サブウーファーも含めた最適なスピーカーセッティングの強い味方

我が家のスピーカーセッティングのチェックでも大活躍したのが「NORDOST SYSTEM SOLUTION SET-UP&TUNING DISCS」(2枚組)。スピーカーセッティングのためのチェック用信号が記録されたディスクだ。

ディスクの音声は英語だが、各信号やチェックのポイントをまとめた詳しいブックレットが用意されているので語学に不慣れでも困らないはずだ。

一番の特徴は「LEDRテスト」と呼ばれるもので、高精度に生成された独自のテスト音源。高さ方向に音源が移動するもの、左から右、右から左へ水平、アーチ状に移動するものがあり、当然スムーズに音源が移動するのが正しい。チェックのポイントや確認の仕方も解説されており、スピーカー位置や振り角の微調整にとても役立つ。独自のテスト音はチェックもしやすくセッティングの変化もわかりやすかった。

このほかは、生楽器の音を収録したトラックが用意されている。楽器ごとに音域が異なるためそれぞれの音色の違いなどにより、高域や低域の反射の影響などをチェックできる。また、優れた録音の演奏も収録されている。こちらもチェックポイントが解説されているので、セッティングの仕上げに聴くのが良いだろう。

DISC2には、低域から高域へ連続的にテスト音が変化するスイープ信号をはじめとするテスト信号を各種収録している。特に18Hzから120Hzまで、1または2Hzきざみで細かく収録された低周波のテスト音が非常に便利だ。

低域の部屋の反射や定在波の影響を細かくチェックできるのが嬉しい。サブウーファーを組み合わせた場合のレベルやクロスオーバー調整の確認にも最適だし、サブウーファーの設置やセッティングにも役に立つ。

エイジング用のバーンイン・トーンも収録されており、スピーカーを中心としたシステムのチェック全般がひと通り行なえる。これは非常に有効で、我が家のシステムチェックにもたいへん役立った。オーディオマニア必携のテストディスクで、自分もさっそく購入した。

