先日、ファーウェイから発表されたイヤーカフ型の完全ワイヤレスイヤホン「HUAWEI FreeClip」は、ここのところ注目を集めている“耳をふさがない”=オープンタイプのワイヤレスイヤホンだ。ファーウェイでは実に、3年を超える年月をかけて本モデルを開発したという。ここでは、こだわりの詰まった「HUAWEI FreeClip」の装着性や音質について、実際に使用してのインプレッションをお届けしたい。

独創的な機構で快適な着け心地を実現した完全ワイヤレスイヤホン
大口径のダイナミック型ドライバーで、低音の量感も充分に確保

ファーウェイ
完全ワイヤレスイヤホン
「HUAWEI FreeClip」
※現在、「GREEN FUNDING」にてクラウドファンディングを実施中(2月1日まで)

▲カラーリングは「ブラック」と「パープル」の2色をラインナップ

タイプ:イヤーカフ型
Bluetooth規格:Bluetooth® 5.3
対応コーデック:SBC、AAC、L2HC
ドライバー:約10.8mmデュアルダイナミックドライバー
再生周波数帯域:20Hz~20kHz
連続音楽再生時間:イヤホン単体 約8時間、充電ケース併用 約36時間
満充電時間:イヤホン単体 約40分、充電ケースのみ 約60分(有線)
充電端子:USB Type-C
通話ノイズリダクション:対応(片側2マイク+風ノイズ低減設計+DNN)
マイク:2基搭載
マルチポイント:〇(最大2台同時接続可能)
装着検知機能:〇
タッチコントロール:〇
イコライザー機能:〇
防水・防塵:〇(IP54)
質量:イヤホン単体 約5.6g、充電ケースのみ 約45.8g
付属品:クイックスタートガイド、保証とアフターサービスのご案内、USB Type-Cケーブル

 

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 さて、「HUAWEI FreeClip」の最大の特長は、そのユニークなデザインにある。一見するとイヤホンとは思えないし、ちょっとしたアクセサリーのようでもある。充電ケースから取り出してみると、丸い球体と長円形の部品がC字形の部品でつながった形をしている。これを耳を挟むようにして装着する。

▲「HUAWEI FreeClip」は、「アコースティックボール」「コンフォートビーンズ」「C-bridge」の、3つのパーツで形作られている

 球体の部分は「アコースティックボール」と呼ばれる音が出る部分で、耳の孔の周囲にあるくぼみ(耳甲介)に収まるが、カナル型のイヤホンのように、耳の孔自体を塞ぐわけではない。長円形の部分は「コンフォートビーンズ」と命名され、いわゆる耳(耳介)を挟み込むようにして、耳の裏側に収まるようになる。

 こうしたミニマルなデザインの各パーツは、1万人以上の人間の耳のデータを元に最適化され、さまざまな耳のサイズや形状にフィットするように設計されているため、激しい運動をしても外れたり、落ちたりしないようになっているそうだ。実際に、通勤・通学での利用を想定して使ってみたが、屋外・電車内でも落ちることはなかったし、少し意地悪して頭を振ってみても、外れそうになることはなかった。

 さらに、耳を挟むC字型の部分は「C-bridge(Cブリッジ)」と言い、ニッケルチタン合金ワイヤーで成形されていて、高い耐久性を備えており、同時に形状記憶合金であることから、ワイヤーの角度が常に最適な形状となり、高いフィット感を得られるように設計されている。

▲「C-bridge」には適度な弾力があり、「アコースティックボール」と「コンフォートビーンズ」が接触しないようになっているため、圧迫感のない装着が可能となっている

 しかも、イヤホン単体の重さは約5.6gと軽量で、耳への負担も少ない。通勤・通学をはじめ、ちょっとした運動など、さまざまなシチュエーションで快適に音楽を楽しめるように考えられているのだ。もちろん、IP54の防塵防滴性能を備えているので、汗をかいても、小雨に降られるようなことがあっても安心だ。

 次に、イヤホンの基本的な性能を紹介すると、BluetoothコーデックはSBC、AAC、L2HC(HUAWEIオリジナルのHDコーデック)をサポート。アコースティックボールに内蔵されるユニットは、口径約10.8mmのデュアルマグネット仕様のダイナミックドライバーだ。さらに、音声通話用にデュアルマイクと骨伝導VPUセンサーも備えられており、周囲のノイズをキャンセルして快適な音声通話を可能にしている。イヤホン本体に触れて操作する、タッチコントロールにも対応する。

 近年重要視されているマルチポイント接続(同時に2台のデバイスと接続が可)もサポートしているし、バッテリーは、イヤホンだけで最大8時間、充電ケース込みで最大36時間の音楽再生が楽しめるロングライフ仕様。イヤホンを片方ずつ使うこともできるので、使用時間の延長も可能だ。また、約10分間の充電で最大3時間使えるクイック充電にも対応する。

