養護施設で育った松平香(西尾まう)と勇人(勇翔:ゆうひ)は、施設を出たあとも行方知れずの母親を探していた。ひょんなことから、かつて共に過ごした施設の仲間と再会した二人は、ボーカルグループsomedaysのメンバーとして活動することになる。さまざまな葛藤を抱えながらも、前向きに生きる若者たちの姿を描いたヒューマンな群像劇『SOMEDAYS』。

 先月開催の「2023年マドリード国際映画祭」では、ノミネートだけでなく、最優秀監督賞と最優秀主演女優賞の2冠を獲得しており、今回、満を持しての凱旋公開となる。

 ここでは、W主演の西尾まう、勇翔(BOYS AND MEN)に、メインキャストの辻本達規、本田剛文、平松賢人(いずれもBOYS AND MENメンバー)を加えた5名に、出演の感想を聞いた。

――よろしくお願いします。まずは、10月に公開が決まりました。皆さんの今の心境を教えてください。 (※インタビューは7月下旬)

本田剛文 映画の話をいただいたのがもう一昨年でしたから、そう考えると、長くこの映画に関わっていて、こうして取材を受けるなど、関わり続けられているのがすごく嬉しいです。その反面、公開を迎えることについては、ゴールが見えてくるという一抹の寂しさも感じます。

辻本達規 逆に僕は、作品出来上がってすごく優しい気持ちになれました。自分で言うのも恥ずかしいのですが、純粋にいい作品になったと思うし、肩肘張らずに観られるので、早く、たくさんの方々に作品を届けたい、(公開が)待ち遠しいです。

西尾まう 作品の題材自体が、日本だけではなく世界の方々にも観ていただきたいものなので、海外の映画祭にノミネートされたことが本当に嬉しいです。この映画を通してバリに行く機会を得られたことも有り難くて、現地の養護施設を訪問させていただくなど、とてもいい経験ができました。子供たちと遊んで、歌も聞いてもらって! この映画に出演できたことは、感謝しかありません。

勇翔 映画のお話をいただいてから2年。撮影は終わりましたけど、まだまだ公開へむけての宣伝など、僕たちの活動は続きますので、もっともっと盛り上げていけるように頑張ります。

平松賢人 今、勇翔が言ったように、やはり映画ってお客さんに観てもらって完成だと思うので、多くの方に届けられるように頑張ります。

――平松さんは劇中では金髪でしたけど、いまは戻っていますね。
平松 そうなんですよ。人生で初めて金髪に……。あっ、そうでした、今日たくさんのインタビューを受けましたけど、役作りで金髪にしたことを話すのを忘れていました……。

西尾 あの金髪、マジで似合っていたから、なんで今まで染めていなかったんだろうって思うほどでしたね。

――さて、今回は西尾さんと勇翔さんはW主演です。これまでも共演の経験はあると思いますが、まずは決まった時の感想を教えてください。
勇翔 そうですね、共演の経験はありますから、今回2人でW主演というのは、やりやすそうだなって思いました。

西尾 私もです(笑)。本当の兄弟に見えるぐらい似ているねって言ってもらえたし、とても居心地がいいので、弟役が勇翔君でよかったです。

――少し話を飛ばしますが、勇翔さん以外で、弟役にしてみたい人っていますか?
西尾 平松君ですかね、弟っぽいですよ。

平松 それはあるかもしれませんね。ただ僕は一人っ子だから、兄弟の距離感みたいなものが分からないので、(弟役を演じるのは)難しいかもと思います。

――弟役の勇翔さんとの共演はいかがでしたか?

西尾 役柄的には、お姉ちゃんと弟ではありますけど、現場では逆にお兄ちゃんみたいな感じで、結構頼りにしていました。本当にいい人なんですよ。言葉数は少ないんですけど、優しく見守ってくれる感じで、本当に頼れるお兄ちゃんという雰囲気でした。

勇翔 まあ、過去には子供のいる夫婦役もしていますから、今回の兄弟役はある意味新鮮でしたね。

本田 西尾さんはメンバーみたいな感じですから、メンバーといる時と同じ温度感のまま、撮影現場でも一緒にいられました。映像にはその空気感が出ていたと思いますね。

辻本 本当に、みんなの妹みたいな感じでしたね。

西尾 嬉しい! 普段、男性とお仕事する機会ってあまりないので、当初は、多少の緊張はありましたけど、現場に入ったら、本当に居心地がよくて! それぐらいの位置(妹)がちょうどいいかもしれませんね。

――このままBOYS AND MENに入れそうですね。
平松 じゃあ研究生から。

西尾 えっ、シード権ないの!?

