クリプトンから、同社製アクセサリーの新製品が3モデル発売される。ここでは電源ボックスとインシュレーターについて紹介する。

●電源ボックス:PB-750 ¥75,000(税別、10月下旬発売)
●HRインシュレーター:IS-HR10 ¥18,000(税別、11月上旬発売)

 まず電源ボックスの「PB-750」は、昨年発売されたHR(High Reference)シリーズ「PB-HR3000」の設計思想を検証しつつ、購入しやすい価格帯を実現したモデルとなる。最大使用電流は15A。

上が従来モデルの「PB-350」で、下は新製品の「PB-750」

 PBシリーズの人気モデル「PB-350」は独自の2回路フィルター構造を採用し、6個口(LowPower×4、PC&HighPower×2)のコンセントを備えていた。これは用途別のコンセントに特性の異なるフィルターを配し、それぞれの機器からのノイズが影響しないようにするものだ。

 新製品のPB-750はそのアップグレードバージョンで、3回路フィスターを搭載、コンセントも8個口に増えている。その詳細は、左側がパワーアンプなどを想定した大電流機器用(HighPower)×2で、その隣がPCやDAC用の高ノイズデジタル機器用(Digital)×2、右側はCDプレーヤーやプリアンプなどの少電流機器用(LowPower)×4というもの。

 内部配線はOFCで、コンセントはアメリカン電機製、ACインレットはロジウムメッキ仕上げが使われるといった具合に、パーツの選択もこだわっている。さらに表面のステンレスは2mm厚(PB-350は1.5mm厚)になり、その下のシャーシにも2.0mm厚のボンデ鋼板をあてがうなど、本体の剛性にも充分に配慮が行われている。

 本体サイズはW330×H75×D131mmで重さは3.4kg。同社製電源ケーブル「PC-5」と同等の高容量OFC電源ケーブルが付属している。

 新製品発表会でPB-350とPB-750による音の変化を確認させてもらった。

 まずPB-350のPC&HighPower用コンセントにパワーアンプを、LowPower用コンセントにネットワークプレヤーとプリアンプをつないだ状態で再生する。女性ヴォーカル(ハイレゾファイル)は、クリアーで伸びやかな音として再現される。低域の安定感もあるし、ハイレゾらしい再現性が充分楽しめた。

 次にPB-750に交換してHighPower用コンセントにパワーアンプ、LowPower用コンセントにプリアンプ、Digital用コンセントにネットワークプレーヤーをつないだ音を再生した。

 この状態では声の張り出しがさらによくなり、音場全体のS/Nが改善される。音量までアップしたようで、透明感がさらに増している。ヴォーカルの抑揚まで聴き取れるようになり、歌い手の感情も伝わってきた。

 電源はオーディオビジュアル機器の根本で、ここを変えることで音や絵に変化が出るのは間違いない。お気に入りの機器の実力を引き出すためにも、もう一度ご自宅の電源環境を確認してみてはいかがだろう。

「IS-HR10」の片面はスパイク受けとしても使えるようになっている

 もうひとつのHRインシュレーター「IS-HR10」は、同社オリジナル新素材のネオフェード・カーボンマトリックス3層材を採用し、両面に耐摩耗性に優れたニトリルゴムのOリングを備えたモデルとなる。

 ネオフェード・カーボンマトリックス3層材は、上下のカーボン素材が振動の音速を速め、表面波として高速伝搬してネオフェードで熱変換する。これにより振動をスムーズに吸収できるというわけだ。

 クリプトンでは同様の構造を持つ「IS-HR1」「IS-HE3」などをラインナップしてきたが、昨今の金属材料の高騰などを受け、より使いやすい製品としてIS-HR10を開発したという。本体サイズはIS-HR1の直径29.5×高さ11mmから、直径27mm×高さ15mmに変更されている。

 なお、部品調達の関係から発売延期となっていた「KS-33G」「KS-11G」について、本日から販売を開始することも発表された。同社サイトから購入できるので、気になる方はチェックを。