Dolby Japan(以下 ドルビージャパン)は、今週末池袋で開催される「東京アニメアワードフェスティバル2023」(3/10~13)に出展/協賛し、デモブースの設置とシンポジウムを開催する。3月7、8日には、それに先駆けて、プレス向けの「Dolby Vision」および「Dolby Atmos」体験会が開かれた。

 同会では、ドルビー社(ドルビーラボラトリーズ)の歴史から、劇場や家庭用フォーマットとして採用されている「ドルビーステレオ」「ドルビーサラウンド」などの技術を振り返りながら、業態の変化・変遷――社名のドルビーラボラトリーズから連想される技術開発をメインに行なうものから、その技術を提供してワークフロー(エコシステム)をサポートする活動が多くなってきていること――が説明された。

 本稿のメインとなる「ドルビーアトモス」は2012年に、「ドルビービジョン」は2014年にそれぞれ技術発表され、それらを導入した映画館「ドルビーシネマ」はドルビービジョンと同じ2014年に初の対応館が作られている。そのドルビーシネマは、日本では2018年に博多に初の劇場がオープン。都内は翌年2019年に銀座に開館し、最新では2023年4月に大阪(TOHOシネマズ ららぽーと門真)に導入される予定で、それを含めると全国で9スクリーンのドルビーシネマが運用されることになる。

 さて、ドルビービジョン/ドルビーアトモスの技術発表、ドルビーシネマの開館を経て、現在は邦画においても両技術を採用した作品も増えてきているが、中でも日本のお家芸とも言える“アニメーション”との親和性は高く、映像やその世界観の中への没入感もより高く味わえるようになり、ドルビーアトモスでは「BLAME!」(2017年・当時の取材記事は、サーバーの変更に伴い消滅)が初採用。以後、2020年に「劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン」「機動戦士ガンダム」「機動戦士ガンダムII・哀戦士」「機動戦士ガンダムIII めぐりあい宇宙」がドルビーシネマで公開され、「起動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ」「劇場版『鬼滅の刃』夢幻列車編」「すずめの戸締り」「ドラゴンボール超 スーパーヒーロー」などなど、話題作が続いている。

 というような内容が、ドルビービジョンとドルビーアトモスの特徴と合わせ、3月11日のシンポジウム「アニメーション制作とドルビー技術」において語られる予定だ。パネリストはドルビージャパン 萩谷氏。司会は近藤真央氏。

 なお、同会ではデモも体験できた。ドルビージャパンでは、スタジオ(ミックスルーム)とホームシアターを併設しており、それぞれの部屋で両技術を採用した作品の視聴(体験)が行なえた。「ドラゴンボール超 スーパーヒーロー」では、空中バトルの模様が、移動感、方位感、高さ感を味わいながら存分に楽しめたし、「アナと雪の女王/家族の思い出」では、氷の透明感、抜けるような鮮やかなブルーの色彩などが堪能できた。

スタジオは7.1.4の構成。フロアスピーカーはPMCだ

シアタールームは7.1.6のい仕様。LGのディスプレイに、LIPINSKI SOUNDのスピーカー(フロアスピーカー)を組み合わせている。天井スピーカーはGENELEC

東京アニメアワードフェスティバル2023
3月10日~13日 東京・池袋で開催

3月11日(土) 11:00~12:00
シンポジウム:アニメーション制作とドルビー技術
https://animefestival.jp/screen/list/2023dolby-s/

3月10日(金)~3月13日(月)
デモ体験:「アニメ×ドルビー」
https://animefestival.jp/screen/list/2023dolby-d/