NORDOST SYSTEM SOLUTION SET-UP&TUNING DISCSS
MIS-SUTD ¥6,930 税込

Disc One — Track Listing
1. Introduction / イントロダクション2. Channel Check / チャンネルチェック
アナウンスに従って、システムの左チャンネル/右チャンネル/センターチャンネルが確認できます。
3. Phase Check / フェイズチェック
インフェイズ(同相)/ アウトフェイズ(逆相)のアナウンスに従って、システムの位相が確認できます。インフェイズ(同相)の場合はアナウンスの声が左右スピーカーの中央にはっきりと定位します。アウトフェイズ(逆相)の場合はアナウンスの声が広がって散漫になり定位しません。
4〜13.White and Pink Noise
ホワイトノイズとピンクノイズは、スピーカーの周波数特性とリスニングルームでのバランス、ルームアコースティックをチェックおよび比較するうえで役立ちます。ピンクノイズは高い周波数帯域から低い周波数帯域まで同じレベルで均等に聴こえなければなりません。一方、ホワイトノイズは高い周波数帯域になるに従ってより明るく聴こえる再生バランスになります。これら2つのノイズは、リスニングルーム内でのスピーカー再生またはスピーカー単体での再生およびそれらを比較する上で非常に役立ちます。特にピンクノイズは、再生バランスとスピーカー設置に特に有用です。
4. White Noise – Stereo/5. White Noise – Left/6. White Noise – Right/7. White Noise – Alternating Fast/8. White Noise – Alternating Slow/9. Pink Noise – Stereo/10. Pink Noise – Left/11. Pink Noise – Right/12. Pink Noise – Alternating Fast/13. Pink Noise – Alternating Slow
WLEDR Tests
LEDR(リスニング環境診断信号)は、コンピューターによって生成された一連の音源でスピーカーの位置とリスニングルームの相互作用を客観的に評価するためにEASIによって作成された画期的なツールです。サウンドステージに展開する音像の移動と左右対称の軌跡を視覚と併せて聴き取ることにより、スピーカーの配置とルームアコースティックの調整がステレオサウンドイメージの再現にどのように影響するかチェックできます。
LEDR信号はスピーカー配置(特にスピーカーの振り)の最適化とルームアコースティックの評価を可能にするユニークで強力なツールです。
14. Tone 1– Up
コンピューター生成の「チャッフィング音(シュッ、シュッ、シュッと聴こえる断続音)」が左スピーカー後ろの低いところから聴こえてきます。この音は、ゆっくりとスピーカーキャビネット真上の空間に向かって垂直に移動します。次に右スピーカーの後ろから同様に「チャッフィング音が聴こえてきます。この音の移動(速さ、音の間隔、位置)に注意してください。垂直方向の経路から不規則に曲がったりずれたりする場合は、ツイーターの問題または強い反射のどちらかを示唆しています。また左右それぞれのスピーカーにおけるこの音の移動は、等間隔で左右対称でなければなりません。音像の高さが十分に上方に移動しない場合は天井からの強い反射があることを示唆しています(これはしばしば見過ごされてきたルームアコースティックの問題の一つです)。
15. Tone 2 – Over
この信号は、LEDRの中で最もわかりやすく有用なものです。この音は左スピーカーの左外側、低いところから聴こえてきます。そして虹のようにアーチを描きながら右のスピーカーの外側の同じ場所で終わるように移動します。この動きは滑らかで、間隔が均一で、描くアーチは左右対称でなければなりません。
そしてその音はまた元の位置まで同じ経路を辿って左のスピーカーの外側低い位置に戻ります。スピーカーの外で音が滞ったり止まってしまう場合や、アーチの真ん中を音が飛び越えてしまう状態は、スピーカーの配置が広すぎるか、またはスピーカーの振りが適切でないことを示唆します。数回スピーカーの位置、振りを調整すると容易にセッティングの影響(スピーカーの間隔と内振り)を認識できます。基本的には、移動する音が滞ったり止まってしまう原因は、不適切な左右のスピーカーの間隔によるものです。移動する音の中央付近でのぎこちなさや急な動きは、スピーカーの内振りに起因します。アーチのスピーカー側で、音の移動がゆがみスムーズにならない場合は、スピーカーの設置が壁に近すぎることを意味します。音の移動がきれいなアーチ状にならず凸凹になる場合は、天井からの反射が非対称になっていることを示唆します。アーチの高さの最高点は少なくとも前のトラック「14. Tone 1- Up 」での高さと同程度にならなければなりません。
16. Tone 3 – Lateral
このトラックは、4つの信号で構成されています。最初の信号は、音が左スピーカーの正面から、右スピーカーの正面へ水平に移動し、2つ目の信号は、音が折り返すように右スピーカーの外側から左スピーカーの外側へ水平に移動します。
3つ目の信号は、音が右スピーカーの正面から左スピーカーの正面へ水平に移動します。4つ目の信号は、左スピーカーの外側から右スピーカーの外側へ水平に移動します。
このトラックは、「5.Tone 2 – Over」で調整したスピーカーの間隔と内振りの微調整に非常に効果的です。注意していただきたいのは、4つの音の移動を追いかける事が重要です。スピーカーの正面で音が始まり止まるのか、あるいはスピーカーの外側から始まり外側で止まるのかの違いに注意してください。
17. System Degauss この複雑な合成信号は、オーディオ回路の中で自然に帯磁してしまった磁場を取り除く効果があります。このトラックはシステムのセットアップ後、最初に使用するとより効果的です。またその後も定期的に使用することを是非お勧めいたします。
18〜23.Instrument Sounds
パーカッショントラックは、キックドラム、スネアドラム、ハイハット、ティンパニのビートの繰り返しで構成されています。それぞれ異なったピッチとバランスの低周波パルスがリスニングルームでいかに再生されるかを確認できます。これらのトラックは、スピーカーの設置位置による低域再生能力とリスニングルームの低域の膨らみおよび拡散の関係を非常によく明らかにします。
ベースギターのトラックは、音の輪郭をより感じる事ができます。ピアノトラックは、中音域の明瞭度とアタック感、ルームアコースティックの不要な響きを明らかにします。またスピーカーメーカーにとっては、クロスオーバー周波数の指標になります。
18. Kick Drum/19. Snare Drum/20. High-Hat/21. Timpani/22. Bass Guitar/23. Piano
Music Tracks
24. Yanvalloux —/ Markus Schwartz and Lakou Brooklyn (Frantz Casseus) / Equinox (6:29)
25. Leaves Me Wondering / Eleanor McEvoy / Yola (4:40)
26. Vivaldi – Cello Concerto RV419, 3rd Movement, Allegro/ Davide Amadio (Cello), Interpreti Venziani / Vivaldi in Venice (1:32)
27. Cole Porter — Too Darn Hot/ Clare Teal with the Syd Lawrence Orchestra / A Tribute To Ella Fitzgerald (3:39)
28. Your Colour/ Calypso (4:30)
29. Kote Moun Yo?/Markus Schwartz and Lakou Brooklyn (Trad. Arr, Markus Schwartz & Monvelyno Alexis) Equinox (7:06)
30. If You Had A Heart/Eleanor McEvoy and Damon Butcher/Forgotten Dreams (2:58)
31. Georges Bizet/Habanera (from Carmen)/Rosie Middleton (Mezzo Soprano), Debbie Wiseman (Cond.),
National Symphony Orchestra/España (4:10)
32. Georges Bizet/Habanera (from Carmen)[Binaural Recording]

Disc Two — Track Listing
1. Test Tones And Sweeps Reference Level 基準レベル:400Hz(-10dB)
2〜4. General Frequency Sweeps スピーカーの音がどの程度均等に部屋に広がっているか、また潜在的な共鳴、共振などを特定できます。
2. スイープ信号(ステレオ):20Hz ~ 12kHz
3. スイープ信号(Left Ch.):20Hz ~ 12kHz
4. スイープ信号(Right Ch.):20Hz ~ 12kHz
5〜7. Timed Low Frequency Sweeps
5. 低周波スイープ信号(ステレオ):20H ~ 130Hz
6. 低周波スイープ信号(Left Ch.):20Hz ~ 130Hz
7. 低周波スイープ信号(Right Ch.):20Hz ~ 130Hz

8〜75. Low Frequency Tones 各トラック(8~75)の再生では特定の周波数を再生することが可能です。リスニングルームのピーク・ディップ周波数が確認できたら、対応する各トラック(8~75)を繰り返し再生して、スピーカーやサブウーハーの配置 / 調整に対する変化を確認できます。

76. System Burn-In
バーンインに特化した複雑に信号を組み合わせた人工的なトラックになります。音楽を再生するより短時間で新しいスピーカーや機器をバーンインできます。方法はこのトラックを単純にリピート再生してください(リスニングルームの外に出ることをおすすめします)。