ノアは、同社取り扱い、イタリア /ソナス・ファベール社の新製品として、フロアスタンディングスピーカーシステム「Stradivari G2」を、5月21日に発売する。価格は¥8,800,000(ペア、税込)。

 今回発表されたStradivari G2は、“オマージュ・コレクション”の第四弾となる製品で、昨年(2023年)登場した、同社創業40周年を記念したアニヴァーサリーモデル「Stradivari G2 Anniversary」をベースに、使用している新設計のキャビネット・デザインや革新的な独自技術はそのままに、一部外観意匠に変更を加えたレギュラーモデルという位置づけとなる。

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 継承したキャビネット・デザインは、ソナス・ファベール伝統のスピーカーづくりの手法をふまえながらも、初代の楕円形から五角形デザインへと発展。その特徴的なフロントバッフルは、いにしえのヴァイオリンづくりに習熟したソナス・ファベールの職人が、技術と知識の粋を集めて練り上げた成果であり、木材をアルミニウムで挟んだその精密でエレガントなデザインは、格別な風格を醸し出している。こうした精緻な木工技術は、ソナス・ファベールの職人の技術の発露と言えるだろう。さらに塗装、研磨については、最上級の楽器づくりに適用される技術に基づいており、グロス塗装は7層にも及び、芸術的工芸品のような仕上がりを見せている。

 さて、Stradivari G2には、本機のために開発された「Clepsydra Technology(クレプシドラ・テクノロジー)」が搭載されている。これは特別なバスレフ・システムとなり、Clepsydra(クレプシドラ)は「砂時計」を意味し、バスレフ・ダクト長を抑えながら最大の低域パフォーマンスを獲得する効果に加え、底面方向への音波放射によって、スピーカー設置の自由度を最大限に上げることを目指した設計になるという。

 また、低域チェンバーの内部は平行面を排し、定在波の発生を抑制。これは、同社が考えうる限りの最高水準のパフォーマンスを実現するという目的のもと、入念なシミュレーションと試行錯誤を経て開発された、本機のための特別な技術となる。

 搭載するドライバーについても、3.5ウェイ・4スピーカーという仕様から、トゥイター、ミッド、ウーファーともにカスタムメイド品を採用しており、記念碑モデルの系譜を引く本機のサウンドを彩っている。

 トゥイーターは、28mm径アローポイントDAD搭載シルク・ソフトドーム型であり、Stradivari G2のための専用設計となるそうだ。強靭なアルミニウム・ダイキャストのフレームに搭載されたユニットの頂点を部分的にダンピングさせ、ダイアフラムの逆相挙動を抑制する構造となっている。さらに、トライポッド構造のD.A.Dの搭載で、高域の音波拡散と大音量時の制御能力についても、大幅な向上を見せているという。背面には、同社のフラッグシップ・モデル「AidaII」にも採用された木製チェンバーを搭載。ドライバー駆動時に発生する気流を制御し、レーザーエッチング加工による複雑な音響迷路を形成する内部構造により、透明でありながら力感のある、高純度な高域再生に寄与している、と謳っている。

 ミッドレンジは、セルロース・パルプ、カポック、ケナフなどの天然繊維を調合し自然乾燥させた独自ダイアフラム150mm径ペーパーコーンによるドライバーとなり、強力なネオジム・マグネットが、銅クラッド・アルミニウム巻線(CCAW)で構成されたムービングコイルの高速、かつ最短で正確な応答を実現している。そして、中高域のニュアンスを余すところなく、分解能高く鮮やかに描き出し、ウーファーとの音色や繋がりの調和を実現している。なお、バスケットは強靭なアルミニウム・ダイキャスト・フレームにより、理想的なハイスピード駆動と高いコントロール性を兼ね備え、淀みのないナチュラルなサウンドの再生を可能としている。

 ちなみに、フェーズ・プラグは新設計となり、独自のダンピング・リングを設けることで、コイルの動作に起因する音の乱れを最小限に抑え、ペーパーコーンの高周波数帯域における共振を修正しつつ、音波拡散を最適化しているそうだ。

