リンジャパンから、モノブロックパワーアンプ「KLIMAX SOLO800」が発表された。価格は¥15,400,000(税込、ペア)で、2月の発売を予定している。本体カラーはシルバーとブラック。

 KLIMAXパワーアンプは、1999年に「KLIMAX 500 SOLO」が登場、そのスマートなフォルムと力強いサウンドが注目を集めた。さらに2011年にはDYNAMIK Power Supplyを搭載した「KLIMAX SOLO」にグレードアップ、現在まで続く人気モデルとなっている。

 12年ぶりに発表されたKLIMAX SOLO 800は、あらゆる条件下で、あらゆるスピーカーを最適に駆動する製品として、現在のリンテクノロジーの粋を集めたフラッグシップパワーアンプとして開発されている。その特長は以下の通り。

●KLIMAX SOLO 800はAB級パワーアンプであり、この方式にはトランジスターのクロスオーバー歪みを最小に抑えるための最適なバイアス電流値が存在している。従来のAB級パワーアンプの設計/製造では、このバイアス電流値は製品製造時に設定されている。しかし、個々の素子/トランジスターのばらつきや温度変化、コンポーネントの経年変化により、バイアス電流が変動する可能性があり、実際にかなり離れて変動しているという。

 KLIMAX SOLO 800ではこの問題を回避するために、独自の「Adaptive Bias Control」テクノロジーを開発。リアルタイムでトランジスターに供給される電流値の測定・抽出・デジタル化を実行、このデータからFPGA内で最適値が算出され、デジタルコントロールで個別トランジスター毎、常にバイアスを精密に制御している。これにより、温度や再生音量レベル、ソースマテリアルの変動、経年変化などによらず、製品全体が常に理想的な動作状態を保っている。

●KLIMAX SOLO 800は、最良のトランジスターを8ペア(16個)パラレルに使用し、純粋かつ超リニアな再生を実現。強力なアンプ回路が、全帯域にわたって安定した出力(800W/4Ω、1.2kW/2Ω)を可能にしている。パワフルな増幅部は、Adaptive Bias Controlとのコンビネーションによって無駄なくその力を発揮する。

●UTOPIK Power Supply for KLIMAX SOLO 800を搭載。保持速度、応答性、完璧な効率を維持しながら、2kWの最大電力を生成。アンプが要求する劇的な負荷変動に対して、安定した電力を供給できる。またこの回路には、「ソフトスイッチング」と呼ばれる技術も搭載した。これは、共振タンク回路によってスイッチがオンとなる前にスイッチ両端の電圧を確実にゼロにする技術で、この効果によって、KLIMAX SOLO 800のUtopik電源はよりクリーンかつ効率的で、動作条件の如何に関わらず静性を保つことができる。

●KLIMAX SOLO 800では、内部温度を均一に保つため、自然放熱の恩恵を受けられる工夫が施されている。両サイドの大型ヒートシンクと共に、煙突効果を利用したシンプルな構造により、冷たい空気が製品底面の通気孔から引き込まれ、熱を取り除いた後、天面の通気孔か排出される。この放熱設計がパワーアンプとしての一貫性、効率性、製品寿命に貢献している。

●本体正面に円形パネル「ラウンデル」を搭載し、100列のバックライトLEDアレイで製品のステータスを表示。明るさは製品背面のスイッチで3段階に設定可能。

「KLIMAX SOLO 800」の主なスペック

●出力:400W(8Ω)、800W(4Ω)、1.2kW(2Ω)
●ゲイン:28.6dB(アンバランス)、22.6dB(バランス)
●インピーダンス:0.01Ω(1kHz)
●THD+N:0.0004%(8Ω、1kHz、400W)、0.0005%(4Ω、1kHz、800W)、0.0006% (2Ω、1kHz、1.2kW)
●接続端子:アンバランス入力×1(RCA)、バランス入力×1(XLR)、パススルー出力×2(RCA、XLR)、スピーカー出力
●寸法/質量:W350×H268×D412mm/27kg