KEFジャパンは、同社スピーカー「Rシリーズ」をフルリニューアルした。新製品の「R Metaシリーズ」は7モデルがラインナップされ、すべて本日から販売を開始している。

●トールボーイスピーカー:R11 Meta ¥902,000(ペア、税込)、R7 Meta ¥657,800(ペア、税込)、R5 Meta ¥547,800(ペア、税込)
●ブックシェルフスピーカー:R3 Meta ¥363,000(ペア、税込)

左からR11 Meta、R7 Meta、R5 Meta、R3 Meta

●センタースピーカー:R6 Meta ¥308,000(1本、税込)、R2 Meta ¥198,000(1本、税込)
●サラウンド/イネーブルドスピーカー:R8 Meta ¥198,000(ペア、税込)
●R3用スピーカースタンド:S3 Floor Stand ¥99,000(ペア、税込)

左からR6 Meta、R2 Meta、R8 Meta

 Rシリーズは同社パッシブスピーカーの中堅ラインで、センター用やサラウンド用スピーカーまで揃っているのが特長だ。今回の新製品はRシリーズ第3世代となり、型番からもわかる通りUni−Qドライバーに “MAT”(Metamaterial Absorption Technology)が採用されている。

 MATは迷路のような構造を持つプレート状のデバイスを用いてスピーカーの排圧を逃すことで音の歪みを低減する技術で、ドライバーユニットの背後に生じるノイズを99%吸収可能という。そのMATデバイスは、2枚の薄いプレートを貼り合わせており、その片方に15通路、両方で合計30通路のルート(迷路)を備えている。ここに背面ノイズが入り込むことで音が減衰、吸収されているそうだ(620Hzから上の帯域でノイズ吸収効果があるとのこと)。

 MATは2020年の「LS50 Meta」で初採用され、さらに昨年発売された「Blade」「The Reference」といった同社フラッグシップシリーズにも搭載されている。今回のR Metaシリーズにも、それら上位モデルに搭載されている第12世代Uni-Qが採用されている。

第12世代Uni-Qドライバー。図の一番下にある黒いパーツが背面ノイズを吸収するMATTデバイス

 Uni-Qドライバーは高域用トゥイーターを中〜低域用ウーファーの中央に配置した同軸型で、1988年に登場したKEFスピーカーのアイコンともいえるユニットだ。第12世代Uni-Qでは、ユニットの背面にMATデバイスを取り付け、上記の通り背面ノイズの99%を低減している。MATなしの115mmロングホーン搭載ドライバーでは背面ノイズの60%しか低減できていなかったというから、絶大な効果と言っていいだろう。

 なおMATの搭載に伴い、トゥイーターのリアウェーブをMATの開口部に合わせて調整され、さらにトゥイーターのギャップダンパーを再設計してギャップの共振を抑えている。またThe Reference
シリーズ用に開発されたフレキシブル・デカップリング・シャーシも継承された。

 一方、低域を受け持つウーファーユニットはアルミニウムと紙を貼り合わせたハイブリッド・コーン型振動板を搭載し、剛性の高さと適度な自己減衰を両立させているそうだ。R Metaシリーズでは160mmと130mmのふたつのサイズがモデルによって使い分けられている。

ウーファーユニットはアルミニウムと紙のハイブリッド振動板を搭載

 エンクロージャーの構造は従来のR Metaシリーズを踏襲し、内部に多くの制振材を配して細かく分割されている。Uni-Qは独立したひとつのボックスに収納され、またトールボーイスピーカーではUni-Qを挟んだ上下のウーファーもそれぞれ独立したエンクロージャーに収められるなど、相互の影響を排除した構造を採用している。

 さて、従来のRシリーズではクロスオーバー周波数が400Hzと2.9kHzで共通だったが(サラウンド用のR8は除く)、今回は測定と試聴を行って、各製品にあわせてクロスオーバーもチューニングし直されている。

 サランネットはマグネットによる着脱式の、マイクロファイバー製が付属する。素材を何層にも重ね、エッジをバーニッシュ加工(ニス仕上げ)にすることでスウェードのような質感に仕上げられている。さらにサランネットの有無で音に影響が出ないよう、ユニットの位置に合わせてそれぞれ1801個の孔がレーザーで空けられている。

 カラリングはブラックグロス/ホワイトグロス/ウォールナットの3色が全モデル共通で、その他にR7 Metaにはチタニウム・グロスが、R3 Metaにはインディゴグロスがスペシャルエディションとしてラインナップされている。

 なおブックシェルフ型のR3 Metaには、専用スタンドのS3 Floor Standが準備される。こちらは内部にスピーカーケーブルを通線するための孔が設けられるなど、従来のR3用スタンドと同様の仕様となっている。なお今回R3 Metaのスペシャルエディションに合わせてインディゴグロス仕上げも追加された。

R Metaシリーズでは、Uni-Qと低域ユニットを個別のボックス(チャンバー)に収めている。バスレフポートは柔らかい素材が使われており、圧力が高くなると変形して定在波の発生を抑制する

「R Meta」シリーズの主なスペック

R11 Meta
●型式:3ウェイ5スピーカー、バスレフ型●使用ユニット:125mmウーファー+25mmトゥイーター同軸、165mmウーファー×4●再生周波数帯域:46Hz〜28kHz●クロスオーバー周波数:330Hz、2.5kHz●インピーダンス:4Ω●能率:90dB/2.83V/m●寸法/質量:W311×H1296×D384mm/36.5kg

