ヘッドホン部門1（5万円未満［税込5万5,000円未満］）第2位 アウネ・オーディオ『AR5000』【HiVi夏のベストバイ2024 特設サイト】

多層分散振動板を採用したアウネ・オーディオ初のオープンバック型ヘッドホン。サウンドは開放的ですっきりとしているが、当然ながら音は漏れる。低域にかけてはいくぶんあっさりとした表情だが、不足感はなくヴォーカルの表現力も申し分ない。ちょっと残念だったのはヘッドバンドが大きすぎること。ぼくにはサイズ的にややフィットしなかった。

仕上げのよさから価格対満足度が非常に高いオープン型ヘッドホンだ。ドライバーユニットはダイナミック型で、50mm口径という大型。ハウジングもかなり大きめだが、約350gという軽量さも相まってフィット感は悪くない。滑らかな質感再現で、楽器のニュアンス描写も本格的。

新開発のMLD（Multi Layer Distributed）ダイヤフラムを採用し、DFBと称している独自のリアチャンバーと組み合わせることで大口径ドライバーにありがちな不要共振を低減。音場の広いステージの再現が優秀で、音場の広いヘッドホンにありがちな、ひ弱さがなくエネルギーにあふれた音を再現する。落ち着いた感触ながらもしっかりと躍動感のある音が楽しめる。

ホームオーディオからカーオーディオまで徐々に知名度を高めているアウネ・オーディオのヘッドホン。大口径かつ開放型のハウジングを活かしたサウンドは空間表現に優れ、広大なサウンドステージと立体的な音像定位を実現する。側圧やフィット感なども良く、音質、機能の両面で完成度が高い。

平面ドライバーではなく、あえて新開発のMLDダイアフラムを備えた50mm径ダイナミックドライバーを搭載したというこだわりのモデル。低音で楽しませるタイプではないが、音の粒子まで感じさせるような繊細な感触で、引き締まった中低域が気持ちよく吹き上がる。