イギリスのデザインブランドTom Dixon(トム・ディクソン)が、アジアにおける新しいデザイン・ハブ(発信基地)として、港区南青山に「TOM DIXON TOKYO」をオープン、先日オープニングセレモニーが開催された。

 トム・ディクソンは、ブランドの創業者でありクリエイティブ・ディレクターを務める トム・ディクソン氏によって2002年に設立された。照明を中心に、家具、インテリア・アクセサリーを展開し、ロンドンを始め、ミラノ、香港、ニューヨーク、東京、杭州、北京、上海などを拠点に、世界約90ヵ国で展開されている。

 トム・ディクソンでは以前から、ライフスタイルとは家具や照明などのハードウエアのみで構成されるものでなく、人間の視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚といった五感を通して感じることすべてが含まれると考えており、これまでもレストラン併設のショップを展開するなど、複合的にブランドを発信するという手法を取ってきた。

 TOM DIXON TOKYOでも、店内にカフェを併設し、五感でトム・ディクソンの世界観を体験できる空間が用意されている。そこでは「音のパートナー」として同じイギリスの音響機器ブランドであるKEFと協業し、トム・ディクソンのデザインに囲まれながら、最高品質のサウンドも体験できるようになっている。

 そこに選ばれたのは、アンプ内蔵でシンプルなシステムが構築可能なワイヤレススピーカー「LS60 Wireless」(¥880,000、ペア、税込)と「LSX II」(¥231,000、ペア、税込)の2モデル。

 実際、エントランスを入ってすぐにトム・ディクソンのテーブル「FAN TABLE 900 PEETABLE NATURAL」とチェア「FANCHAIR NATURAL」、フロアースタンド「MELT CONE FLOOR」などが並べられており、その隣にレッドカラーのLSX IIがディスプレイされている。

 また会場奥には7〜8月に発売予定のテーブルライト「BELLLED TABLE」などが展示されており、その横にもLSX IIが並んでいた。木目調のテーブルや金属製のテーブルライトと並べても違和感のないまとまりで、トム・ディクソンがKEFを音のパートナーに選んだ意味がよくわかる気がした。

 さらにその手間の壁際にはLS60 Wirelessがさり気なく置かれ、ネットワーク経由でBGMが再生されていた。レセプションには多くの来場者が参加しており、当然話し声も響いている。しかしLS60 Wirelessが音楽を奏でることでそんな声が絶妙にマスクされ、無音の状態よりもかえって周りの声が気にならないという不思議な経験ができた。

 訪れていた人たちは当然デザインのプロが多かったわけだが、「このスピーカーはどこのブランドですか」といった質問や、「このスピーカーが欲しい」という声もあったそうだ。実際にLS60 Wirelessを興味深そうに眺めている方も見かけられた。

 TOM DIXON TOKYOではこれらのKEF製スピーカーも常設展示される予定とのことなので、インテリアとオーディオに興味のある方は、そのふたつが共存した空間をぜひ一度訪れてみていただきたい。

TOM DIXON TOKYO
●住所:東京都港区南青山6-13-1 南青山IDÉALビル1F(表参道駅B3出口より徒歩8分)
●営業時間:11:00~18:00
●定休日:水/日曜日、年末年始、夏季休暇