映画『愛のぬくもり』の初日舞台挨拶が7月6日(土)に都内で開催され、監督のいまおかしんじ、主演の小出恵介、風吹ケイが登壇した。この映画はある日突然、街中でぶつかって階段から転げ落ち体が入れ替わってしまった既婚の男性小説家と、独身女性美容師の物語。90分少々の中に、濃厚な人間模様が注ぎ込まれている。ここでは会見の模様をお伝えしたい。

――過去にも男女が入れ替わる作品はいっぱいあったかと思いますが、演じていてどういった感想を持ちましたか?
小出 男女入れ替わり物の作品には初めて挑戦しましたが、ファンタジーと言いますか、超越した内容でしたので、自分としても新鮮な経験となりました。

――小出さんが主演を務めた『銀平町シネマブルース』では、いまおか監督が脚本を担当していましたね(監督は城定秀夫)。
小出 その際に打ち合わせや舞台挨拶でお会いしてはいましたが、今回は、最初の打ち合わせの時点から「監督として世界を背負っている感じ」で、すごく最初からワクワクしておりました。世界観も含めて、すべていまおか監督が作り上げるものでしたので、その世界に思い切って挑戦していけたらな、と思いました。

――風吹さんが本格的に映画に出演なさるのは初めてだそうですね。
風吹 不安と緊張しかなかったです。本当に撮影のスケジュールがタイトで……。監督には撮影が始まる前に「演技はほぼ初めてです」とお伝えしました。「間違っていたら間違いだと言うから恐れずにやって」と言ってくださって、心強かったですし、小出さんも、すごく親身になって相談に応えてくれました。私、小出さんの言葉で心に残っていることがありまして、「初めてということもあって、結構大変だったと思うんですけど、お芝居は本当に楽しいから嫌いにならないでほしいですと、(風吹に)伝えてください」と、マネージャーに言ってくださったんです。

小出 それは覚えています。

風吹 それが結構ジーンときちゃって。

――男女が入れ替わったということで、何かこだわったものはありましたか?
小出 観ていただいた方は分かると思うんですけど、突然踊ると言いますか、あれは「タコ踊り」と現場で言われたりしたんですけども、それは台本にはないんですよ。

いまおか 制作会社の方から「変な動きはやめてくれ」と言われて、よし普通に撮ろうと思ったんだけど、現場に行ったらああいう風になっちゃった。冒頭のスナックでママが歌っている曲も現場で決めた。あの歌詞は……(アイデアが)降りてきちゃうんです。映画の神様が「やれ」って言ってるから、もう俺の意志じゃないんですよ(笑)。

――では、最後にメッセージをお願いします。
風吹 改めて作品のことを思い出せてすごく楽しかったですし、皆様の記憶に残る作品になったらいいなと思います。

小出 自分も劇場に観に行きたいなと思っております。いっぱい映画があるなか、選んで見つけてくださって本当にありがとうございます。

いまおか コメディというか笑って楽しく見ていただけたら本当にいいんですけど、作っているうちに「男女の入れ替わりが戻らなかったらどうなるの?」という話もあって、「男とは何だろう? 女とは何だろう?」というところもなんとなく考えるというか、そういうことも映画の中に込められるんじゃないかと思って作ったつもりです。

映画『愛のぬくもり』

2024年7月6日(土)より、新宿K’s cinemaほか全国公開

<キャスト>
小出恵介 風吹ケイ
新藤まなみ 荒木双葉 川瀬陽太 田中幸太朗 冨家ノリマサ 中嶌駿介 伊藤和哉 華岡 稟 一ノ瀬紗那

<スタッフ>
脚本・監督:いまおかしんじ 企画:利倉 亮、郷 龍二 プロデューサー:江尻健司、北内 健 アシスタントプロデューサー:竹内宏子 撮影:吉田淳志 照明:オカザキタカユキ 録音:山口 勉 編集:蛭田智子 助監督:小泉 剛 ヘアメイク:甲 菜那 スタイリスト:手塚 勇 スチール:阿部拓朗 制作:洲鎌恒男 音楽:宇波 拓 整音・音響効果:藤本 淳 キャスティング協力:関根浩 営業統括:堤 亜希彦 制作:レジェンド・ピクチャーズ 配給宣伝:ムービー・アクト・プロジェクト 配給協力:ミカタ・エンタテインメント
2024年/日本/ 91分/カラー/ステレオ/R-15作品
(C)2024「愛のぬくもり」製作委員会