レノボ・ジャパンは都内で発表会を開き、同社コンシューマー(家庭用)ブランドの「Lenovo Legion」、および「Yoga」の新製品を発表した。ともに12月8日発売となる。
「Lenovo Legion Go」 ¥134,800(税込)
「Yoga Book 9i」 ¥382,800(税込)~
レノボの歴史を少し振り返ると2008年に日本市場へ参入、2012年には、タブレットの普及に合わせ、ノートパソコンをタブレットのようの使えるYogaシリーズを導入(液晶画面を360度回せる機構をYogaスタイルと表記していた)。その後、2017年にはゲーミングブランドのLegionが導入され、現在に続く3本のブランドが確立した格好になった。
同社 コンシューマー事業部の柳沼 綾本部長によれば、日本国内では、Legion、Yogaブランドについては独自の活動を展開してきたそうで、それがブランドの認知に大きく寄与してきたということだ。そうした点を踏まえて今後の戦略として、技術革新、AIの活用、新機構、エコシステム(循環型製品)といった各項目を訴求した製品作りを展開していく、としていた。
さて、今回発表の2モデルは、今年のCESやIFAでも数々の賞を受賞しているそうで、時間はかかったものの、ようやく国内での発売が決まった、ということになる。
まずは発表会の流れに合わせてYogaから紹介したい。「Yoga Book 9i」は、画面が360度回るというYogaスタイルを踏襲した製品で、今回は有機ELディスプレイとなり、それを従来はキーボードになる部分にも搭載した2画面モデルとなる。つまりは13.3型のディスプレイを2枚(2面)備えたノートパソコンとなり、画面の開き方、置き方によって4つの使い方ができる4in1モデルと、同社では訴求。使い方は「無限大」と宣伝していた。
その4in1では、通常のノートパソコン使用(ラップトップモード)、180度全開にして「デュアルタブレットモード」、全開にして縦置き(スクロールモード)、横置きにして「ブックモード」、ハの字的な開き方となる「テントモード」の使い方を紹介していた。
ディスプレイは有機ELであり、色域はDCI-P3を100%カバー、輝度は400ニット、DisplayHDRサポート、タッチパネル仕様という内容だ。
なお、折り紙からインスパイアされたというスタンドも同梱され、それがいろいろと変形することによって、上に記した4in1モードの使い方ができるようになっている。Bluetoothキーボードも付属する。ちなみに、キーボードについては画面上での操作(ソフトキーボード)も可能。Bower&Wilkinsのスピーカーを内蔵し、ドルビービジョン、ドルビーアトモスにも対応する。
次にゲーミングモデル「Lenovo Legion Go」について紹介したい。これは、8.8型のディスプレイを持った小型のパソコンの左右に、ゲームコントローラーを付けた製品で。見た目はどこかのゲーム機にそっくり(笑)。PCゲーム市場が盛り上がっていること、持ち運べるゲーム機=ハンドベルドゲーミングPCが盛り上がっていることを受け、Lenovo初のハンドベルド機としての登場となる。NECパーソナルが2021年初頭に発表した、プロトタイプの小型ゲーミングPCが思い出される。
ベースはWin11のパソコンなので、PCゲーム、コンソールやスマホのゲームも楽しめ、しかもコントローラー付で約854gという軽量(と言えば軽量か)さも兼ね備えているのが特徴。ゲームがサクサク動くように、CPUにはAMDの「Ryzen Z1 Extreme」を搭載している。メモリーは16GB、SSDは512GBとなる。ディスプレイは8.8型で、解像度はWQXGA(2560×1600)。IPS液晶で、輝度は500ニット、色域はDCI-P3 97%カバー、リフレッシュレートはゲーミング機らしく144Hzに対応する。
ちなみにパフォーマンスを充分に発揮するために、冷却(クーリング)もきちんと設計されていて、静音ファンによって効果的な冷却――空気の流れの確保がされている。実際、製品を手に持つと、静かだが、小型の扇風機並みの空気(排気)が感じられた。
なお、本体左右のコントローラーは取り外し可能で、付属の台と組み合わせると、デスクトップで、操縦桿のような持ち方で操作(FPSモード)ができるようになる。右側のコントローラーには小さいながらタッチパッドもあり、マウス操作もくりくりと行なえる(パソコンとして使う時は、コントローラー(ジョイスティックや十字ボタン類)は反応しないのは残念。