Speaker System
エラック
Concentro S503
¥1,300,000（ペア、税別）
●型式：3ウェイ2スピーカー・バスレフ型●使用ユニット：ウーファー・18cmコーン型、同軸ミッドレンジ・13cmコーン型／トゥイーター（JET5c）ベンディングウェーブ型●インピーダンス：4Ω●感度：87dB/2.83V/m●クロスオーバー周波数：400Hz、2.6kHz●寸法／重量：W225×H400×D372mm／13.4kg●備考：写真はハイグロス・ウォールナット仕上げ、他にハイグロス・ブラックとハイグロス・ホワイト（各¥1,200,000ペア、税別）あり。別途スピーカースタンド（￥200,000ペア、税別）●問合せ先：（株）ユキムTEL.03（5743）6202
コンチェントロ（Concentro）は、エラックの最高級機シリーズに与えられたネーミングだ。ここで紹介するS503は、シリーズで最小の同軸3ウェイ機である。StepX-Jetコアキシャル・ドライバーとAS-XRウーファーとのコンビネーションを、平行面をもたない光沢仕上げのエンクロージュアに納めたシステム。背面にはバスレフポートがあり、バイワイヤリング対応の入力端子を備えている。
デジタルファイル音源をオーディオ専用NASのDELAからアキュフェーズDC1000に繋ぎ、管球王国誌の新しいリファレンスであるウエスギのプリアンプ、U・BROS280RとモノーラルパワーアンプU・BROS120Rで鳴らした音を聴く。
声色の自然さはJETトゥイーターの得意とするところだが、試聴した音楽ジャンルで満遍なく質感描写に優れている、きわめて高水準な音で聴かせる秀逸なスピーカーだ。
3種類ある同軸ドライバーの外周リングを交換することで、中高音域の指向性を調整することができる。試聴は指向性がもっとも広い標準リングで聴いてきたが、ロッシーニの歌劇「アルジェのイタリア女」（SSリファレンスレコード C30G00102）を音源にリングよる違いを比べてみると、やや指向性を狭めたリングでは音の密度感が少し高まった印象になり、もっとも指向性を狭めたリングでは声の勢いが増して説得力の満ちた音へと変化。聴感上のエネルギーバランスも変わるわけだが、試聴室の環境では標準リングの再生が私の好みだった。
前面には13cmアルミコーン・ミッドレンジとJET Vトゥイーターの同軸型（StepX-JET）、振動板が幾何学パターンの18cmAS-XRウーファーの配置。
背面からは、本体の両サイドがリア方向にテーパードしていて、内部に平行面を持たない設計を見て取れる。入力端子はバイワイヤリング対応。
指向性を調整する3種のリングが付属。環境に合わせて放射特性の微調整が可能。マグネット式装着で交換も容易。
指向性制御リングを交換する三浦氏。