ソニーのミラーレス一眼カメラ、α(アルファ)シリーズに、新製品が2モデル登場する。両モデルとも9月6日から予約受付を開始し、発売は10月13日を予定している。

α7C R
 ILCE-7CR 市場想定価格45万円前後(税込、ボディ)
α7C II
 ILCE-7CM2 市場想定価格30万円前後(税込、ボディ)
 ILCE-7CM2L 市場想定価格33万円前後(税込、ズームレンズキット)

α7CRのボディ

こちらはα7C IIのボディ

 初代機の「α7C」(併売)は2020年9月に発売された、“Compact” をコンセプトにしたシリーズ。APS-Cイメージセンサー搭載機の「α6600」と同等のボディにフルサイズイメージセンサーを収納、さらに手ブレ補正ユニットも内蔵して毎秒10コマの高速連続撮影にも対応するなど、多くの先進技術が注目を集めた。

 新製品のα7C IIはα7Cの発展モデルとして、α7C Rは「α7S III」や「α7R V」に準ずるモデルと位置づけられており、ソニーでは今回の2製品を加えることでフルサイズミラーレス一眼のさらなるラインナップ拡充を図っている。

今回、α7C Rとα7C IIで使えるエクステンショングリップ「GP-X2」(¥22,000、税込、写真左)も発売される。なおこちらはα7C Rには同梱されている

 まずα7C Rは、“高解像×機動力 その衝動に、新たな表現を。” をコンセプトに、クラス最高の解像度性能を搭載したコンパクトモデルとして開発されている。

 具体的には有効画素数6100万の裏面照射型フルサイズイメージセンサーを搭載し、これに映像処理エンジンのBIONZ XRを組み合わせた。AF(オートフォーカス)関連では、被写体の動きや人物の瞳の認識精度を改善するAIプロセッシングユニットや、位相差693点リアルタイム認識AF機能も搭載されており、これらの仕様は上位モデルのα7R Vと同一となっている。

α7C Rの本体側面には、SDカードスロットやUSBコネクターを搭載

 α7C Rとα7R Vの違いは、連続撮影速度が前者が毎秒8コマに対し後者は10コマ、ボディ内手ブレ補正が7段なのに対し8段(どちらも動画時アクティブモード+レンズ協調補正)、動画撮影がα7C Rが4K/60pまでなのに対し、α7R Vは8K/24pの撮影もできるといった点など。この他EVファインダーや液晶モニターのサイズと画素数はα7R Vの方が大きい。

 とはいえα7C Rは本体サイズがW124×H71.1×D63.4mmで重さは約515gと、α7R VのW131.3×H96.9×D82.4mm/重さ約723gに比べて体積で約53%、質量で約71%に小型化されており、日常での持ち運びを考えるときわめて魅力的といえるだろう。

左がα7C IIで、右は初代モデルのα7C。グリップ部分の出っ張りが変更され、ホールドしやすくなっている

 α7C IIのコンセプトは“もっと自由なフルサイズへ その手に、洗練された想像力を。” というもので、α7Cの購入者の声に応えて進化したモデルとなっている。

 ユーザーからは、ファインダーの見やすさや持ちやすさを改善して欲しいという声が多かったという。そこでファインダー倍率をα7Cの0.59倍から0.70倍にアップ、同時に輝度もα7R Vと同等に向上させている。さらにグリップ部のデザインを変更し、本体前面にダイヤルやカスタムボタンを追加して、操作性にも配慮した。

 スペック面では、フルサイズイメージセンサーの画素数がα7Cの約2420万から約3300万に向上(どちらも裏面照射型)しており、映像エンジンもBIONZ XRが搭載されている。ボディ内手ブレ補正もα7C の5段から7段となっており、とっさの撮影でも安心して使えるはずだ。

α7C R、α7Cとも大容量のZバッテリーに対応

 オートフォーカスはAIプロセッシングユニット搭載で、位相差759点リアルタイム認識AFに進化した。認識対象も人物や動物に加えて、鳥、昆虫、車、列車、飛行機に増加している。

 動画モードはα7Cが4K/30p/4:2:0 8ビットだったのに対し、α7C IIでは4K/60p/4:2:2 10ビットでの撮影が可能だ。

 なおソニーでは、今回の2モデルの購入者を対象にしたレンスキャッシュバックキャンペーンも開催する。2023年10月13日〜2024年1月10日までのキャンペーン期間中にα7C R、α7C IIと一緒にレンズを購入すると、レンズの種類に応じて¥15,000〜¥20,000がキャッシュバックされるというものだ(本体1台につきレンズ1本)。詳細はキャンペーンサイトでご確認いただきたい。