Record Player System

ラックスマン
PD151 MARKⅡ 
¥358,000(税別) 

トーンアーム●型式:スタティックバランス型●実効長:222.5mm●適合カートリッジ重量:4g〜10g プレーヤー部●駆動方式:ベルトドライブ●モーター:DCブラシレスモーター●回転数:33・1/3、45、78rpm●ターンテーブル:30cmアルミ削り出し、重量4kg●寸法/重量:W465×H132.5×D393mm/15.8kg●備考:回転速度微調整機構付き。写真のカートリッジ、ヘッドシェルは別売品●問合せ先:ラックスマン(株)TEL.045(470)6991

 好評を博しながらも昨年7月に販売終了になったラックスマンのアナログプレーヤーPD151が、マーク2版に進化して登場。前作のトーンアーム供給元(JELCO=市川宝石)の事業終了が要因だったようだが、新しいPD151MARKⅡはサエクのナイフエッジ技術を用いたオリジナル仕様の新型トーンアームLTA309を搭載している。アルミ削り出しのプラッター(4kg)や新規開発のブラシレスDCモーターなどの基本要素を踏襲しながらも、ACインレットの装着方向を変更したり新型の電源ケーブル(JPA10000i)が付属するなど、見直しが行なわれている箇所もある。

 新型のトーンアームはダブルナイフエッジではなく、刃先が下向きのシングルナイフエッジ。フォノカートリッジの向きとナイフエッジ軸の向きがオフセットしているからWE308の系列ではなく、現在のWE4700や昔のWE407に倣っている。実効長とオーバーハング値は前作のJELCO製とは異なるが、回転式のアンチスケーティング機構は継承している。

 管球王国誌試聴室のリファレンス環境でPD151MARKⅡを試してみた。最初はMC型のフェーズメーションPP2000に同CS1000ヘッドシェルの組合せを装着。この場合は付属している重量級カウンターウェイトが適合する。ナイフエッジの感度は相当に高く、シビアにゼロバランスが得られた。

 新しいナイフエッジ方式トーンアームを得たことで、PD151MARKⅡはオリジナルを超えた機敏な音へと変貌した。ドナルド・フェイゲン「ザ・ナイトフライ」で聴く「マキシン」は冒頭のピアノの音色が鮮やかかつ複雑で、一音一音の立ち上がりが早い鋭角的な音で魅せる。聴感上のレンジもグッと広がった印象なのだ。続いて聴いたアンセルメ指揮「三角帽子」も、60年以上も前の録音(1961年)とは到底思えないくらいの高精細サウンドで、低音域と高音域がグッと拡大されたワイドレンジ感。トーンアームの違いによる音質変化は想像以上に大きかった。

 ここでMCカートリッジを、40年ぶりの同社カートリッジ新製品となるラックスマンLMC5に交換。純正ヘッドシェルに装着したLMC5は、標準のカウンターウェイトが適合した。 
 
 先ほど聴いた「ザ・ナイトフライ」と「三角帽子」は、いずれもエッジを立てた先鋭的な音から、いい意味で穏やかさを持ち合わせた親しみやすさを感じさせた。フェーズメーションはヘッドシェルを含めて表面がDLC(ダイアモンド・ライク・カーボン)処理なのに対して、ラックスマンはアノダイズ処理である。その違いも含めて、やはり相性の良さが発揮されているのだろう。ジャズヴォーカル「アルマ・ナイドゥー」は暖かみのある生々しい声色で、思わず聴き惚れてしまった。

 ラックスマンのPD151MARKⅡは、新型トーンアームの搭載により音の品位が高まった。ぜひとも聴いていただきたい製品である。

搭載されるユニバーサル・トーンアームは実効長222.5mmスタティックバランスのS字型。高感度なナイフエッジ・サポート技術を採用している。

アーム支持部のハウジングは、サイドから見るとナイフエッジ構造がわかる。

前面には電源、スタート/ストップのスイッチとともに回転速度の微調整機構を配置。33・1/3、45、78の回転速度毎に小穴にあるボリュウムネジでLEDランプがグリーンで常時点灯するように調整する。

アルミ切削加工によるプラッターは、重量4kg。外縁の円周部の重量を重くして回転の安定性を高めている。

付属するアルミヘッドシェル。

ヒンジ付きの専用アクリルダストカバー 別売¥60,000 (税別)を用意

試聴に使用したカートリッジ
MC型
ラックスマンLMC5
¥240,000(税別)

レコード盤に針を下ろす三浦氏。

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