PDNから、BLUESOUND(ブルーサウンド)のストリーミングアンプのエントリーモデル「POWERNODE EDGE(N230)」が発表された。市場想定価格¥99,000(税込)で、2023年2月の発売を予定している。

 BLUESOUNDは、様々なストリーミングサービスやハイレゾファイルの再生が可能なワイヤレスシステムをラインナップしている。中でもNODEシリーズはハーフサイズのコンパクトな本体で、最大192kHz/24ビットのハイレゾ音源の再生に対応。ストリーマーの「NODE」と、アンプ内蔵の「POWERNODE」など3モデルをラインナップしている。

「POWERNODE EDGE」の本体カラーはホワイトとブラックを準備

 新製品のPOWERNODE EDGEは、NODEとPOWERNODEの中間に位置するモデルで、NODEとほぼ同等のサイズにストリーマーとプリメインアンプの機能を凝縮しており、スピーカーを追加するだけで高品位なサウンドが楽しめる一台となっている。音質、機能、操作性を犠牲にすることなく手頃な価格を実現した、オーディオ入門層やサウンドバーからのアップグレード用にも最適な製品だ。

 音声信号の処理にはNODEやPOWERNODEと同様にクアッドコア1.8GHz ARM Cortex A53 プロセッサーを搭載し、D/Aコンバーターとデジタルアンプ機能を一体化したDirectDigitalアンプを組み合わせている。これにより最大192kHz/24ビットのハイレゾ音源に加え、MQAのデコードもサポートする(出力は40W×2)。

 接続端子はLAN端子と、USB Type-A、光デジタル/アナログ兼用の3.5mm入力とeARC対応HDMI入力を装備。HDMI端子をARC対応テレビにつなぐことで、放送番組や、テレビにつないだBDプレーヤー/レコーダーの音声を楽しめる(AACコーデックには非対応なので、テレビ側でリニアPCMに変換する)。

リアパネルのスピーカー端子はネジ式で、バナナプラグも接続可能。3.5mm光デジタル/アナログ兼用端子はLANコネクターの左横に搭載する

 上記の通りMQAデコード機能も内蔵しているので、3.5mm入力にCDプレーヤーをつなげばMQA-CDをハイレゾクォリティで楽しめるし(光→3.5mm変換アダプターも同梱)、アナログレコードプレーヤー(フォノイコは別途必要)をつないでLPレコードを楽しんでもいい。ワイヤレス伝送では、デュアルバンドWiFiやBluetooth(aptX HDの送受信に対応)、AirPlay2での再生も可能だ。

 出力は2chのスピーカー端子の他にサブウーファー用のRCA端子を装備、低音が物足りない場合はここにアクティブサブウーファーをつないで2.1chシステムで楽しむこともできる。

 本体前面にタッチLEDセンサーを備え、再生、スキップ、音量調整などの基本操作が可能。ストリーミングやハイレゾファイルの再生は独自のBluOS Controllerアプリで、スマホやタブレットから行う。20以上の音楽サービスと数千のインターネットラジオ局に直接アクセスできる他、Wi-Fiやギガビットイーサネット経由での接続、外部USBドライブからの再生にも対応している。

本体カラーと同じ色の電源ケーブルとLANケーブルが付属

 BluOS Controllerアプリではその他にもプレーヤーからプレーヤーへ音楽を送ったり、複数のプレーヤーを1つのストリームに同期させて、パーティーモードで再生するといったことも可能だ。POWERNODE EDGEは、Crestron、Control4、URC、RTI、ELANなどのスマートホームコントローラーと統合できるドライバーも準備されている。

 さらにPOWERNODE EDGEはホームシアターでのサラウンドスピーカー用アンプとしても使用可能だ。既にPOWERNODEをお使いの方がPOWERNODE EDGEを追加すると、POWERNODEからサラウンドL/Rの信号がワイヤレスで伝送され(アプリの設定が必要)、スマートな4.1chシステムを手軽に構築できることになる。

 なおPOWERNODE EDGEはW219×H44.5×D193mm、重さ1.37kgというコンパクトサイズなので、薄型テレビの下などにもすっきり収納できるだろう。加えて、付属金具を使えば、ネジ4本で本体を簡単に壁掛可能。縦・横のどちら向きにも設置できるので、室内のインテリアに応じて取り付けてみるのもいいだろう。その際に違和感がないように、本体と同じ色(ホワイト/ブラック)の電源ケーブルとLANケーブルも付属している。

付属の金具を使えば、本体を使いやすい向きで壁掛可能

 発表会で、POWERNODE EDGEのパフォーマンスを体験するチャンスがあった。同じくPDNが輸入販売を行っているパラダイムのフロアー型スピーカー「Founder 80F」との組み合わせでAmazon Music HDなどのハイレゾ音源を再生した。

 女声ヴォーカルやクラシックなどの音源を再生したが、横幅219mmのコンパクトな一体型で鳴らしているとは思えないほどの広がりがあり、同時にハイレゾらしい楽器や声のきめ細かさを持ったサウンドが再現される。

 例えば松任谷由実の『ユーミン万歳!』から「中央フリーウェイ」を再生すると、ユーミンの若さ溢れる声が出現する。最新のリマスターらしく音場がクリーンで、またL/Rスピーカーの外にまで広がるような空間演出効果もしっかり確認できた。

 チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲では、独奏ヴァイオリンの力強い演奏、天高く伸びていくような響きが楽しめる。楽曲によっては低音をもう少し加えたいと思うかもしれないので、そんな場合はサブウーファーを組み合わせるなど、使いこなしの工夫をしていくとPOWERNODE EDGEの実力が引き出せるだろう。

PDN社内の試聴室で、POWERNODE EDGEとFounder 80Fを組み合わせたシステムを試聴させてもらった

「POWERNODE EDGE」の主なスペック

●出力:40W×2@8Ω(DirectDigitalアンププラットホーム)
●内蔵CPU:クアッドコア 1.8GHz ARM Cortex A53 プロセッサー
●接続端子:HDMI(eARC)、光デジタル/アナログ兼用オーディオ入力、LAN、USB Type-A、サブウーファー出力
●寸法/質量:W219×H44.5×D193mm/1.37kg