フジヤエービックは、2月11日に東京・中野サンプラザで「冬のヘッドフォン祭mini 2023」を開催した。当日は中野サンプラザ15Fに40のブースが設けられ、様々なブランドの新製品や人気モデルを展示、それらを実際に試聴できるようになっていた。ここでは「冬のヘッドフォン祭mini 2023」の各ブースの様子を紹介する。

Astell&Kern/Maestraudio

 アユートが輸入販売を手がけるAstell&Kernからは、「冬のヘッドフォン祭mini 2023」の前日に発表されたばかりのオールインワン・ポータブルヘッドホンアンプ「ACRO CA1000T」(¥369,980、税込、2月18日発売)が展示されていた。

 DAC部にはESSの8ch DACチップの最新フラッグシップ「ES9039MPRO」をデュアル構成で搭載し、PCM 768kHz/32ビット、DSD 512に対応した。さらにMQA 16Xフルデコーダーにも対応し、光デジタルでのMQA音源の入出力も可能という。

 3.5mm/6.35mmアンバランス、2.5mm/4.4mmバランスのヘッドホン出力端子を搭載し、RCAに加えてMini XLR(3pin/ステレオ)のバランスラインアウトも備えている。その他4.4mm 5極バランス入力も搭載済みだ。

写真左が「MA910SR」で右が「MA910SB」

 またMaestraudioの人気有線イヤホン「MA910S」のラインナップも2モデル展示されていた「MA910SB」は4.4mmバランスコネクターを搭載したバージョンで、「MA910SR」はリケーブル対応機となる。MA910SBは予価¥15,000前後で今春の発売を予定。MA910SRはその後の登場となる。

PENTACONN

 5極の接点を備えた様々なコネクターをラインナップしているPENTACONNのブースには、数量限定で発売された(既に完売)4.4mm 5極プラグ採用のケーブル「MIYUKI」も展示され、注目を集めていた。

 さらに先日発売されたソニー・ウォークマンの新ラインナップ「NW-A300」シリーズに向けた提案として3.5mm 5極プラグを使ったリケーブルの展示も行われていた。NW-A300シリーズにはL/Rグランドを分離した4極タイプの3.5mmヘッドホンジャックが使われており、対応ケーブルを使うことで音質改善が期待できる。

 今回は既発売のSpadaシリーズと同じPC-Triple C導線を採用しているとのことで、今月末頃から同社ECサイトで限定販売を考えているそうだ。

Technics

 テクニクスブースでは完全ワイヤレスイヤホンの「EAH-AZ60」「EAH-AZ40」を展示し、そのサウンドを体験できるようになっていた。

 EAH-AZ60は、バイオセルロース振動板の8mm径ダイナミック型ドライバーを採用、ノイズキャンセリング機能も搭載した上位モデル。一方のEAH-AZ40はPEEK振動板の6mm径ダイナミック型ドライバー搭載機で、コンパクトボディに高音質、通話性能を備えたスタンダードモデルとなる。

 どちらも2021年秋の発売だが、正確な音の再現性が評価され、これまで聞こえなかった音がわかったというファンの声も届いているそうだ。

BQEYZ/NF Audio

左が「RA10」で右が「NA3 Essentials」

 ゲートのブースには、NF Audioの有線イヤホン「RA10」(¥9,720、税込)と「NA3 Essentials」(¥12,280、税込)が展示されていた。

 RA10は独自の6mmダイナミック型ドライバーを搭載したモデルで、パワフルな音作りが特長という。もうひとつのNA3 Essentialsは10mmダイナミック型ドライバーを採用した上位モデルで、モニターライクなバランス志向の音に仕上げられている。

 どちらもNF Audioらしい快適なフィット感や軽量性を備えているのが特長という。さらに着脱式2pin 0.78mmコネクターを備え、リケーブルも楽しめる。付属ケーブルは銀コート5N無酸素銅が使われている。

WAGNUS

 WAGNUSの高級リケーブル「Zillion Sheep “Acqua”」(¥198,000、税別)も会場で注目を集めていたアイテムのひとつだろう。

 Zillion SheepはWAGNUSの歴代フラッグシップモデルを凌駕するスペックを備え、まだ誰も体験したことがない音サウンドを実現することを目標にスタートした極限のケーブルだ。

 Zillion Sheep “Acqua”は直径0.08mmの銀メッキOFCを120本撚り合わせた導線を使い、これを各信号用に4本組み合わせた構造を採用している。独自開発したハンダが使われており、音のパワーと存在感、レコーディング現場の生々しさを再現するケーブルを目指したという。