ヤマハから、ARC対応のHDMI端子を搭載したネットワークレシーバー「R-N2000A」(¥429,000、税込)が発表された。発売は5月26日(金)を予定しており、5月15日(月)から受注をスタートする。本体カラーはブラック。

 R-N2000Aは、 “さまざまな音楽コンテンツをいつものリビングで気軽にHi-Fiクォリティで楽しむことができるネットワークレシーバー” というコンセプトで開発されている。アンプの仕様としては、既発売のプリメインアンプ「A-S1200」の回路構成をベースに、「A-S2200」の振動対策技術等を盛り込んでいるそうだ。

 さまざまな音楽コンテンツを再生するモデルとして、まずは無線/有線LANによるネットーワーク再生に対応。NASやPCに格納したハイレゾ音声が楽しめる。さらにUSB Type-B端子も備えており、USB DACとしての使用も可能だ。

 DACチップにはESSの「ES9026PRO」を採用し、L/Rそれぞれに2ch分使うことで高精度なD/A変換を実現している(残り4chはMusicCastとサブウーファー用に使用)。なおハイレゾ対応信号は最大384kHz/32ビットのリニアPCMと11.2MHzのDSDで、DSDのネイティブ再生ももちろん可能だ。

 専用ソフト「MusicCast」から各種ストリーミングサービスの再生もでき、Amazon Music HDやなどのハイレゾ音源も高品質で楽しめる。アプリ画面のアイコンをタッチするだけで楽曲の選択や音量調整も可能。

 その他にも3系統のデジタル入力(光×2、同軸×1)とアナログ入力3系統、フォノ入力1系統を搭載、CDやアナログレコードといったディスクメディアも簡単に楽しめるようになっている。プリアウトとサブウーファー出力も各1系統搭載しているので、様々なシステムへの展開も可能だろう。Bluetoothの送受信機能も搭載済みで、受信時はSBCとAAC、送信時はSBCのコーデックに対応する。

 そしてR-N2000Aの一番のポイントが、ARC対応HDMI入力を備えていることだ。対応テレビとつなぐことで、放送番組はもちろん、ブルーレイディスクなどのパッケージメディアの音声も高品質で楽しめることになる(対応信号は最大192kHz/24ビットのリニアPCM)。HDMI-CECにも対応済みで、テレビのリモコンで電源オン/オフや音量調整もできる。

 また音の途切れや音質劣化の原因となるジッターに対して、専用チューニングを施すことで、安定した再生を実現したという。オプションメニューからPLL(位相動機回路)の設定変更も可能だ。

 その他の特長として、ヤマハ製AVアンプでお馴染みの自動音質補正機能「YPAO」が搭載されている。専用マイクを使って再生環境を測定し、音質を最適化する機能で、部屋の形状や壁の材質、スピーカーの設置場所等によって生じる音の違いを64ビット精度で演算、最適なイコライジング処理を行ってくれる。YPAOはスピーカー設定(A/B/A+B/PRE OUT)の4パターンで測定、保存可能。

 アンプ回路はヤマハ独自の「フローティング&バランス・パワーアンプ」を採用する。出力段の左右チャンネルそれぞれのプラス側とマイナス側、合計4組の電力増幅回路をフローティングし、出力段におけるプッシュプル動作の完全対称化を実現するとともに、全回路をグランドから独立させて外来ノイズの影響も徹底的に排除した。

 さらにフラッグシップモデルにも使われている「メカニカルグランド・コンセプト」も採用。トランスやブロックケミコンなどの振動を伴う大型重量パーツをベースフレームに取り付け、そのベースフレームに溶接されたボルトに真鍮削り出しの高剛性レッグを装着することで重量物を接地、構造の安定化が図られている。

 なお電源トランスには、磁束漏洩が少なく、電力変換効率・電源レギュレーションに優れたトロイダル型を搭載、容量はA-S1200/S2200と同じものが選ばれている。そのトランス底面とインナーシャーシの間には3mm厚の真鍮製ベースプレートを挟んで振動をコントロールしている。

 電源回路の設計では、主要グラウンドポイントのねじ止め結線や大電流を扱うパワーアンプ部に50μm厚の銅箔を使用するなど、徹底したローインピーダンス化を図った。付属電源ケーブルの線材にはPC-TripeCが奢られている(長さ2m)。