エミライは、中国・深圳の新ブランド「MANGETAR」(マグネター)の取り扱い開始に関する説明会を開催した。同ブランドはユニバーサルUHDプレーヤーの「UDP900」と「UDP800」をラインナップしており、日本国内でもこの2モデルを発売する予定だという。
説明会冒頭、同社取締役 マーケティングディレクターの島 幸太郎氏から、MANGETARブランドについての紹介が行われた。
エミライはもともと、ユニバーサルプレーヤーの人気ブランド「OPPO」(オッポ)の輸入販売を手掛けていた。オッポの製品は音質のよさからホームシアターユーザーから高い人気を集めていたので、StereoSound ONLINE読者諸氏の中にも愛用者は多いのではないだろうか。
残念ながらオッポは2018年にユニバーサルプレーヤーの事業を終了、昨年にはサポートも終了している。これは動画ストリーミングサービスの普及を見越しての経営判断であり、実際に2021年には日本国内でも有料動画配信の利用率がパッケージのそれを上回っているという。
とはいえブルーレイなどのパッケージメディア利用率は17.4%あり、パッケージメディアを愛好しているユーザーはまだ多いともいえる。この数字は無視できないものであり、それらのユーザーに向けて高品位なユニバーサルプレーヤーを出すべきであると、エミライでは考えているようだ。
ただしユニバーサルプレーヤーという製品故に、いくつかクリアーしなくてはならない問題もあった。まず多様なスペックに対応するためのライセンスや認証のコストがオーディオ機器よりも多く、そのために母体となる企業には大きな規模でのビジネスが求められるが、現在SACDを含めたユニバーサルプレーヤーを作れるメーカーは世界中を見ても少ない。
そんな中でエミライがMAGNETAR製品の取り扱いを決めたのには、日本のオーディオビジュアルファンに向けて、高品質なユニバーサルプレーヤーを発売したいという想いがあったそうだ。
MAGNETARは、高品位ディスクプレーヤーの製造事業を行う中国のMagnetar Technology Shenzhen Co., Ltd.の自社ブランドとして、2021年に中国・深圳で設立された。Magnetar TechnologyShenzhen Co., Ltd.は、それ以前から様々なメーカーのOEMやODMを手掛けており、日系ブランドの車載関係やDVDプレーヤー製品を製造してきた実績もあるそうだ。
エミライはオッポを扱ってきた経験から、ユーザーに安心して製品を使ってもらうためには、様々な取り組みが必要だと感じており、自社生産しているメーカーであるべきだという判断があったという。MAGNETARは「卓越性の追求」をブランド・フィロソフィーに掲げており、今後もディスクメディアにこだわった製品開発を行う予定とのことで、その信頼性を評価しての決断だったのだろう。「これだけの製品を作れるメーカーはもう少ないでしょう」と島氏も語っていた。
同時にユニバーサルプレーヤーである以上、趣味性の高い製品としての物作りへのこだわりも求められる。MAGNETARはその点でも、採用するソリューション、キーコンポーネントの選択がうまいそうだ。具体的には、ドライブメカはオッポと同じソニー製を採用しており、メディアテック製のクアッドコアプロセッサー「MT8581」も同様だという。
さらに日本向け製品ついてもエミライが細かい仕様を提案し、MAGNETAR側もそれに応えて半年にも及ぶカスタマイズを行ったそうだ。その甲斐あって、メニュー画面もわかりやすくまとめられており、特にオッポ製品を使ってきたユーザーには違和感なく受け入れられるものになっている。
もうひとつハイエンドオーディオファンに喜ばれそうな点として、上位モデル「UDP900」ではESSのDACのチップ「ES9038PRO」「ES9028PRO」を搭載し、2chと7.1chアナログ出力を備えている。SACDはもちろん、ブルーレイのロスレス音声もここから出力可能なので、AVアンプを使いたくない人にも最適というわけだ。弟機の「UDP800」も2chアナログ出力を備えている。
その他、両モデルともシャーシ構造や基板設計にも高品質のための様々なこだわり、配慮が盛り込まれているそうだ。そちらについては、近日正式なリリースを予定しているそうなので、楽しみにお待ちいただきたい。