顔・声・アクション、すべて桁違いの迫力(怖さ)。長年にわたり、画面を通じて多くの視聴者を圧倒してきた小沢仁志の還暦記念映画『BAD CITY』が1月20日(金)から東京・新宿ピカデリーほかにて公開される。昨年の12月9日からロケ地の福岡県で先行上映され、評判をとってからの全国順次ロードショーである。

 小沢仁志は今回、主演を務めたことに加え、映画の企画段階から撮影のコーディネートまで、文字通りの製作総指揮をとった。さらにオリジナル脚本(製作総指揮・脚本はOZAWA名義)も書いたが、この筋書きがなんともすごい。他の脚本家なら「大御所に、ここまで要求しては申し訳ないのではないか」と尻込みしてしまうような、激しいアクション・シーンがてんこ盛りなのだ。つまり、小沢は60歳になろうという自分自身に、ここまですさまじい身の動きを要求したわけである。もちろんCGなし、スタントなし。この映画のために徹底したトレーニングを行ない、強靭な肉体を作りあげたという。身のこなしの軽さ、闘いぶりの重厚さ。「小沢仁志自身が求める、これぞ小沢仁志というべき姿」に、われわれはスクリーン越しに接することになるのだ。

 彼の雄姿がバリバリに活かされている内容ということで、当然ながら物語は男臭い。ドスの利いた男たち、一本気な男たち、偽善の権力者など、いろんな奴らが画面に個性をぬりつける。そんななか、画面に輝きを加えているのが女性役者の存在だ。なかでも、坂ノ上茜ふんする新人刑事・野原恵が物語の進行につれて、どんどん頼もしくなっていくあたりも見どころである。この映画は彼女の成長物語でもあると、筆者は見た。監督・アクション監督は園村健介、主題歌はクレイジーケンバンドの書き下ろし曲「こわもて」。こちらも話題を集めるに違いない。

映画『BADCITY』

2023年1月20日(金)より新宿ピカデリーほか全国順次公開

<キャスト>
小沢仁志
坂ノ上茜 勝矢 三元雅芸
諏訪太朗 島津健太郎 友和 桐生コウジ 浜田晃 松永有紗 許秀哲 圭叶 桑田昭彦 福田健次 中野英雄 小沢和義 永倉大輔 山口祥行 本宮泰風 波岡一喜 TAK∴ 壇蜜 加藤雅也 かたせ梨乃 リリー・フランキー

<スタッフ>
製作総指揮・脚本:OZAWA×監督・アクション監督:園村健介
主題歌:クレイジーケンバンド「こわもて」(doublejoy international/UNIVERSAL SIGMA)
制作プロダクション:ソリッドフィーチャー
配給・宣伝:渋谷プロダクション
117分/シネマスコープ/DCP/5.1ch
(C)2022「BAD CITY」製作委員会