 ウーファーについては、本機のために専用設計された260mm径のユニットを搭載し、高速駆動と冷却を両立させる構造を採用。新たに、ボイスコイルの冷却を強化するアルミニウム製のエア・ギャップを備えたドライバー構造としている。

 さらに、コンピューターを用いて、コーン部、ラバーエッジ、BIMAXスパイダーの素材や形状、厚みなどの構造を解析し最適化しながら、ダイアフラムを保持するフレーム・バスケットも新規設計としている。非対称で有機的でユニークな形状が、ダイアフラムの動作から生じる振動を効果的に分散でき、共振が発生しない設計となっているそうだ。

 クロスオーバー・ネットワークについても、新たな設計が行なわれ、「アイーダII」に採用されている「PARACROSS TOPOLOGY(パラクロス・トポロジー(位相幾何学))」と、新開発の「Interactive Fusion Filtering(インタラクティブ・フュージョン・フィルタリング)」に基づくものとなっている。「パラクロス・トポロジー」はウーファーに、「インタラクティブ・フュージョン・フィルタリング」はミッドレンジ・トゥイーターに応用しているそうだ。

 それによって、各ドライバー・ユニットの振幅 / 位相特性、空間 / 時間特性が最適化され、さらに低周波数のインピーダンスを最適に制御して、アンプとのマッチングにも留意しているということだ。高周波干渉も抑えられるため、トランジェント特性も改善でき、本機の持つポテンシャルを存分に発揮させることができる、と謳っている。

 搭載パーツ類も、Jantzen社製インダクター、Clarity Cap社とのカスタムメイドパーツ、MUNDORF社製高品位パーツというように、幾度もリスニングテストを重ね、厳選して採用している。結果、ドライバー間の繋がりが極めてスムーズとなり、かつ、幅広いダイナミックレンジにより、豊かな音楽性とホログラフィック(三次元的)なサウンドステージの再現を可能としている。

 また、超低域チューニング機構「LFA」(ロー・フリケンシー・アジャスター)も搭載。これは、フラッグシップ・モデルに導入されていた超低域周波数の調整システムを、さらに昇華させたものになるという。ドライバー・ユニットの共振ピークを補正し、信号経路に抵抗部品を実装することなく、低域レンジの効果的なダンピングを行なうことで、可能な限り低域の浸潤性を高める設計としているそうだ。

 機構は、スピーカーターミナルに隣接するボードに4口の端子が設置されていて、中央の1つがマイナスで、他3口の端子いずれかにジャンパーで接続することで、それぞれ異なる低域レスポンスが得られるようになっている。

 外装(仕上げ)については、
・「Wenge」産広葉樹ウェンゲ材を使用
・「Red」同社伝統のウォルナット材にレッド・フィニッシュ
・「Graphite」新たに追加された仕上げ。ウォルナット材にダーク・グレーの顔料を施したグラファイト・フィニッシュ
 の3種類をラインナップする。

Stradivari G2の主な仕様
形式:3.5ウェイ4スピーカーバスレフ方式フロアスタンド型スピーカー
使用ドライバー・ユニット:【高域】28mmアローポイントDADシルク・ソフトドーム型、【中域】150mmダンピング・フェーズプラグ搭載コーン型(ナチュラル・ファブリック)、【低域】260mmコーン型×2(セルロース/ シンタクチックフォーム・サンドウィッチ構造)
周波数特性:25Hz~35kHz(ステルス・ウルトラフレックス含む)
出力音圧レベル:92dB SPL1(2.83V/1m)
公称インピーダンス:4Ω
クロスオーバー周波数:160Hz / 220Hz / 2,200Hz
推奨アンプ出力:100~600W(クリッピングなし)
スピーカー端子:バイワイヤリング対応端子(HIGH / LOW)
寸法:W715×D428×H1374mm(本体部、突起部含む)
質量:63kg/本