ラディウスから、新作イヤーピース「HP-DME30」が2月中下旬に発売される。パッケージは、各サイズ同梱、同一サイズ封入と、5種類が用意されるが、価格はいずれも同じ(同社直販サイト価格は¥3,190・税込)。

 さてこのHP-DME30は、メーカーの言葉を借りれば、「リスニング時の没入感を極限まで高め、聴く人を超集中状態と言われるゾーンへと導く」、ディープマウントイヤーピースのハイグレードモデル「HP-DME2」に、シリコンアダプターと収納ケースをセットにしたパッケージとなる。

 イヤーピースの素材には、化学メーカー・信越化学工業製のLSR(Liquid Silicone Rubber)を採用し、柔軟性が高く、引き裂きに強く、歪が低く、耐久性が高いという素材の特性を活かして、装着性や密閉度を高くとれるから、ユーザーにとっては音のディテイルがより感じられる製品になっている、と謳っている。

 ここでは製品の発売に合わせてサンプルを入手できたので、同社のワイヤレスイヤホン「HP-R100BT」と組み合わせて、そのサウンドをチェックしてみた。HP-R100BTは、今では少数派となった左右のユニットがつながった首掛け式のワイヤレスイヤホン。ケーブルが長い分、アンテナ感度が高く取れることから、電車内でのLDACコーデック再生時においても、音途切れが少なく、快適なリスニングが行なえるので、記者愛用の逸品となっている。

▲下の透明なものが「HP-DME30(HP-DME2)」

 さて、早速付属のイヤーピースをHP-DME30(HP-DME2)に付け替えるが、同じ会社の製品ということもあってかすんなりと換装できた。その状態で耳へ装着してみると、謳い文句通り、耳穴への密着度が上がっているのが実感でき、周囲の騒音の遮音性も高まっているのが感じられる。イヤーピース自体は、製品付属品に比べてかなり硬くなっているようだが、耳を圧迫する感じはなく、付属品と変わらない印象だ。

 音質については、全体的に重心が下がりどっしりとしたサウンドになる。謳い文句通り細かい音がより聴き取れるようになり、音場感が拡大(左右方向に雄大になる)しているのも分かるし、もともとLDACで聴いていることあり、厚みのあるボーカルには艶感が増し、ニュアンスというか息遣いまでもが間近に迫ってくるようになる。声の消え際の余韻も、豊かになっているようだ。さらに、細かい音が聴き取れるようになったことで、音の分離感も向上し、一音一音がしっかりと聴こえてくるようにもなった。ウレタン式のイヤーチップでは、細かい音を吸収してしまうものもあるので、装着性(密着度)が増しながらも、細かい音がより聴きとりやすくなるのは、この製品の大きなアドバンテージと言えるだろう。