イギリス発のテクノロジーカンパニー・Nothingは本日、都内で会見を開き、完全ワイヤレスイヤホンの新製品2モデル「Nothing Ear」、および「Nothing Ear(a)」を発表した。本日より予約を受け付け、明日4月19日より限定店舗にて限定数を先行発売するそうだ。価格はNothing Earが¥22,800(税込)、Nothing Ear(a)は¥14,800(税込)となる。

「Nothing Ear」

「Nothing Ear(a)」

 会見の冒頭には、同社CEO・カール・ペイ氏が登壇し、日本市場への期待についてコメントしていた。曰く、日本市場へは2021年にスマートフォンを以て参入(2020年創業)、翌年には完全ワイヤレスイヤホン「Nothing Ear(stick)」を投入しており、市場ではその技術、および高いデザイン性が認められて人気を得ているそうで、日本市場は、アメリカに次ぐ第2位のマーケットに拡大しているそうだ。

 そうした流れを受けてNothingでは、日本市場への本格進出を決め、今回、新製品の世界初の発表の地として日本を選び、さらに、日本オフィスを開設、現地(日本)のマネージングディレクターに、黒住吉郎氏を起用し、日本マーケットへより強く注力していく、と力説していた。

 さて、新製品については、ペイ氏の紹介を受けて、今回ディレクターに就任した黒住氏が説明してくれた。

 まずは意気込みとして、日本のユーザーは、Nothingの技術力や機能、デザイン、価格(コスパ)について高い関心を持ってくれており、そうしたユーザーの期待に応える製品を作るためにも、日本への展開に注力し、それをベースに、世界ブランド飛翔への足掛かりにしたい、とコメントしていた。

 さて、製品について紹介すると、今回発表のEarについては、昨春発売の「Nothing Ear(2)」の後継になる製品なのだが、型番は(3)ではなく、Earとなっている。これについてペイCEOは、「スマートフォンは毎年新製品が投入されるが、イヤホンはそうではないこともあり、定番商品として認識してもらえるよう、車と同じように、ネーミングを統一した」とのことだ。Earのx世代、202x年式、という形になっていくのだろう。

 外観についてはEar(2)を踏襲しており、これは製品としてのアイコン性の継承と、ある意味(2)のデザインが完成形である、という認識のようだ。しかし、中身はほぼ刷新されていて、搭載ユニットは新開発の11㎜径ダイナミック型。今回、中央のドーム部分にはセラミック素材を用いていて、これは数々の素材をテストしたうえで、高域や音場感の再現性の高さを加味したものになるそうだ。

 (2)では採用は見送られた「LDAC」コーデックのサポートが明らかにされた。日本市場性やユーザーの意見を取り入れたかっこうになるのだろう。加えて、(2)と同様に、筐体内部の空気の流れ(エアーフロー)についても、本モデル専用に設計されているし、ANCについても除去性能を向上させていて、スペックとしては45dB相当としている。マイク部にもメスが入り、よりクリアな会話ができるようになった、と謳っていた。バッテリーも強化され、ANCオフで約8.5時間、オンでも約5.2時間の使用が可能になった。10分の充電で最大10時間(ケース併用)使える急速充電にも対応している。

 そして、技術とデザインを標榜するNothingらしさが体現されたのが、昨年、世界の話題をさらった生成AI「ChatGPT」との連携。スマホアプリを介してとなるが、一度設定(リンク)してしまえば、イヤホンのタッチでChatGPTを起動させ、音声入力にて質問が行なえるということだ。対応スマホは「Nothing phone(2)」で、phone(1)、(2a)は後日のアップデートでの対応になるそうだ。

 そしてもう一つEar(a)は、Nothingとしては初の色付きモデルをラインナップした製品(白黒黄色の3色を用意)。鮮やかなイエローが映える見た目で、実際、通勤や通学で使用(装着)すると、かなり目立つのではないだろうか。

 イヤホン本体についてはNothingデザインであり、一見ではEarやEar(2)との色以外の区別は、なかなかに難しいもの(笑)。中味についてはEarの技術や設計が投入されているそうで、高域や低域の再現性はEarに近いチューニングがされているそうで、ドライバーのドーム部がセラミックではない、など、価格面含めた差異はあるものの、LDACのサポート、ChatGPT対応などは同様という。

歴代の製品も展示されていた

入口にそっと掲出されていたデザインスケッチ

謎の自販機

Ear用の専用ケースが出てきました