オープンイヤー型イヤホンを擁するShokzブランドを展開するShokz Japanは5月9日、都内で発表会を開き、2種類の新製品を発表した。一つは、完全ワイヤレスイヤホンタイプの「OpenFit Air」、もう一つは骨伝導式の「OpenSwim Pro」。発売は明日5月10日で、価格はOpenFit Airが¥19,880(税込)、OpenSwim Proは¥25,880(税込)となる。

 さて、発表会では冒頭に、同社 国際事業部 アジア地域担当のJEAN YANG氏が登壇し、市場の動向やShokzブランドの特色について説明してくれた。

 曰く、同社は2011年の創業以後、高い技術力を背景に、オープンタイプのイヤホンに特化して製品を投入してきており、最新の調査では、2023年度の日本国内におけるオープンタイプのイヤホンのシェアは、実に70%を超えているという。世界市場でも、販売台数において世界第一位を獲得しているそうだ。そうしたオープンタイプユーザーのニーズを集めてみると、やはり快適な装着性が半数近くを占めており、それをシースに落とし込んだことが、世界で評価される製品につながっているようだ。

 数字的なことを記せば、世界60カ国以上で製品を展開し、販売店舗は同28000店を数えるという。累計販売台数は1500万台を超えており、一方、技術的側面で言えば、特許は3800件以上、受賞は90を超えているということだ。

 さて、そんな背景を得ての今回の新製品は上にも記したように、2モデルが用意されていた。OpenFit Airは、昨年クラウドファンディングを経て一般発売された「OpenFit」の弟(妹?)モデルとなる製品。OpenFitは完全ワイヤレスタイプのフラッグシップという位置づけで、OpenFit Airはもう少し価格を抑えて購入しやすくしたカジュアルモデルとなる。

 OpenSwim Proは、現行「OpenSwim」の後継モデルという位置づけで、ユーザーから要望の多かったBluetooth接続機能を搭載したのがポイントとなる(MP3プレーヤー機能は引き続き搭載する)。

 まずはOpenFit Airから紹介したい。一見したところでは、OpenFitと同じ? と感じるが、細部にはこだわりの変更が多数施されている。搭載ユニットは(18×11㎜の矩形型ダイナミックドライバー)、構成こそ同じというが、後述するボディ部分の変更によって、再生される音質部分には差(変化)が起きているそうだ(音場感はFitと同じく広く定位感も良好。一方で、少し低域が強めに出るようだ。低音増強アルゴリズムはNewになっているそう)。

 また、OpenFit Airでは本体部分やフック部分にさらに改良が入り、装着性・装着感の向上が図られている。フック部分の中央には、形状記憶合金が入っており、その太さ(0.75㎜)を絶妙にすることで、しなやかさと締め付け力のバランスを取っているようで、実際に着けてみると、イヤホン(何か)を着けているという感触はあるが、締め付けられるという感覚は皆無。記者はメガネユーザーだが、柄と干渉することもなかった。そして、フック部分の断面をティアドロップ型(雫)としていることも、圧迫感の解消に役立っているようだ。さらに、フック部の先端(端)の部分にカットアウト(スリット)が設けられていることも、締め付ける力をうまく逃しているように感じた。

 本体部分の形状については、体(耳)に触れる部分の形状(角度など)を変えることで、フィット感の向上も図られている。

 会の途中には、タレント・インストラクターの西谷綾子氏が登壇し、ニューモデルとなるOpenFit Airを装着。装着感やはずれにくさについて実地で検証。「フィット感があって、装着も安定しているので着けていて安心できますね」と絶賛していた。また、氏はフルマラソン3時間1分台の記録を持っているそうで、「これからOpenFit Airと一緒に練習を重ねて、3時間を切りたいです」と意気込んでいた。

 さて、もう一台のOpenSwim Proは、現行OpenSwimの後継機。Bluetooth接続機能の追加が新機軸であり、これはユーザーからの要望に応えた進化になるそうだ。3重のシールド構造で、内部のメカを水から守ってくれるようになっている。水中や濡れた手での操作も加味し、操作には物理ボタンを用意している(OpenRun Proに近くなった印象)。なお、内部のメモリー容量は32GBに増強されていて、MP3コンテンツであれば8000曲は格納できる、と謳っていた。

 短い時間ながら試聴できたので、ここではOpenFit Airのインプレッションを簡潔に紹介したい。まずは装着性。上位モデルFitと比べると、フック部分が柔らかくなったようで、装着している感は弱まり、軽い印象。これならば、テレワークなどのように長時間の装着が求められるシーンでも、ラクラク使えるだろう。ただし、記者の場合は耳が大きいからなのか、他社の製品でもそうなのだが、本体部分とフック部分の隙間が狭く、本体部分が少し上に引きずられてしまう感覚は、ある。音質については、生き生きと鳴っているようで、聴いていて心地よいもの。特に音場感の再現がよく(と言っても、両耳の間に創造される空間となるが)、音楽という文字の通り、音を楽しく聴けるようになっている。定位感もよく、CDクォリティのコンテンツでは目の間ぐらい、ハイレゾコンテンツではおでこぐらいに、音像が定位する感触。オープンタイプだけに、スピーカーリスニングのような(ある程度の)前方定位が得られて良好なもの。ただし、コーデックがAAC(SBC)ということもあり、ディテイルや高域の伸びはいま一歩。ユニット(ドライバー)の素性は良さそうなので、今後LE AUDIO(LC3 Plus!)に対応するモデルが出てくればば、よりShokzの持つ音響技術の粋を楽しめるようになるだろう。