テクニカル オーディオ デバイセズ ラボラトリーズ（TADL）から、革新的な技術を取り入れた「Evolutionシリーズ」の新製品として、ステレオパワーアンプ「TAD-M1000TX」が、11月に発売される。カラーリングはシルバーとブラック（受注生産モデル）の2色を揃え、価格はシルバーモデルが￥2,090,000（税込）、ブラックモデルは￥2,145,000（税込）となる。
受注生産のブラックモデル
今回発表のTAD-M1000TXは、回路レイアウトの刷新や新たな電源トランスを採用することでさらなる深化を図り、TADらしいパワフルかつクリアなサウンドを実現した製品になるという。
また、同シリーズで既発のディスクプレーヤー「TAD-D1000TX」、DAコンバーター「TAD-DA1000TX」、プリアンプ「TAD-C1000」と組み合わせた際に、統一感のあるデザインになるようまとめられているのも特徴となる。
TAD-M1000TXの主な特長
●回路構成やレイアウトにおいて対称性を追求
スピーカーの振動板を正確にドライブするためには、ボイスコイルに流れる正負の電流発生源を完全に同一にする必要があるため、本モデルでは、増幅回路に入力から出力まで完全に独立したアンプをバランス接続したBTL方式を採用。正負電源の対称のみならず、すべての電源回路を独立設計としている。
また、対称性の基準となるアースポイントを、電気的なものに加え、構造面から新たに設計。さらに、ファーストステージは回路およびレイアウトを刷新し、徹底した正負左右の対称性にこだわったという。
●高純度・高効率を深化させた大容量電源トランスを新採用
1kVAクラスの大容量トロイダル型電源トランスによるドロッパー方式の電源回路を改良。電源トランスの内部巻線を直出しすることで、引き出し線との接点を極力削減し、高純度化を追求。同時に、直出し線のターミナル、基板マウントターミナル、締結ビスに非磁性のメッキと無酸素銅（OFC）を採用し、磁性歪を徹底的に排除しているそうだ。
また、トロイダルコアの断面をスクエア型からリング型へと刷新し、巻線との結合を向上させリーケージと振動を大幅に減少させることで、純度が高く、応答性に優れた電源供給を可能とし、正確なスピーカー駆動を実現した。
●定格出力500W/4Ωの駆動力
低損失と高速性を兼ね備えた超低オン抵抗・リードレスパッケージのパワーMOS FETを採用したクラスD出力段を搭載。シンプルなシングル構成で、応答性が高くしなやかで力強い音質へ貢献するとともに、余裕をもって500W/4Ω×2chのパワーをドライブする高い出力性能を備えている。
●振動制御技術を採用
スパイク内蔵型インシュレーターによる3点支持構造を採用することで、床からの振動影響を低減したISOマウントを実現。荷重ポイントの明確化や床からの振動の影響を低減することで、アイソレーション性能を強化し、音の情報量、力強さ、空気感を向上させている。
また、ラックマウントされた際に、アンプ背面に接続されたスピーカーケーブルへのストレスを軽減するためReferenceシリーズで採用している強固かつ高品位な大型スピーカーターミナルを採用。機械的、電気的な接続安定度を向上し、スピーカーケーブルの能力を最大限に引き出す仕様としている。
●Bi-Amp機能を搭載
スピーカーの各ユニットと各アンプを直結することで、ユニット間での干渉を排除し、セパレーションを向上するBi-Amp機能を搭載。本機を2台使用してBi-Amp接続することで、アンプとスピーカーが持つ本来の性能を引き出し、歪の少ない澄んだ音を再現可能。
TAD-M1000TXの主な仕様
定格出力：500 W (1kHz、4Ω)
定格歪率：0.05％以下(1kHz、4Ω)
SN比：112dB以上
周波数特性：10 Hz～50kHz、＋0 dB－3 dB
利得（Gain）：29.5dB
入力端子（感度）：1.5 V/100 kΩ（Balance） 0.75V/50kΩ（Unbalance）
電源：AC100V、50Hz / 60Hz
消費電力：250W
待機時消費電力：0.5W
外形寸法：440(W)×148(H)×479(D)mm
質量：29kg
なお、本モデルは、7月26日から開催の「東京インターナショナルオーディオショウ」の同社ブースにてデモンストレーション予定という。