レイナルド・マーカス・グリーン監督の伝記ドラマ映画『ボブ・マーリー:ONE LOVE』も日本公開が予定されているとのことだが、その前に“実物”の姿をぜひ体験しておこうではないか。『ボブ・マーリー ラスト・ライブ・イン・ジャマイカ レゲエ・サンスプラッシュ』は1979年7月、ジャマイカで開催された一大フェスティバル「第2回レゲエ・サンスプラッシュ」の模様を中心に構成された貴重このうえない映像であり、81年に早すぎる病死をとげたレゲエの神格、ボブ・マーリーが母国で繰り広げたラスト・パフォーマンスの記録でもある。

 「ノー・ウーマン、ノー・クライ」を始めとする代表曲を次々と歌いまくるマーリーの雄姿は、いわば作品の「トリ」として味わえるが、ほかにもバーニング・スピア、サード・ワールド、ピーター・トッシュ(若くして凶弾に倒れた)がいずれも濃厚なパフォーマンスを展開、とくにトッシュの発言や酩酊ぶりに接すると、いかにこの音楽が(少なくとも彼にとっては)ガンジャと不即不離であるかがありありとわかる。楽曲の途中で挿入される街角の風景の生々しさ、ラスタファーライ(日本ではラスタファリと表記)の大きさと重さ、歌と太鼓の3人組が海岸で繰り広げる渾身のパフォーマンスなどなど、フェス以外のシーンも訴えかけるところ満載だ。「レゲエはレベル(反抗)・ミュージックなんだ」という発言がまた、胸に迫る。

映画『ボブ・マーリー ラスト・ライブ・イン・ジャマイカ レゲエ・サンスプラッシュ デジタルリマスター』

2月9日(金)より、新宿シネマカリテほか全国ロードショー

出演:ボブ・マーリー&ザ・ウェイラーズ、ピーター・トッシュ、バーニング・スピア、サード・ワールド
監督:ステファン・ポール/撮影監督:ライナー・ハインツェルマン、ハンス・シャルク/編集:ヒルデガルト・シュレーダー
1980年/西ドイツ・ジャマイカ/英語/109分/4:3/ステレオ/PG-12
原題:Reggae Sunsplash 提供:ニューセレクト|配給:アルバトロス・フィルム
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