Dynabookは、個人用ノートパソコン・dynabookの新製品として、AI専用エンジンを内蔵したインテルの最新プロセッサー「インテルCore Ultra プロセッサー」を搭載したフラッグシップモデル「dynabook R9」を発表した。発売は4月下旬。価格はオープンで、想定市場価格は29万円台半ばとなる模様だ。

 dynabook R9は、インテルが昨年12月に発表したAI処理に最適化されたコアである「NPU」を搭載した、CPU、GPU、そしてNPUの3つのコアからなる新しいプロセッサー「インテルCore Ultra プロセッサー」を、国内のPCメーカーで初めて採用したモデルとなる。そして、同社が展開する家庭用(個人向け)ノートPCのフラッグシップという位置づけだ。

 同社では、1989年に世界で初めてのノートPCを発売したことをIT革新のファーストポイントとして認識し、以後、インターネットの普及、生成AIの誕生と普及という、計3つの革新を経て現在に至ると認識しているそうで、2022年に萌芽した生成AIは、今年はさらに成長し市場も拡大すると予想、その生成AIをエッジ=個人・ローカルで使いやすいように取り入れたのが、今回発表のR9になる、ということだ。

 そこで新R9では、最新プロセッサー・インテルCore Ultra プロセッサーの採用を決めたそうだが、発表会にて実際に導入する際に苦労はあったのか? と聞くと、確実に「あった」そうで、特に放熱の部分に注力し、28Wで安定した動作を可能とするために、毎週のようにデバッグを重ね、ひとつずつ問題点をクリアし、今回の発表にこぎつけたのだとか。Dynabookの持つクーリング技術「dynabookエンパワーテクノロジー」を用い、Wファン、Wフィンによって、安定した動作を可能にしたそうだ。

Copilot in Windowsをワンタッチで起動できる「Copilotキー」(←矢印キーの左のキー)も専用で用意

 ちなみに、新プロセッサーによる並列処理の進化によって、省エネだけでなく、処理速度も向上しているそうで、グラフィック性能のゲーミングのベンチマークでは、R9の前モデル(第13世代CPU)に対して30%の向上が見られたという。オンラインでのアクションゲームでは実に2倍以上の206%の結果を得たそうだ。バッテリーの持続時間も、低消費電力のEコアの採用で、アイドル時14%アップ、動画再生時10%アップ(ともにJEITA3.0)という結果となっている。

 会の後半には、インテル 技術本部部長の安生氏も登壇。実際に先代のdynabook R9を愛用しているそうで、「薄い・軽い・長い(バッテリーの持ちが)がベストバランスしていて、それまではバッテリー持ちのいいノートであっても、ACアダプターを持ち歩いていたが、R9になってからは持ち歩かなくなった。ライフスタイルが変わるほどの影響があった」と実感を込めて語っていた。

 なお、AI機能については今後、搭載するモデルを拡大していきたい、としていた。