フジヤエービックは、2月11日に東京・中野サンプラザで「冬のヘッドフォン祭mini 2023」を開催した。当日は中野サンプラザ15Fに40のブースが設けられ、様々なブランドの新製品や人気モデルを展示、それらを実際に試聴できるようになっていた。ここでは「冬のヘッドフォン祭mini 2023」の各ブースの様子を紹介する。

Campfire Audio/Hiby

 Mix Waveのブースでは、Campfire Audio初の完全ワイヤレスイヤホン「ORBIT」(¥39,000前後、2月下旬〜3月上旬発売予定)の試聴が可能。LCP(液晶ポリマー)振動板を使った10mmダイナミック型ドライバーを搭載したモデルで、ベージュの本体と、充電ケースを開いた時に現れるピスタチオグリーンのカラリングが印象的な仕上がりになっている。

 BluetoothコーデックはSBC、AAC、aptX、aptX Adaptive (48kHz/24ビット)に対応し、低域が豊かなアメリカンサウンドを志向したチューニングが行われている。アクティブノイズキャンセリング機能は非搭載だ。

 また同社が今年から輸入代理店業務をスタートしたHibyの新製品「R6 Gen3」(¥75,000前後、3月下旬〜4月上旬発売予定)も体験できるようになっていた。R6 Gen3はDACチップにESSの
ES9038Q2Mをデュアルで搭載し、さらにA級とAB級の増幅器を切り替えて音の違いを楽しめるようになっている。出力端子は3.5mmと4.4mmの2種類を搭載。

MADOO

 MADOOのブースでは、有線イヤホンの「Typ820」の試作機を参考出品していた。同社「Typ711」「Typ512」に続く第三弾で、それらと同様にマイクロプラナードライバーを搭載し、さらに他のドライバーを組み合わせて音を仕上げていく予定だという(試作機のドライバー構成は非公開)。

 サウンドとしてはTyp711では “美音” 、Typ512は “低音” を訴求していたが、今回は “アコースティック楽器” に適した再生を狙っていく予定のようだ。価格は18〜20万円前後になる見込み。

うつせみワークス

 うつせみワークスは、「SOUND TIGER Concerto」(¥65,000)を展示した。アナログ入力、アナログ出力のフルバランスヘッドホンアンプで、電池4本で駆動している点も特長だろう。

 音作りは、高域の解像感と締まりのある低域を両立しているという。”コンチェルト” の名に相応しく、クラシックやジャズ音源の再生に適したサウンドが楽しめるチューニングとなっている。

サイラス

 サイラスではデジタルオーディオプレーヤー、Luxury&Precision「E7」(予価60万円台、4月の発売予定)を初展示した。

 E7の一番の特長は交換式のDAC搭載モジュールを採用している点だろう。現在はDACチップとしてAKMのAK4497EEQが2基搭載されているが、将来的には他のDACチップを搭載したモジュールが発売され、その中からお気に入りを選んで音の違いを楽しめるようになるわけだ。

 今回のモデルでは384kHz/32ビットのリニアPCMとDSD11.2MHzの再生が可能で、音楽再生はBluetooth、またはマイクロSDカードから行う仕組みだ(ストレージは非内蔵)。マイクロSDカードスロットは本体下部に準備されており、最大1Tバイトに対応する。

コンプライ

 イヤホンファンからも人気の高いCOMPLYでは、完全ワイヤレスイヤホン用や有線イヤホン用の様々なイヤーピースを並べていた。

 同社のイヤーピースはポリウレタンフォームで構成されており、どんな耳穴の形にもフィットして音漏れや外来ノイズをシャットアウトしてくれる。シリコン製チップの30倍柔らかく、長時間装着しても耳痛などが起こりにくいのも特長という。

Artio

 Artioでは、特許技術のa.i.mを採用したイヤホン「CU2」を展示、予価¥49,000で3月上旬の発売を予定している。これはハウジングの内部に任意の帯域を吸収するa.i.mを設置し、歪みの原因となる共振をピンポイントで抑制することでダイナミックで迫力あるサウンドを実現する技術だ。

 CU1ではドライバーの正面にa.i.mを配置して、横向きに設けられた音道から音楽を再生していた。CU2ではO型のa.i.mに変更することでドライバー正面から音が取り出せるようになったという。