アンカージャパンは本日、「Anker Power Conference 2023 Spring」を開催、同社が展開している5つのブランドから多くの新製品を発表した。

 冒頭、アンカー・ジャパン株式会社 代表取締役CEOの猿渡 歩氏が登壇し、現在の同社の状況について紹介があった。アンカージャパンは2013年に誕生し、今年で10周年を迎える。創業当時はモバイルバッテリーを通販サイトで販売する会社だったが、その6年後には売り上げ100億円を突破、さらに翌年には200億円を達成し、2022年には350億円にと届いたという。

 特に近年の成長の大きな要因が長寿命のポータブル電源と、新技術のGaNPrime搭載製品の登場だったそうで、これらを含めてアンカーの製品群は市場でも高い評価を集めるに至っている。

アンカー・ジャパン株式会社 代表取締役CEOの猿渡 歩氏

 現在はANKER(バッテリー)、SoundCore(オーディオ機器)、eufy(ロボット掃除機など)、NEBULA(プロジェクター)、MACH(スティック掃除機)といったブランドの総合ハードウェアメーカーとして製品をリリースしているという。また実店舗(アンカーストア)もユーザーに好評とのことで、4月28日には10店目となるANKER STORE札幌ステラプレイスもオープンする。

 さらにB to Bでのビジネスも増えているとのことで、本日より法人向けサイト「Ankwe for BUSINESS」を開設する。このサイトはビジネスシーンや製品カテゴリーで振り分けたお薦め製品をラインナップしている他、自動見積もり機能も搭載しており、時間をかけずに作業を進められるのが特徴という。同社ではノベリティ用途などを探している際にこのサイトを活用して欲しいと考えているようだ。

Bluetoothスピーカー「Motion X600」

 さてそんなアンカーのこの春の新製品の中から、StereoSound ONLINE読者が興味を持ちそうなモデルをピックアップしてみたい。

 まずはSoundCoreブランドのBluetoothスピーカー「Motion X600」(¥19,990、税込)だ。同社から昨年発売された完全ワイヤレスイヤホン「Liberty 4」は音の良さが好評で、累計販売台数10万台を達成している。Motion X600はこの音の良さを受け継いだBluetoothスピーカーとなる。

 横幅30cm強の本体に2ウェイ2スピーカー+フルレンジトップスピーカーの5基のユニットを内蔵、独自の “空間オーディオアルゴリズム” を使って音楽ソースを立体音場に変換して再生する。なお再生ソースはあくまでも2chで、配信用の空間オーディオで使われているドルビーアトモスといったフォーマットには対応していない。

本体天面、左から3番目のボタンが空間オーディオ変換機能のオン/オフスイッチ。「BASS」スイッチ右横の丸いカバーがついている部分にトップスピーカーが収納されている

 空間オーディオに変換する際には元の音源の周波数情報を解析し、高さの再現に適した高域成分を抜き出してトップスピーカーで再生するそうだ。この機能は本体天面のボタンでオン/オフ可能で、オフにするとトップスピーカーを除いた4つのユニットを使ってステレオ再生される。

 BluetoothのコーデックはSBCとLDACに対応。日本オーディオ協会のHi-Res Audio Wireless認証も取得している。背面に3.5mmアナログ入力も備えているので、有線での接続も可能。本体カラーはスペースグレー(5月下旬発売予定)とグリーン/ブルー(今夏発売予定)をラインナップする。

 イベント会場だったのできちんとしたサウンドを確認することはできなかったが、小型サイズのBluetoothスピーカーとしては比較的低音感もあり、バランスのいい音を聴かせてくれた。ステレオ再生はでおとなしい音という印象だが、独自の空間オーディオをオンにすると半径1mほどの半円状に音が広がってきた。BGM的に常に音を奏でていたいという方にぴったりのアイテムになるだろう。

ワイヤレスマイクの「AnkerWork M650 Wireless Microphone」

 もうひとつ、ワイヤレスマイクの「AnkerWork M650 Wireless Microphone」(¥34,990、本日発売)にも注目したい。こちらは型番の通り、動画撮影やインタビューの音声収録などで活躍する小型ワイヤレスマイクだ。充電ケースの中には直径46mmほどの円形マイクが2個とレシーバーが収められ、このパッケージがあれば2名までの音声を収録可能だ。

 独自技術のVoiceShieldを搭載し、環境に合わせて3段階のノイズリダクションが調整可能で、ノイズを低減しながら会話を大きく伝送する機能も備えている。2.4GHzとLC3plusコーデックに対応したTrueLink技術も搭載しており、高い接続安定性と低遅延も実現したという。到達可能距離は200mをクリアー(障害物のない場合)。

マイク部分は付属のマグネットを使って、衣類を傷つけることなく装着可能

 マイクから伝送された音声は、レシーバーのUSB Type-Cまたは3.5mmアナログ出力から再生されるので、ビデオカメラや音声レコーダーに出力をつなぐだけでクリアーな音声収録が可能になる。

 また、レシーバーをスマホにダイレクトに接続するアダプター(Lightning用とUSB-C用)も付属しているので、これを使ってスマホで録音してもいい。さらにマイクにも4Gバイトのメモリーが内蔵されており、バックアップ用としての録音もできる。マイクのスペックは48kHz/24ビットだ。

 この他にもポータブル冷蔵庫やモバイルバッテリーといった新製品が発表されている。それらについては別途紹介したい。

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