フェーズメーションは、オールディスクリート無帰還型フォノアンプ「EA-220」を5月中旬に発売する。価格は¥121,000(税込)。

 同社では、「アナログもまだまだ極め尽くされていません」を合言葉として、アナログディスク愛好家向けに、無帰還によるフォノアンプのラインナップを拡充してきている。今回のEA-220は、2013年の発売以来高い評価を集めている「EA-200」に上級機のエッセンスを取り入れ、音質にいっそう磨きをかけたモデルとなっている。

 EA-220の主な特長は以下の通り。

●フロントパネルを一新し、エレガントで強靭なシャーシ構造
 フロントに8mm厚スラントアルミパネルを新規に製作し、「EA-1200」「EA-550」のデザインを踏襲。シャーシベース、トップカバーは1.6mm厚鋼板に銅メッキ処理を施し、その上に塗装仕上げを行っている。更にトップカバー天面部にシールドを追加したことにより、8mm厚フロントパネルと相まって強靭な筐体構造と磁気歪の軽減を実現した。脚部には外部振動を遮断する重量級金属インシュレーターを採用。

●オールディスクリート部品による無帰還型増幅回路
 現在の真空管アンプや半導体アンプの多くは、入力段と出力段の差(補正信号)を増幅する負帰還増幅回路を用いて設計され、低コストながら優れたスペックを実現している。しかし、入力信号と出力信号の間には原理的に除去できない時間遅延があり、これがTIM(過渡相互変調歪み)の原因となっていた。

 同社では、すべてのアンプ (半導体と真空管の両方) に無帰還アンプを採用した。これにより、音源(レコード)情報を損なうことなく再生でき、音質面では音楽のダイナミクスや微妙なニュアンスまで再現することが可能となっている。

●デュアルモノーラルパターン
 信号系は左右同一パターンのデュアルモノーラルレイアウトを構成し、左右チャンネル音質の均一を実現することにより、豊かな情報量による空間表現を実現した。

●高音質部品の採用
<信号系>
1)フォノアンプの音質に影響度の高いRIAA素子には、定格容量にゆとりを持たせた1%グレードの金属皮膜抵抗と高品質フィルムコンデンサー等の定評のある高音質部品を使用。
2)信号系の要所にはエルナー社のシルミックⅡ・オーディオグレード電解コンデンサーや1%グレードの金属皮膜抵抗を使用。
<電源回路>
1)整流時のノイズが少なく、高音質であるファーストリカバリーダイオードを採用。
2)低雑音ツェナーダイオードを使用し、きわめてローノイズの電源回路をLch、Rch個別に構成。
3)電源トランスはRコアを用いた低リーケージフラックスのトランスを使用。

「EA-220」の主なスペック

●形式:MM/MC無帰還型フォノアンプ
●入力感度:MM=2.5mV、MC=0.12mV
●入力インピーダンス:MM=47kΩ、MC=470Ω
●利得:MM=38dB、MC=64dB
●入力換算雑音:MM=-120dBV、MC=-140dBV
●定格出力電圧:200mV(1kHz)
●リアカーブ偏差:±0.5dB(20Hz〜20kHz)
●消費電力:2W(100VAC 50/60Hz)
●寸法/質量:W220×H57×D228mm/2.6kg