エプソンから、超短焦点プロジェクターの新製品「EH-LS650」が発表された。市場想定価格¥330,000前後(税込)で、10月19日の発売予定。本体カラーはB(ブラック)とW(ホワイト)をラインナップしている。

 エプソン販売株式会社 販売推進本部 VP MD部 部長の小宮正志さんによると、コロナ禍以降、ホームプロジェクターの認知が進み、低価格帯や小型モバイル商品を中心に市場が拡大しつつあるそうだ。ホームプロジェクターを楽しむ文化が定着し、新規層、買い替え層とも需要が増加していくと同社では予測している。

EH-LS650は2色の仕上げをラインナップする。左がブラック仕上げで、右がホワイト仕上げ

 価格帯も、2019年当時は10万円以下が80%以上(うち5万円以下が50%近く)を占めていたが、近年は10万円以下が70%前後(うち5万円以下は40%弱)になり、高価格帯製品も動き始めているそうだ。

 これを踏まえてエプソンでは、低価格や使いやすさだけでなく、より顧客ニーズに合ったプロジェクターをリリースし、高画質・高音質・高品質製品を提唱していくとのことだ。

 さらに毎日の暮らしの中にプロジェクターを取り込んでもらうべく、「プロジェクターの日常化」も提案する。専用シアターといった特別な空間ではなく、いつもの部屋で、いつもの暮らしの中にプロジェクターを取り込むことで、より上質な生活を実現しようということだ。

超短焦点を実現するために、球形のレンズを搭載している

 新製品のEH-LS650は3LCDを搭載し、壁から約27cmの場所に置くだけで100インチの映像を投写できる短焦点プロジェクターだ(最大120インチ)。搭載された液晶パネルは2Kタイプだが、4Kエンハンスメント機能を使って画素ずらしを行い、スクリーン上で4K解像度を実現しているのも特長だ。

 レーザー光源を搭載し、3,600ルーメンの明るさを実現しているので、明かりを残したリビングでも快適に楽しめる。HDMI入力の低遅延設定も可能で、入力遅延20ms以下が実現されるそうだ。

 上位モデル「EH-LS800」と同じ映像処理チップが搭載されており、映像の中身を解析して映像を自動調整する「シーン適応型ガンマ補正」や「ダイナミックチーンマッピング」といった機能も備えている。カラーモード(映像メニュー)は「ダイナミック」「ビビッド」「シネマ」「ナチュラル」の4種類を準備。

HDMI入力は2系統準備され、「HDMI2」端子はeARCにも対応済みだ

 床置き投写で問題になりがちな画像歪みを、スマホアプリを使って簡単に補正できる「Epson Setting Assistant」にも対応。幾何学補正はEH-LS800と同じく4/8/33点で可能になった。

 アンドロイドOS搭載も搭載済なので、YouTubeやPrimeVideoなどのネット動画も手軽に再生できる。ヤマハ製2.1chスピーカーも内蔵されており、これ一台で身近なお手軽シアターを楽しめることになる。

 なお今回、EH-LS650と組み合わせるスクリーンとして、「ELPSC35」(市場想定価格¥143,000、税別)も準備されている。画面サイズは100インチで、プラスチック素材を使った張り込み式となる。壁掛け工事には特別な技術が必要なので、専門業者へ依頼するようにとのことだ。

超短頂点プロジェクターでは映像の歪みをどこまで補正できるかが設置のポイントになる。EH-LS650では独自アプリを使い、手軽に最適な調整を行う機能も搭載されている