TOHOシネマズは、今週7月12日(金)に、TOHOシネマズ 池袋の「プレミアムシアター」に、6月のT・ジョイ京都/シアター9に続く、国内2館目となる「ScreenX with Dolby Atmos」を導入する。
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先に概要を記しておくと、プレミアムシアターとは、TOHOシネマズが“最高の映画体験”を追求し、「映像」「音響」「座席」にこだわったハイエンドシアターとなる。今回の主題である「ScreenX with Dolby Atmos」では、そこへさらに、3面スクリーン=「ScreenX」と「ドルビーアトモス」を組み合わせ、これまで以上の臨場感や迫力、作品への(映像・音声)没入感を提供する劇場として、新たに導入するものとなる。
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劇場としては、TOHOシネマズ 池袋の5Fにあるスクリーン10の「プレミアムシアター」がそれになり、座席数は313(+2:車いす)、正面のスクリーンサイズは横14.4m×高さ6.0mということなので、計算するとほぼシネスコサイズとなる。加えて、左右の両壁面にもスクリーンが形成され、ScreenXの特徴でもある3面スクリーンを構成している。
スピーカー類は、結構目立つように配置されていて、天井には中央から少しオフセットした位置に2列、計6基ずつ天吊り、左右壁の上部には片方5.1chずつ(ウーファーも天吊りされている)、背面にも左右に4.1chずつこちらも天吊りされている。まさにスピーカーだらけという印象で、ステレオサウンドONLINE読者をはじめ、ホームシアターファンにとっては垂涎のシステムと言えるだろうか。
さて、本日7月9日には、マスコミ向けの劇場の内覧会および、今週末公開の超話題作『キングダム 大将軍の帰還』の、ScreenX with Dolby Atmos版の世界最速マスコミ試写会が行なわれた。
上映時間は約2時間半と、一般的な作品に比べると少し長めだが、登場人物たち心の機微が細やかに描かれているのをはじめ、もちろんファン待望の大合戦シーン、そして王騎と龐煖(ほうけん)の一騎打ちも迫力たっぷりに映像化されており、ScreenXとDolby Atmosがそれらをさらに強化してくれる極上のシネマ体験が味わえた。
実は、ScreenXで作品を1本まるまる観るのは初めてだったのだが、両壁面の映像は常時あるのではなく、必要な時にスッと立ち上がり、必要なくなるとスッと消えるという塩梅で、その緩急は楽しめた。つまりは、映像が(両壁面に)広がると、注目のシーンになるんだなというアナウンスにもなるので、観ているほうも、より集中が増す、となる。
音響については、最近のドルビーアトモスの特徴でもある、必要な時に、必要な音場・移動感が再現される、というもので、静かな荒野での風や虫の音、合戦シーンでのまさに武器と武器、意思と意思がぶつかりあう熱量が、音圧に乗って観ているものの耳に届いてくるよう。突如、自分が戦場の中に立っている……というような感覚を覚えるほど。ただし、細かいことを言えば、密度感や移動感、方位感はあまり強化されるものではないので、これについてはシステム云々よりも、作品自体の音響の作り方によるのだと思われる。
とはいえ、映像と音響の迫力は充分で、さらに臨場感の増したScreenX with Dolby Atmosの、東京圏での導入は、映画ファンへの大いなる福音となるだろう。
TOHOシネマズ 池袋 スクリーン10 プレミアムシアター「ScreenX with Dolby Atmos」オープニング上映作品
『キングダム 大将軍の帰還』
2024年7月12日(金)~上映
以後、
●『怪盗グルーのミニオン超変身』 7月19日(金)~上映
●『デッドプール&ウルヴァリン』 7月24日(金)~上映
料金:鑑賞料金/前売鑑賞券+ScreenX with Dolby Atmos追加料金¥900