軽快で装着している気がしない! メガネユーザーにもおすすめのフィット感

 耳を挟んで使うタイプというと、長時間装着すると耳が痛くなってしまわないかと心配する人もいるだろう。だが心配はない。耳を挟むというよりは、耳に引っかける印象で、耳が挟まれているという感覚はほとんどない。各部の形状がよく出来ているので、イヤホンがブラブラするようなことなくフィットするし、それでいてカチッとはまっているわけでないので、常に同じところが圧迫されて痛くなるようなこともない。そしてひじょうに軽いこともあり、耳への負担はほとんど感じない。

 試しにほぼ1日つけっぱなしで使ってみたが、装着しているのを忘れそうになるくらいの軽快さで、耳が痛くなってしまうことはなかった。サイズ的にも邪魔にならず快適に使える。そしてメガネ装着者に朗報なのが、メガネのツルとほとんど干渉しないこと。イヤホンをつけたままメガネを外してもまったく邪魔にならないし、当然メガネをかけた状態でも干渉することなくイヤホンの装着ができる。メガネユーザーにとってはかなりうれしいポイントだ。

▲実際に装着した写真。「アコースティックボール」はいい塩梅で耳甲介に収まっていて、適度な隙間があるため、周囲の音もきちんと聞き取ることができる。「コンフォートビーンズ」は耳の後ろにスッと隠れてしまう

 装着時の見た目は、耳におしゃれなアクセサリーをつけている感じで、女性や若い人ならばアクセサリー感覚で気軽に使うことができそう。装着してしまうと、大きめの部品である長円形の部分(コンフォートビーンズ)は耳の裏に隠れてしまうので、思ったほど目立つこともなく、中年のおじさんが装着していても不自然さはない。カラーは「パープル」と「ブラック」の2色で、ケースも同色で揃えられている。

 また、実際に使ってみて感心したのは、イヤホンに左右の区別がないこと。取り出して装着すると、イヤホンが自働的に左右を判別してくれるし、充電ケースにしまう時も、ケースの溝のどちらに入れてもいい。さらに、片耳使用も可能で、途中で聞く耳を変えたい時も、わざわざケースから反対側のイヤホンを取り出す必要はなく、例えば、左から右へ、スッとイヤホンを着け替えればOKだ。これは実際に使ってみると“かなり便利”と感じる部分で、よく考えこまれた機能だと感じた。

クリアーな音で低音もしっかりと出る。音漏れの心配もなし

 音質もなかなかによく、クリアーで聴き心地のよいものになっている。耳を塞がないので開放感があるし、広がりのある音が聴ける。低音もなかなかしっかりと出る。ローエンドはさすがに厳しいが、中低音が充実していて厚みのある音になるし、オープンタイプでありがちなひ弱な感じにならないのは好ましい。

 通勤・通学を想定して、駅のホームなど少々騒がしい場所でも使ってみたが、周囲の音に負けてしまうようなことはなかった。周囲の音もきちんと聞こえながら、映画のBGMが流れているような感覚で音楽が聴こえてくるのは、なかなか新鮮。音量的にもかなりの音圧が出せるので、それこそ周囲の音が聞きづらくなるくらいの大音量の再生もできた。しかし、基本的にメリハリの効いた音なので、あまり音量を出す必要はない。

 一方で、音量もしっかりと出るとなると、気になるのは音漏れ。電車内なども含めて試したが、過度な大音量でもない限り、音漏れの心配はないだろう。その秘密はアコースティックボールの外側にある出音孔。ここから周囲に向けて逆相の音波を発することで、音漏れを低減(相殺)しているのだ。混雑した場所でも音漏れを気にすることなく使えるはずだ。

優れたデザインで快適に装着できて、使い勝手も良好。室内・屋外を問わず、幅広いシチュエーションで活躍してくれる

 他とはまったく違うユニークなデザインもいいし、装着感の良さはかなりのもの。音質的にも充分な実力があり、音漏れの心配もなしと、実によく考えられたイヤホンだ。通勤・通学をはじめ、ランニングや運動をしながら音楽を聴きたい人、それこそ一日中でも音楽を聴きっぱなしにしていたい人には、おすすめのモデルと言える。

 まったく逆に、リモートワークなどで自宅に居ながら仕事をする人でも、音楽を聴きっぱなしであっても家族の相手や来客の対応なども問題なく行なえるし、耳が痛くなるようなこともないのは、うれしいところ。最近はやりのながら聴きイヤホンとしても、威力を発揮してくれると感じた。日常的にイヤホンを装着(使用)することが多い人ならば、ぜひともこの「HUAWEI FreeClip」を試してみてほしい。

提供:ファーウェイ・ジャパン