅純度が99.99%以上であることを日本産業規格によって規定されていて、つまりは、完全な4N(4-Nine、99.99%)以上の純度であると認証された導体だけが、C1011と名乗ることができるものとなる。

 また、このC1011とは、JIS H3510によって定められた合金番号を指し、その規格には導体素材に含まれる酸素、およびその他不純物の含有許容値や、導体成分の分析を行なう試験方法に至るまでが厳格に規定されている。それに対し、一般的な無酸素銅(JIS H3100によって純度99.96%以上と定義、酸素以外の不純物含有許容値は項目そのものが存在しない)には、C1020の番号が付与されており、両者は異なる素材として扱われている。

 その上で、今回オルトフォンが採用したC1011 4N-OFC導体はJIS H3510の規格をクリアしていることはもちろん、これを証明するために第三者機関によるJIS認証を取得しているという。いわば、4N以上の純度であることを公的に認められた導体であり、さらに実際の測定値ではJIS H3510規定の許容値よりもさらに低い酸素含有量を誇るそうだ。また、無酸素銅のグレードをあらわす米国試験材料協会(American Society for Testing and Materials、ASTM)のASTM-F68規格に照らし合わせると、5段階の最上位であるClass1に対応した高品位な導体となる、ということだ。

■「Reference SPK-Red MkII」の特徴
 無酸素銅(OFC)線とC1011 4N-OFCのハイブリッド導体で構成されたケーブル。同社エントリーモデルに付与される「Red」のカラーに相応しくなるよう、エネルギッシュで親しみやすく、バランス感に優れた音色を目指して開発されたという。すべての高純度銅線の祖となった無酸素銅線は、暖色系かつエネルギッシュな音色を特徴としているそうだ。

 オルトフォンでは、このエネルギー感を重視しているそうで、エネルギッシュで量感に優れた無酸素銅線と、これをさらに高純度化してクリアな音色となったC1011とは一見相反する要素を持つが、同じOFC同士であるためハイブリッド時の音色の親和性は抜群という。

●導体種類:C1011 4N-OFC、OFC
●ケーブル径:Φ8.0㎜
●耐電圧:AC500V /1分間
●絶縁材:ポリエチレン、PVC
●導体面積:1.26mm2×2本
●導体抵抗:16mΩ/m
●シールド:アルミテープ
●長さ:50m(1巻)

■「Reference SPK-Blue MkII」の特徴
 Reference SPK-Blue MkIIには、先代の初代Blueで好評を得た導体である銀メッキ銅線をひとつ目のハイブリッド導体として採用。

 オルトフォンは1980年代にカートリッジのコイル巻線に純銀線を用いたことを発端とし、これまでに高純度銀線、金銀合金(Electrum)線、銀メッキ銅線などのシルバー導体を数多の自社製品に採用してきた。その中でも本ケーブルに用いた銀メッキ銅線は、高品位なシルバーの煌きを手軽に味わいつつ、銅のニュートラルな音色との相乗効果も得られる理想的な導体となる。これとC1011を独自の配合比率でハイブリッドすることで、シルバーに特有な高音域の煌びやかさと低音域の厚み、C1011の素直なレンジ感とニュートラルさをバランスよく両立させることに成功。

●導体種類:C1011 4N-OFC、銀メッキ銅線
●ケーブル径:Φ8.0㎜
●耐電圧:AC500V /1分間
●絶縁材:ポリエチレン、PVC
●導体面積:1.25mm2×2本
●導体抵抗:16mΩ/m
●シールド:錫メッキ銅編線、0.12㎜×8本を16組
●長さ:50m(1巻)