角川大映スタジオは、2024年3月下旬から角川大映スタジオ内のNo.Cステージに、約6Kサイズのソニー製Crystal LED VERONAを設置、大型LEDディスプレイを活用したインカメラVFXを中心とするバーチャルプロダクション(以下VP)および制作ソリューションを提供すると発表した。

 バーチャルプロダクションスタジオは、LEDウォールで背景映像を再生し、その前で俳優が演技を行うことで、あたかもその場でロケをしているかのような映像が撮影できる技術だ。実際の自然映像はもちろん、宇宙空間や架空の都市なども再生できるので、撮影の幅が大きく広がることになる。

 今回角川大映スタジオが想定している内容は以下の通り。

リアル美術とバーチャル美術の融合
 最先端のテクノロジーと歴史ある美術製作技術力を用いて、バーチャル空間の美術製作を行い、作品のクォリティを左右するリアル美術とバーチャル美術世界のボーダーレスを実現。これにより唯一無二唯の高品質な美術空間を提供可能となる。VPを用いた撮影で重要なセクションのひとつである、VAD(Virtual Art Department)によるプリビズなどのテック分野でのサービスも開始。

気候変動への取り組み
 大型LEDディスプレイによる仮想空間を活用して、従来の美術セット廃棄量の50%減を実現。

希少なLEDディスプレイ昇降システムを採用
 幅15m×高さ5.0mのメインLEDディスプレイを電動ウインチで制御し、約2.3mの範囲で昇降できる。これによりアングルやセットの高さの制限が解消され、自由な画作りが可能に。

スタジオスペック
●住所:東京都調布市多摩川6-1-1 角川大映スタジオ No.Cステージ
●仕様:スタジオ面積550㎡(167坪)、高さ8.0m、電気容量180kw(100V/200V併用)
●LED:ソニー製Crystal LED VERONA
●サイズ:横15.0m×高さ5.0m、キャビネット数300(ピッチサイズ2.31mm)
●解像度:6,480×2,160pixel、ROUND2.5度
●設置:吊り下げ昇降式(可動域2,360mm)
●送出システム:インカメラVFX:Unreal Engine4.27/5.2対応
●映像:ソニーPCL製ZOET4
●プロセッサー:Brompton Tessera SX40
●トラッキングシステム:Mo-Sys Star Tracker