――さて話を戻しまして、登場人物は皆、キャラクターが立っていました。皆さんが演じた役の印象について教えてください。

平松 置かれている状況は違いますけども、監督が僕のことを深く調べてくださったようで、演じやすいキャラクターになっていたと感じました。役を演じるというより、自然体でいられたように思います。自分が歩んできた人生の中のエッセンスを持ってきて作り上げた、という感じです。

勇翔 僕もこの役はとてもやりやすかったです。監督とはもう、何作かご一緒していますので、僕がどういう性格の人間で、ということは分かってらっしゃると思うんです。それもあって、あて書きに近いのかなぁと感じますけど、性格ではなく、勇人が生きてきた人生が、僕自身に近いこともあり、役には本当に入りやすかったです。

西尾 私はちょっと真逆でした。

勇翔・辻本・本田・平松 ちょっと真逆って(笑)!?

西尾 あっいや、ちょっとかなぁと思ったら、真逆だったっていう感じです。真逆でした、はい。実はこう見えて、頭で考えて行動するタイプなんですよ。言葉下手だからうまく伝わらないんですけど、意外と頭で考えて動くので、(行動が)少し遅いんです。でも、香は結構直感型というか感覚で動く子なので、そこは私の理想な子だったと感じています。

――では、理想の役を演じられたと。
西尾 はい! もう観ていて清々しかったです。

平松 じゃあ、あまり気持ち(感情)で動けない?

西尾 そう、ちょっと考えちゃうかも。

辻本 前向きさや明るさも?

西尾 そうですね、香の方が底抜けて明るいかもしれません。

平松 へぇ、まだまだ僕らが知らないことが多いね――

――BOYS AND MENの皆さんとは、本当に仲がいいですね。
西尾 そうなんです。毎回、みんなが助けてくれるんです。この作品の最初の顔合わせがレコーディングで、結構人見知りだし、もともと関係性のある4人の中にどうやって入っていこうかと悩んでいましたけど、みんなが本当に助けてくれて。有り難かったです。だから、きちんと香を演じないといけないって、より意気込んでいました。

辻本 確かに。最初は、女優さんだな~っていう雰囲気が強かったです。

西尾 違うの。ただ単に、なんて話しかけたらいいのか分からなくて、静かにしていただけなの……。

――話を戻しまして(笑)、辻本さんお願いします。
辻本 僕は、そのまんまかなぁ。この中では役に一番近いかもしれないですね。僕も、結構語りますから。だから、すぐに熱くなってしまうところとか、思いを伝えるところなんかは、似ています。熱い思いは伝えたくなるタイプなんですよ。

――松岡修造さんと対談したら面白そうですね。
辻本 はい! ぜひ、お会いして語り合いたいです。

――本田さんは?
本田 役と似ているというか、監督は雰囲気が近いと仰っていましたから、客観的に見たら近いのかもしれませんけど、僕自身としては、どうなんでしょう、こういう感じに見えているのかなっていう疑問はありました。自分では、似てはいないのかなぁと思っています。

――洋介は結構ナイーブな感じでした。
本田 そう。結構繊細だし、そこまでセンシティブな一面は、自分は持ってない気はしてはいるんですけど……。

辻本 すぐしょげるじゃん。

西尾 そうそう。

平松 まあ、役自体は本人よりも少しナイーブになっていたかもね。

本田 監督には、君たちにぴったりの役にしたから、そのままの感じで演じてくれれば大丈夫だからって言われていましたけど、俺ってこんな風に見えるんだって……。

――監督は皆さんのことをよく見ていますね。
本田 そう、だから自分ではなかなか分からないんですよ。監督には、僕の過敏な部分が見抜かれているのかもしれない――ですね。

――話を変えまして、西尾さんに質問です。劇中ではダンスも披露していますが、ダンス&ボーカルグループのBOYS AND MENさんとのパフォーマンスはいかがでしたか?
西尾 えっ、ダンスですか。昔アイドルをしていたので、自信はありましたけど、少しブランクがあったので、みなさんに出遅れないようにと、先行して練習していました。現場では、劇中でも、BOYS AND MENの中でもダンスリーダーの平松さんにはお世話になりましたし、めちゃくちゃ頼りになりました。ダンスを通じて、作品に対しての愛も感じましたし、おかげで私もきちんと気持ちを乗せて、撮影に挑むことができました。感謝しています。