R7 Meta
●型式:3ウェイ3スピーカー、バスレフ型●使用ユニット:125mmウーファー+25mmトゥイーター同軸、165mmウーファー×2●再生周波数帯域:48Hz〜28kHz●クロスオーバー周波数:400Hz、2.4kHz●インピーダンス:4Ω●能率:88dB/2.83V/m●寸法/質量:W311×H1109×D384mm/29.3kg

R5 Meta
●型式:3ウェイ3スピーカー、バスレフ型●使用ユニット:125mmウーファー+25mmトゥイーター同軸、130mmウーファー×2●再生周波数帯域:52Hz〜28kHz●クロスオーバー周波数:400Hz、2.7kHz●インピーダンス:4Ω●能率:87dB/2.83V/m●寸法/質量:W272×H1072×D344mm/24.5kg

R3 Meta
●型式:3ウェイ2スピーカー、バスレフ型●使用ユニット:125mmウーファー+25mmトゥイーター同軸、165mmウーファー●再生周波数帯域:58Hz〜28kHz●クロスオーバー周波数:420Hz、2.3kHz●インピーダンス:4Ω●能率:87dB/2.83V/m●寸法/質量:W200×H422×D336mm/12.4kg

R3 Metaを専用タンドに載せた状態。色はインディゴグロス

R6 Meta
●型式:3ウェイ3スピーカー、密閉型●使用ユニット:125mmウーファー+25mmトゥイーター同軸、165mmウーファー×2●再生周波数帯域:65Hz〜28kHz●クロスオーバー周波数:500Hz、2.4kHz●インピーダンス:4Ω●能率:88dB/2.83V/m●寸法/質量:W625×H200×D339mm/17.8kg

R2 Meta
●型式:3ウェイ3スピーカー、密閉型●使用ユニット:125mmウーファー+25mmトゥイーター同軸、130mmウーファー×2●再生周波数帯域:67Hz〜28kHz●クロスオーバー周波数:560Hz、2.5kHz●インピーダンス:4Ω●能率:87dB/2.83V/m●寸法/質量:W550×H175×D309mm/15.4kg

R8 Meta
●型式:2ウェイ同軸、密閉型●使用ユニット:130mmウーファー+25mmトゥイーター同軸●再生周波数帯域:97Hz〜17.5kHz●クロスオーバー周波数:2.6kHz●インピーダンス:4Ω●能率:85dB/2.83V/m●寸法/質量:W175×H174×D259mm/4.5kg

「R Meta」シリーズの展示店が早くも決定。まずは全国12店舗に展示され、試聴にも対応

 ニュースリリースに合わせて、「R Meta」シリーズの展示ショップも発表された。以下の12店ではシリーズの中から選んだラインナップを展示予定で、試聴体験もできるとのこと。展示開始のタイミング(2月8日以降)や試聴の申し込みについてはそれぞれのお店に御確認いただきたい。

KEF Music Gallery 東京都千代田区有楽町1−12−1 新有楽町ビル1F Tel:03(6256)0260
※展示モデル:R11 Meta、R3 Meta

OTAI AUDIO 北名古屋市弥勒寺西1丁目127番地 Tel:0568(21)2700
※展示モデル:R11 Meta

アバックClassic馬車道店 横浜市中区常磐町4-45-1 アートビル4F Tel:045(319)6985
※展示モデル:R11 Meta、R5 Meta、R3 Meta

アバックClassic福岡店 福岡市博多区博多駅東1-14-25 新幹線ビル2号館1F Tel:092(432)0722
※展示モデル:R11 Meta、R8 Meta、R7 Meta、R5 Meta、R3 Meta、R2 Meta

アバック 横浜店 横浜市中区長者町3-8-13 TK関内プラザ1F Tel:045(228)9881
※展示モデル:R7 Meta、R6 Meta、R5 Meta、R3 Meta

アバック 岡崎店 岡崎市大門2-10-11 Tel:098(943)9178
※展示モデル:R7 Meta、R3 Meta

アバック 新宿本店 東京都新宿区西新宿7-5-9 ファーストリアルタワー新宿3F Tel:03(5937)3150
※展示モデル:R11 Meta、R8 Meta、R7Meta、R6 Meta、R5 Meta、R3 Meta、R2 Meta

アバック 静岡店 静岡市葵区鷹匠1-5-8 鷹一さかえビル1F Tel:054(273)4550
※展示モデル:R7Meta、R3 Meta、R2 Meta

アバック 梅田店 大阪市北区太融寺町2-11 ジ・アドレス梅田1F Tel:06(6949)8726
※展示モデル:R11Meta、R6 Meta

アバック 名古屋店 名古屋市中村区名駅南1-11-28 BRIO名南1F Tel:052(571)8810
※展示モデル:R7 Meta、R3 Meta、R2 Meta

オーディオユニオン 大阪店 大阪市北区梅田2-4-9 ブリーゼブリーゼ3F Tel:06(6147)7521
※展示モデル:R11 Meta、R3 Meta

オーディオユニオン お茶の水1F 東京都千代田区神田駿河台2-2-1 1F Tel:03(3294)6766
※展示モデル:R7 Meta、R3 Meta

サウンドテック 防府市桑山2-11-32 Tel:0835(21)5555
※展示モデル:R7 Meta

AUDIO&THEATER サウンド・ハンター 岐阜店 岐阜市茜部本郷3-154 Tel:058(278)0851
※展示モデル:R7 Meta、R3 Meta