ディーアンドエムホールディングスは、2024年7月12日(金)より「DALI 創業40周年記念 高音質ケーブルプレゼントキャンペーン」をスタートする。

 7月12日(金)〜9月30日(月)の対象購入期間中に、「OPTICONMK2」シリーズ、「MENUET」シリーズのステレオスピーカー(ペア)を購入の上、応募してくれた方全員にAudioQuest(オーディオクエスト)の高音質スピーカーケーブル「Q2」、またはオーディオケーブル「Red River」をプレゼントするものだ。

「DALI 創業40周年記念 高音質ケーブルプレゼントキャンペーン」
●応募条件:購入期間中に対象のステレオスピーカー(ペア)を購入のうえ、応募してくれた方
●キャンペーン期間
 対象購入期間:2024年7月12日(金)〜9月30日(月)
 応募締切:2024年10月10日(木)23時59分
●対象製品:「OPTICON 8 MK2」「OPTICON 6 MK2」「OPTICON 2 MK2」「OPTICON 1 MK2」「MENUET SE」「MENUET」 ※センタースピーカー「OPTICON VOKAL MK2」、壁掛け用スピーカー 「OPTICON LCR MK2」は当キャンペーンの対象外
●プレゼント賞品(下記からいずれかひとつを選択):
 ①Q2 ¥26,400(税込、3m、ペア、銀メッキバナナプラグ仕様)
 ②Red River ¥26,400(税込、1.5m、ペア、RCA)
●応募方法:以下の応募フォームから必要事項を記入し、対象製品購入時の領収書またはレシートと、対象製品の保証書の画像をアップロードする。

 そのダリ(DALI=Danish Audiophile Loudspeaker Industries)は、1983年にデンマークで創業したスピーカーブランドだ。既存のブランドでは提供できないラウドスピーカーを求めるユーザーの要望に応えるために設立されたという。今回は、そんなダリの変遷と同ブランドが送り出してきたスピーカーについての説明会も開催された。

 そもそもデンマークは人口約600万人、国土面積約4.3万平方キロメートル(九州と同じくらい)の小国なのだが、電磁気学の基礎を気づいたハンス・クリスティアン・エルステッドやボイスコイルを使ったスピーカーを開発したピーター・L・ジェンセンを排出、さらにディナウディオやB&Oといった日本でも人気の高いスピーカーブランドも生み出している。

 当初はハイファイ販売店グループのハイファイ・クルーベンのスピーカー製造部門として誕生したが、その後独立し十数年で世界中でスピーカーを販売するグローバルカンパニーに成長を遂げたという。その理念は“In Admiration of Music”(音楽を賛美する)というもので、放送局用モニターが憧れだった時代に、家庭でリラックスして音楽を楽しむことを目的としている。

ダリの歴代スピーカーも東京インターナショナルオーディオショウで展示予定。左から1983年発売の「DALI 2A」、1986年「DALI 7A」、1987年「DALI 40」、1990年「DALI 104」、そして1992年の「DALI SKYLINE」

 その特長は、ソフトドームトゥイーターと独自のウッドファイバーコーン振動板ウーファーの2ウェイを基本としたシステムを構築していることだ。一般的にトゥイーターの振動板として、ソフトドーム型は軽くしなやかで音楽再生にとって不快な音を出しにくい反面、超高域再生には限界があると言われている。これに対しハードドーム型はピストンモーションしている範囲では正確な再生ができるが、高域共振は急激で共振ピークも鋭い。

 ダリでは人の可聴帯域を超える音は再現しなくてもいいという発想からトゥイーターの高域限界を30kHzに設定、軽くて薄いシルク素材により振動板質量を抑え、磁性流体もできるだけ粘性の低いものにするといった工夫を盛り込むなどして、音のディテイルの再現と高いトランジェントを追求している。

 なおダリのスピーカーにはリボン型トゥイーターを搭載しているモデルもあるが、これらについては指向性の広さを踏まえての採用で、高域限界は30kHzのままなのだという。

 ミッドレンジとウーファーの振動板は上記の通り、ウッドファイバーを混抄した微粒子パルプ振動板で、前面に制動剤を塗布したものが使われている。この素材は紙に近い柔らかさを持ち、ソフトドームトゥイーターとの間で自然なクロスオーバー(2kHz)を構築できるそうだ。

