音楽ライブ専門の映像配信サイト「MUSER」は、ヨーロッパの名門Jazzレーベル「DJazz」と提携して、同レーベルが所有する新旧の豪華アーティストらの貴重な映像を、1月31日より日本国内で独占配信すると発表した。

 配信開始(ローンチ)にあたっては、2つのチャンネルを用意。一つは新世代のプレイヤーたちの演奏が楽しめる「The Current Jazz -新世代ジャズのパイオニアたち-」、一つはレジェンドと呼ばれる名手たちの貴重な映像が楽しめる「The Legacies -ジャズ史に輝く巨星たち-」となり、開始時点でのコンテンツは、各チャンネル5作品ずつを揃え、合計で10作品をラインナップする。

The Current Jazz -新世代ジャズのパイオニアたち-
1 Robert Glasper(ロバート・グラスパー)& Jason Moran(ジェイソン・モラン)
2 Gregory Porter(グレゴリー・ポーター)
3 Ryan Porter(ライアン・ポーター)& The West Coast Get Down(ザ・ウエストコ
ーストゲットダウン)
4 Nubiyan Twist(ヌビヤン・ツイスト)
5 Jose James(ホセ・ ジェームズ)

The Legacies -ジャズ史に輝く巨星たち-
1 Bill Evans(ビル・エヴァンス)
2 Erroll Garner(エロール・ガーナー)
3 Cecil Taylor(セシル・テイラー)
4 Joe Zawinul(ジョー・ザヴィヌル)
5 George Shearing(ジョージ・シアリング)

 そして、ローンチに先駆けた1月16日には、有楽町の阪急メンズ東京にて、メディア向けのプレミアム試写会が実施され、上記10作品のダイジェスト映像(20分)の上映や、下記に紹介する3名のゲストを招いてのトークセッションも行なわれた。なお、トークセッションに先駆けては、DJazzのチーフエディター・Karen van der Stal氏によるビデオメッセージも上映され、氏曰く、世界中で行なわれている最新のJazzフェスの映像を網羅していくこと、レジェンドたちのモノクロ映像を積極的に公開していくことなどが、語られていた。

 ちなみに試聴システムは、同店7Fに店を構える「GINZA RECORDS&AUDIO」の協力を得て、TADのDAC、パワーアンプ、スピーカーを組み合わせたものが用意され、豪華な機器たちによって、新プレイヤーたちの名演奏が煌びやかに再生されていた。

 さて、トークセッションでは、Jazzに関して、さまざまな立場――演奏する側として、SOIL&“PIMP” SESSIONの社長、主催(オーガナイザー)する側として 原田潤一氏、報道・評論する側として原田和典氏が登壇。今回ラインナップされた10作品のアーティストたちについて、熱い、熱い、熱いトーク(セッション)を繰り広げていた。

原田和典氏

社長

原田潤一氏

 その一部を紹介すると、今回の独占配信となる映像を見て、「世界の同世代のライブがリアルタイムに見られるのがうれしい」(社長)、「動くビル・エヴァンスがやばい」(原田 潤)、「(Jazzという枠の中に、さまざまなプレイスタイルのプレイヤーがいることについて)Jazzという音楽の大きさ、深さは、まるで海のようで、これが全部Jazzなんだって、感動しました」(原田 和典)と熱い思いを吐露。中でも、原田和典氏のそれぞれの映像についての、その背景の説明(グループ活動をしていたジョー・サヴィヌルがなぜソロで演奏しているのか? ビル・エヴァンスの録音も手掛けたことのある、Stereo Sound誌でも長らく健筆を揮っていた菅野沖彦氏へのインタビュー秘話などなど)も的確で、社長・原田 潤氏ともに、その話に聞き入っていた。なお、MUSERのプロデューサーに、各映像について原田和典氏のコメントがほしい、と伝えたところ、前向きな返事がもらえたので、期待してもいいだろう。