去る4月27日に大手町で開催された「春のヘッドフォン祭 2024」(主催:フジヤエービック)に、ドイツのオーディオブランドbeyerdynamicが出展。ブランド創立100周年を記念したヘッドホン「DT770 PRO X Limited Edition」が、イベント直前の4月19日に発売されたばかりであり(¥34,980税込)、同社としても大注力している製品ということもあって、本国からセールスマネージャーのGERHARD HERMNANN氏が来日。終日ブースに立ち、日本のオーディオファンへ向けて精力的に製品のPRを行なっていた。ここでは、PR活動の合間を縫って氏に、来日の感想や製品に込めた想いを聞いた。

 まず、来日の目的について聞くと「周年記念モデルのプロモーション」がメインではあるものの、「イベントに参加している競合ブランドの調査や、日本のオーディオファンがどんな製品に興味を持っているかについての調査も行なっている」ということだ。

 せっかくなので、日本の感想を聞いてみると、「居心地がよくて、ファミリーのような雰囲気を感じる」と嬉しい答え。加えて、「このイベントでは、いろいろな製品を組み合わせての試聴ができていて、ひじょうにいいと思う」と、絶賛していた。

 そんな日本市場で周年記念モデルは受け入れられそうか? と少しいじわるな質問をしてみたが、「ひじょうにいい形で、受け入れてもらっているし、実際セールスも好調です」と、早くも手ごたえを感じている様子。「すでにべイヤーダイナミックの製品をお持ちの方が、それにプラスして周年記念モデルをコレクションしてくれている。特徴的なサウンドチューニングも高く評価してもらっていて、その点も嬉しいことです」と笑顔で話してくれた。

 そのサウンドについてもう少し詳しく聞いてみると、「基本的には、モデルごとにチューニングを行なっていますが、その根底にはブレることのない“べイヤーサウンド”が息づいています。今回のモデル(DT770 PRO X Limited Edition)については、べイヤーの一番スタンダードな「DT770 PRO」のサウンドチューニングに合わせる方向で作り込んではいますが、素材や使われ方については現代的なものに合わせているので、古きと新しきの融合というコンセプトに沿った製品になっています」という答え。

 もう少し突っ込んでみると、「現代的な方向性(チューニング)もありますが、我々はすべての周波数がしっかりと聴こえて、かつ高い解像度を持ち、広い音場を体験できる。そういう音作りを基本にしています」ということだった。

 ちなみに、GERHARD氏の(個人的な)好みを聞いてみると、「個人的には、「DT880 PRO」が好きです。音場の広さや、解像感の高さ、一音一音のそのクォリティに惹かれています」と答えてくれた。

 では、そのDT880をベースに限定モデルを作ってみたら?と水を向けてみると、それをベースにするかはさておき、ゲーミングの市場にも大いに興味があるそうで、「より高いレベルでゲームプレイするユーザーは、オーディオ機器への投資も旺盛と聞きます。つまりは、音の聴こえ方がよければ、方向性を感じやすくなり、プレイする上でのアドバンテージになるからです。そうした意味からも、我々はよりクォリティの高いゲーミング機器を作ることにも、フォーカスしています」という前向きな回答が返って来た。

 最後に、来日のメインである「DT770 PRO X Limited Edition」のPRをお願いした。「製品としての装着感のよさ、作りのタフさ、製造品質のよさというベースモデルが受け継いでいる評価されている部分に加え、最新のドライバー「STELLAR.45」を搭載することで、現代のモバイルプロダクツとも組み合わせしやすい柔軟性を持ち、しかも高品位な再生を可能にしています。受け継がれてきた古き良き品質と、最新の音質をぜひ、楽しんでほしい」とアピールしてくれた。

https://beyerdynamic.co.jp/