現在大人気上映中の『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』や今週末公開の宮﨑 駿監督作品『君たちはどう生きるか』、さらには21日公開の『ミッション：インポッシブル/デッドレコニングPART ONE』など、この夏は劇場の大画面で対面したい話題作が溢れている。そしてそれらをどの劇場、どの上映フォーマットで楽しむかも、映画ファンには悩ましいところだ。
イオンエンターテイメント株式会社では、そんな映画ファン注目のIMAXシアターを続々オープンしている。先日リポートをお届けした「イオンシネマ シアタス調布」に続き、7月7日には「イオンシネマ幕張新都心」と「イオンシネマ岡山」に、7月14日には「イオンシネマ越谷レイクタウン」「イオンシネマ新潟南」にIMAXレーザーを導入する。これによりイオンシネマのIMAXシアターは全国10劇場になるという。
「イオンシネマ幕張新都心」のIMAXシアター
今回、イオンシネマ幕張新都心のIMAXシアターメディア体験会に参加してきたので、その概要をご紹介したい。イオンシネマ幕張新都心は、今年3月18日に開業したばかりの幕張豊砂駅から、改札正面のイオンモールに入り、ショッピングモールの中を10分ほど歩くと到着する。
IMAXシアターはこれまでのスクリーン8を改装したもので、座席数は271、プレミアシート24、車椅子席2という規模だ。シアタス調布よりは劇場のサイズとしてはやや小ぶりだが、体感的なスクリーンサイズはかえって大きく感じられる。そのぶんIMAXらしい作品への没入感も強まることだろう。
IMAXプロジェクターの詳細やスクリーンサイズ等は非公開だが、このあたりの仕様はシアタス調布などと同様と思われる。スピーカーも12.0chで、こちらもシアタス調布と同じくサイドスピーカーやオーバーヘッドスピーカーが取り付けられている。
シートは295席（写真中央、オレンジのプレミアシート24席を含む）と車椅子席が2つ、ほどよい傾斜がついており、前の人の頭も気にならない
体験会では、IMAXシアター用のデモ映像に続いて、『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』『ミッション：インポッシブル/デッドレコニングPART ONE』『キングダム 運命の炎』といったIMAX公開作品の予告編が上映された。今回は幸運なことにプレミアシートの真ん中付近の席に座ることができたので、視野いっぱいにスクリーンが広がり、映像と音に包まれる感覚を楽しめた。
『ミッション：インポッシブル〜』ではバイクで崖から飛び降りるシーンの特別メイキング映像も上映された。その冒頭、断崖に設けられたコースから下を覗き込むカットでは、映像の細かさ、色の美しさと相まって、あたかも現実を見ているかのような錯覚に陥り、体が震える。高所恐怖症の人は充分注意されたし。
劇場入り口には「IMAX with Laser」の文字が
サウンドもいかにもIMAXシアターらしい迫力で、『インディ〜』の冒頭で響くヴォーカル、電車やバイクのエンジン音、倒れる土器の棚の響などが、どれも太さのあるサウンドとして再現される。
実は先週シアタス調布のIMAXシアターで本作を見てきたのだが、映像についてはシアタス調布もイオンシネマ幕張新都心も鮮度が高く、人物の肌や衣装の質感表現などが秀逸。輝度感も充分で、同時に薄暗い中での微妙な階調もきちんと再現できていた。
さらに音については、ふたつの劇場それぞれに個性があって面白い。上記の通りIMAXシアターらしい迫力、音の傾向は共通しているのだが、シアタス調布がより解像感を出し、洞窟内での上からの水音などを明瞭に再生しているのに対し、イオンシネマ幕張新都心は迫力ある音、低音の階調性などがより印象的だ。サラウンド感の描写に優れたシアタス調布と、心地よい低音感で迫力ある映画が楽しめるイオンシネマ幕張新都心といった印象だろうか。
イオンシネマ幕張新都心のIMAXはシアターでは、現在『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』を上映中
前回シアタス調布の体験会に参加した時はこちらも充分力強いサウンドだと感じていたのだが、イオンシネマ幕張新都心はもっと力感を全面に押し出してきて、これは最近の映画館では珍しい音圧感だ。
同じIMAXシアターでも、劇場の形やサイズなどによって楽しめる画質・音質には微妙な違いがあって当然だ。そういった楽しみを確認するために各地のIMAXシアターに足を運んでみるのも面白いかもしれない。（取材・文：泉 哲也）
イオンシネマ幕張新都心
●住所：千葉市美浜区豊砂1-1 イオンモール幕張新都心 グランドモール3階
●IMAXレーザー 料金（価格はすべて税込）：IMAX 2D＝鑑賞料金＋600円、IMAX3D＝鑑賞料金＋1,100円（IMAXレーザー専用3Dメガネを持参すれば＋900円）