フォスター電機(フォステクス カンパニー)から、平面振動板RPドライバー搭載のフラッグシップヘッドホン「TH1000RP」(密閉型)、および「TH1100RP」(オープン型)が、8月下旬に発売される。価格はオープンで、想定市場価格はTH1000RPが¥320,000前後、TH1100RPは¥380,000前後となる。

「TH1000RP」(密閉型)

「TH1100RP」(オープン型)

 今回発表の2製品は、フォステクスが独自開発した最新型プレミアムグレードの全面駆動型平面振動板RPドライバーを、日本を代表する藍染めとして知られる徳島の阿波藍で染めた無垢材ハウジングに内蔵し、国内工場で組み上げたRPヘッドホンのフラッグシップモデル。

 密閉型とオープン型の2モデルをラインナップしており、伝統の本藍染めならではの一つひとつ異なる木目の美しさを引き出した唯一無二の風合いと、50年続くフォステクスの平面振動板RPテクノロジーによるフラッグシップたるサウンドが楽しめる仕上がりとなっている。

▼【動画】藍染ハウジングができるまで

TH1000RP & TH1100RP 藍染めハウジングができるまで

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新製品の主な特長
●新開発プレミアムRPドライバー
 1974年より改良を重ねてきたRPテクノロジーの全面駆動型平面振動板ドライバーは、従来の「T50RPmk3/mk4」のRPドライバーより大型化した平面振動板を新たに開発。振動板を挟み込むマグネットを増量し新設計のプリンテッドコイルのパターン形状を採用することに加え、磁気回路の構成部品も一新して磁束分布を最適化することで、振動板の不要共振を抑え鋭いレスポンスでの音の立ち上がりと立ち下がりを可能にした。

 これにより高感度化と滑らかな周波数特性、優れた過渡特性を同時に達成し、重低音域から高音域まで正確かつ繊細に再生可能とすることで、クリアな音像を明確な定位感で空間に表現する能力を実現した。

▼【動画】プレミアムRPテクノロジー

RP technology

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●日本の伝統染料「本藍」で仕上げたハードメイプル無垢材ハウジング
 ギターの材料で知られるハードメイプルの無垢材ハウジングを、古くから高級染め物で重宝される徳島県の阿波藍で染め上げた。熟練職人の手によりひとつひとつていねいに染め上げることで、ハードメイプルならではの木目が美しく現れる深い藍色にまとめている。植物の藍のみで作られた「本藍」による染色は、ハードメイプルの硬質で比重が重く音に余計な色付けをしない特性を生かすことができ、しっかりとした深みのある低音域、クリアで伸びやかな高音域が楽しめる、としている。

 オープン型のTH1100RPは、ハウジング開口部にアルミニウム製エッチングパーツを二重に配し、開口率と各内部パーツを綿密に微調整することで、解像度が高く聴き疲れしにくい自然な音場の再現を可能に。

※阿波藍による染色について
 日本の歴史ある天然染料であり江戸時代の浮世絵などで知られる藍のなかでも、徳島の阿波藍はその染め上げの美しさから古くより高級染め物にはなくてはならない染料として全国に知られていたという。

 TH1000RP/TH1100RPのハウジングは、木材を痛めない天然のタデ藍のみで作られた「本藍」の染料を使い、手作業で日数を掛けて塗りと乾燥を繰り返し染め上げていく。この過程で温度や湿度の変化が染料の乾燥に影響すると共に、ハウジング一つひとつの木目の状態により細かい色素粒子が木材の組織に入り込む条件が変化するそうだ。これにより本藍ならではの深みのある青さを湛えながらメイプル材の滑らかな木目が美しく浮かび上がり、製品一つひとつの左右まで風合いが全て異なる、唯一無二のハウジングとなるという。

●軽量なマグネシウム合金の機構部品を新規採用
 ハウジングのベースプレートやハンガーなどの機構部品にはマグネシウム合金を新規採用し、アルミ比で20%軽量化を図るだけでなく、回転機構部にゴム製パッキンを採用し余分な振動を極力排除。各部品の細部まで配慮する設計思想により、これまでよりいっそう装着感が向上しているという。

●新素材を採用した新形状のイヤーパッド
 左右非対称形状とすることで装着感を最適化した新形状のイヤーパッドを採用。低反発クッションと従来比3倍に耐久性を高めたシルクプロテイン製合皮により、長時間にわたるリスニングでも快適な掛け心地が得られるとする。

●しなやかなフィット感のヘッドパッドとヘッドバンド
 ヘッドパッドとヘッドバンドには天然素材のシープスキンを採用、しなやかで良好なフィット感で使い込むほどに変化する風合いが楽しめるものに。

●高純度OFCアンバランスケーブルを付属
 不純物を極限まで排除し伝送能力を高めた7N(99.99999%)グレードの高純度OFC(Oxygen Free Copper:無酸素銅)アンバランスケーブルを付属。
●内部配線に7Nグレードケーブル採用。高信頼性デタッチャブル・コネクタ・ポートを装備
 硬度が高く耐摩耗性、耐食性に優れたロジウムメッキ処理を施した着脱式コネクタ端子とヘッドホン本体側着脱部接点端子を採用。別売のXLR端子ケーブル(ET-H3.0N7BL)でバランス接続にも対応する。さらに、4.4.mmバランスケーブルも発売予定(ET-TH4.4BL)。

 なお、両製品とも今週末(7/27土)開催の「夏のヘッドフォン祭mini2024」に先行展示され、試聴も可能という。

主な仕様
型式:TH1000RP=密閉ダイナミック型、TH1100RP=オープンダイナミック型
ドライバー:RP方式平面振動板
インピーダンス:32Ω
感度:TH1000RP=100 dB/mW(暫定)、TH1100RP=96 dB/mW(暫定)
最大入力:3,000 mW
再生周波数帯域:10Hz~40kHz
ケーブル:2m Y型 高純度OFC線(着脱式コネクタ端子:2ピン、ロジウムメッキ仕様)
本体側着脱部:2ピン(ターミナル:金メッキ下地 ロジウムメッキ仕様)
プラグ:Φ6.3 mm 金メッキステレオ標準プラグ
質量:約420g(ケーブル含まず)
付属品:レザー調ポーチ、安全上のご注意