 さらにウーファーのエッジにロスの少ない高反発系のゴムを使用してサスペンションの低損失化を実現、音楽の躍動感を損なわない、ミュージカリティに溢れるサウンドを実現したとしている。

 もうひとつ、SMC(Soft Magnetic Compound)を使った磁気回路もダリスピーカーの特長となる。SMCは表面を絶縁被膜で覆った鉄粉で、これを焼結整形することで、磁気は流れるのに、電流はまったく流れない鉄部品が作れる。これを使えば渦電流が流れない磁気回路が実現でき、スピーカーユニットで鉄が使われている部分をSMCに交換することで、さらに歪みの少い音が再生されるというわけだ。

 これらの特長を備えた製品としては、現在日本では「EPICON」「OPTICON MK2」「OBERON」「MENUET」などのシリーズをラインナップしている。シリーズによってユニットの数や構造(SMCの使い方)、エンクロージャーの材料などに違いはあるが、基本的な音づくりの理念は共通しており、近年は日本国内でもスピーカーの売上シェア2位になるほどの人気を集めている。

 さらにこの秋の新製品として「RUBIKORE」シリーズも予定しているとかで、こちらは今月26日(金)〜28日(日)に東京国際フォーラムで開催されるインターナショナルオーディオショウでお披露目されるとのことだ。

 先日ディーアンドエムホールディングスの試聴室で、ダリの代表的なスピーカーについて、改めて音を確認させてもらう機会があった。

ディーアンドエムホールディングスの試聴室で、ダリスピーカー名機の音を確認させてもらった

 まずMENUETシリーズから、2003年発売の「ROYAL MENUET II」、2015年発売の「MENUET」、そして2020年の「MENUET SE」の順番で再生してもらう。ROYAL MENUET IIも押し出しのいいヴォーカルとくっきりした低音を再現し、21年前の製品とは思えない力強いサウンドが楽しめる。

 続いて現行モデルのMENUETにつなぎ変えると、ヴォーカルの明瞭さや力強い音場感はそのままに、ステージの暗騒音、息継ぎのニュアンスまで再現されるようになり、音楽としての情報が格段に増えてきた。MENUETではウーファー帯域の歪みが10dB減っているとかで、その分細かい再現性が改善されているということだろう。

 MENUET SEはユニットなどの基本仕様はMENUETと同じで、ウーファーのコンデンサーがムンドルフ製に変更されるなどの改良が加えられているが、こちらは細かい音のニュアンス、ヴォーカルのなまなましさがアップしており、現代のハイレゾサウンドを充分に楽しめる品質を獲得していることがよくわかった。

試聴したMENUETシリーズ。右から「ROYAL MENUET II」「MENUET」「MENUET SE」

 さらにトールボーイモデルからは、「OBERON 5」「OPTICON 6 MK2」(どちらも現行モデル)と、新製品の「RUBIKORE 6」を聴かせてもらった。OBERON 5は一聴してゆとりのある音場再現で、ゆったり、落ち着いたヴォーカルを聴かせる。

 続くOPTICON 6 MK2はウーファーがスタガー駆動となり、さらにリボントゥイーターを加えた2ウェイ+スーパートゥイーター&サブウーファー的なシステムという。音場の再現性も向上し、ヴォーカルのなめらかな表現、ひとつひとつの楽器の明瞭さなども際立ってきた。

 RUBIKORE 6は、従来モデルの「RUBICON」シリーズからトゥイーターの磁性流体をなくし、全体のサウンドバランスを調整して音をリファインしている。測定してみると、インパルス特性での違いが大きいそうだ。

 CD試聴でもステージの見晴らしのよさが印象的で、S/Nも高く、微細な情報まで聴き取れる。RUBIKORE 6はペア100万円前後の価格になる模様とのことだが、この音なら案外お買い得に感じる人も多いのではないだろうか。

トールボーイモデルはこちらの3モデルを試聴した。右から「OBERON 5」「OPTICON 6 MK2」で、左端が新製品の「RUBIKORE 6」