ゼンハイザーは、オーディオファンに向けた密閉型イヤホンの新製品「HD 620S」（市場想定価格￥63,250、税込）を発表、6月6日に発売する。
ニュートラルなサウンドが評価の高い「HD 600」と、広大なサウンドステージを再現する「HD 500」という、ふたつの開放型ヘッドホンシリーズを融合し、密閉型ながらナチュラルで広いサウンドイメージを実現したモデルだ。
搭載されるドライバーは自社製造の42mmタイプで、上位モデル「HD 660S2」と同様にラミネート加工を施したDuo-Folテクノロジーを使った振動板が採用されている。これにより、全帯域で歪みを最小限に抑えた、高解像度なサウンドが再現できるという。
またこの振動板素材は柔軟性も備えているので、臨場感のあるヴォーカルと、重厚でありながらバランスの取れた低域を実現する。ボイスコイルには超軽量アルミコイルが使われ、繊細な高域の描写力を目指している。
従来のゼンハイザー製ヘッドホンは、振動板周辺の後ろにダンピング用の素材を配置することが多いが、HD 620Sではインパルスレスポンスを改善するために、ダンピング材を使ってない。これにより、トランスデューサーの動きにさらなる自由度とスピードが与えられるそうだ。
イヤーパッドには、細かいホール（孔）を設けたアコースティックフォームを採用、音の内部反射を吸収して開放型のような性質をもたらしてくれるという。ドライバーは角度を付けて配置することで、まとまりがありパノラマのようなサウンド空間を演出している。
実際の再生周波数特性は既発売の「HD 600」と同様のカーブになるが、100Hz以下の低域についてはHD 600より高い音圧が獲得できており、さらに密閉型ながら4kHz以上もなだらかな再現が可能になったそうだ。
装着性にも改良が加えられ、ヘッドバンドにはスチール部を強化したスライダーを搭載。イヤーカップも耐久性に優れた設計で、かつ軽量なので長時間装着していても問題ないはずだ。
付属ケーブルは長さ1.8mで、3.5mmプラグと6.3mm変換アダプターが付属している。また4.4mmバランスケーブルへのアップグレードも可能とのことだ（費用は別途）。
「HD 620S」の主なスペック
●型式：ダイナミック・密閉型
●仕様ユニット：42mm
●インピーダンス：150Ω
●再生周波数特性：6Hz〜30kHz
●感度：105dB（1kHz/1Vrms）
●質量：約326g（ケーブル除く）