平松 ありがとうございます。そう言ってもらえると嬉しいですね。

――最後に、劇中では楽曲を3曲披露しています。作品タイトルにもなっている「Somedays」について、楽曲への想いや聞きどころをご説明ください。

平松 僕は普段、(BOYS AND MENとしては)歌パートは少ないんですけど、今回はラップパートを担当しているので、注目してほしいです。めちゃくちゃ練習をしてからレコーディングに臨んだので、満足のいく歌唱ができたと思っています。僕のことを応援してくださっているファンのみなさんには、(僕の)新しい可能性を感じてもらえると思います。

勇翔 僕も、普段のグループ活動の時は、ここまでソロパートは多くないので、僕のことを応援してくださっている方は、いつも以上に僕の歌声を聞けるんじゃないかなと思います(笑)。

本田 「Somedays」は、劇中でも歌唱シーンが多かった楽曲なので、エキストラのみなさんの前でもたくさん披露しましたし、役名の「洋介~」っていう歓声もたくさんもらったりして、すごく思い出深い曲になりましたし、育ててもらった楽曲になったと感じています。

辻本 僕は10年ぐらい前からJam9(編注:本作の音楽担当)さんと親交があって、いつか曲を書いてくださいとお願いしていて、それがようやく叶ったのが、この「Somedays」になります。まず、それがとても嬉しかったです。

 あと、曲に関しては歌詞が本当にまっすぐで、素敵で、個人的にも大のお気に入りになりましたから、本当にJam9さんの作るメロディーと歌詞は素敵だなって、改めて思いました。すごくいい曲です。

西尾 私も歌詞が大好きです。すごく優しい曲だなって思います。勇翔と2人で歌うところの歌詞が、この映画全体を表しているので、映画を通してもそうですけど、もっといろいろな方に、この楽曲の素晴らしさを広めたいです。日常でも聞いてほしいです。

映画『SOMEDAYS』

10月13日(金)より池袋HUMAXシネマズほか全国順次公開

<あらすじ>
かつて母親に「必ず迎えに来るからね」と言われて児童養護施設に預けられた幼い姉の松平香(西尾まう)と弟の松平勇人(勇翔 BOYS AND MEN)は、すぐに母親が迎えに来ると思っていたが、迎えに来ることはなかった。

年齢で養護施設を退園した香と勇人は、二人で母親を探しながら社会の片隅で懸命に生きていた。

ある日、育った養護施設の廃園が決まり、閉園式の手紙が二人の手元に届いた。閉園式でかつての仲間、佐藤良太(辻本達規 BOYS AND MEN)、渡辺洋介(本田剛文 BOYS AND MEN)、西川光(平松賢人 BOYS AND MEN)と再会する。

プロのダンサーを目指して施設の庭で夜ダンスの練習をしていた5人だったが、生きていくためにいつの間にか夢を追いかけるのをやめていた。しかし、光だけはインディーズのダンスグループで夢を追いかけていた。

ダンスグループ「SOMEDAYS」に初めてのオファーが入り、自分たちのように喜んだ香たちだったが、そのグループは仲間割れで解散してしまっていた。「だったら俺たちが一緒にやってやるよ!」良太の一言で、即席の「SOMEDAYS」が再結成された。

<キャスト>
西尾まう 勇翔
辻本達規 本田剛文 平松賢人 伊藤一正 池田拓矢 田中杏 富安基晴 西村光久 / 大場泰正 / 倉野章子 西村知美 / 東ちづる / 渡辺徹

<スタッフ>
監督:曽根 剛 脚本:森田剛行 エグゼクティブプロデューサー:西尾友子 プロデューサー:松坂利和、三石勇人 音楽:Jam9(ユナイテッドミュージック) 主題歌:「未来」SOMEDAYS 配給:ベストブレーン / 刈谷日劇 共同配給:SUNRISE 企画・製作:Yuu Promotion
(C)Yuu Promotion

西尾まうSNS
http://www.mauchan.com/mau_nishio.html

BOYS AND MEN SNS
https://boysandmen.jp/