日本映画専門チャンネルでは、開局25周年企画として『伊丹十三 全10作品』4Kデジタルリマスター版を2023年1月8日からオンエアする。
伊丹プロダクションの全面的な協力のもと、伊丹監督作品を4Kデジタルリマスター化する一大プロジェクトが始動。日本映画専門チャンネルでは全10作品をオールメディア独占・テレビ初放送する。配信では見られない伊丹映画が、美しく鮮明な画質で楽しめる絶好の機会だ。放送スケジュールは以下の通り。
1月8日(日)ひる1時から、珠玉の一挙放送!24時間まるごと 伊丹十三の映画4K
●放送日:1月8日(日)13時〜
・日本映画+時代劇4Kではピュア4Kで放送
・日本映画専門チャンネルでは2Kダウンコンバートで放送
●放送作品:
『お葬式』<4Kデジタルリマスター版>(1984年、カラー、126分)
『タンポポ』<4Kデジタルリマスター版>(1985年、カラー、116分)
『マルサの女』<4Kデジタルリマスター版>(1987年、カラー、129分)
『マルサの女2』<4Kデジタルリマスター版>(1988年、カラー、128分)
『あげまん』<4Kデジタルリマスター版>(1990年、カラー、120分)
『ミンボーの女』<4Kデジタルリマスター版>(1992年、カラー、124分)
『大病人』<4Kデジタルリマスター版>(1993年、カラー、117分)
『静かな生活』<4Kデジタルリマスター版>(1995年、カラー、122分)
『スーパーの女』<4Kデジタルリマスター版>(1996年、カラー、128分)
『マルタイの女』<4Kデジタルリマスター版>(1997年、カラー、133分)
※1月8日(日)深夜2時40分〜1月9日(祝)朝6時は、『「24時間まるごと 伊丹十三の映画4K」幕間(まくあい)』と題し、伊丹十三監督全10作品の公開当時の特報や予告編を放送予定
※1月21日(土)夜9時より「伊丹十三劇場4K」として監督デビュー作『お葬式』から月2作品ずつスタート
伊丹監督のイメージしたテイストをしっかりと守り、継承した4K映像。
2023年早々から、エアチェックライブラリーが充実しそうだ …… 酒井俊之
年の瀬も押し迫って、「24時間まるごと 伊丹十三の映画4K」のPR番組が日本映画専門チャンネルで流れ始めた。これが初お目見え、次々と繰り出される4Kデジタルリマスター版のクリアーな映像と音声には期待が膨らむばかりである。
伊丹監督作品の中では人気も評価も高い『マルサの女』は筆者も特に好きな作品。放送に先駆けて4Kデジタルリマスター版を試写室で観る機会があった。新4Kマスターのレストアとグレーディングを担当したのはIMAGICA EMS。先のベネチア国際映画祭において、アジア圏映画では初となる最優秀復元映画賞を受賞したスタッフが4Kデジタルリマスター版の制作を手掛けている。
映像の解像度は当然のことながら4Kスキャニングならではの情報量を誇る。グレーディングは旧HDマスターのトーンを踏襲しているような印象だった。今は亡き伊丹監督のイメージしたテイストをしっかりと守り、継承していくのだというスタッフの意思を感じた。あらためてPR映像用に抜粋されているシーンを放送で見てみると、4Kマスターは従来のHDマスターに比べて彩度が抑え目になっている。黒の透明度と落ち着きがかなり違うのがはっきりと判る。画が力強い。『お葬式』などもその瑞々しい映像に思わず声が出てしまったほどだ。
PR番組によると作品によってグレーディングの考え方やまとめ方も作品によりけり、といった仕上がりになっているようだ。(2Kダウンコンバート放送でも)4Kデジタルマスター版の画と音の鮮度には思わず身を乗り出してしまう。あとは本放送となる4Kピュア放送でのお楽しみとしよう。
8日(日)の一挙放送時には『24時間まるごと 伊丹十三の映画4K「幕間」(まくあい)』と題された時間枠の中で、劇場公開当時の特報や予告編もオンエアされる。こちらも併せて忘れずにチェックしたい。2023年早々からエアチェックライブラリーが一気に充実する絶好の機会となろう。
©伊丹プロダクション