2023年4月14日に開業する超高層複合施設「東急歌舞伎町タワー」。その9階〜10階を占める映画館「109シネマズプレミアム新宿」の全シアターの音響(計8館)を、坂本龍一が監修すると発表された。名称は「SAION -SR EDITION-」。

 東急レクリエーションは2021年末より東京・町田市の映画館「109シネマズグランベリーパーク」のシアター1で、プレミアムサウンドシアター「SAION」(サイオン)を導入し、好評を博してきた。この度発表された「109シネマズプレミアム新宿」の音響システムはその「SAION」をより進化させた「SAION -SR EDITION-」だという。

 来たる12月11日、坂本龍一のピアノ・ソロ・コンサート『Ryuichi Sakamoto: Playing the Piano 2022』のライヴ・ビューイングが町田の「109シネマズグランベリーパーク」のシアター1で実施される。なお、10月25日に販売が開始されたライヴ・ビューイングのチケットは即完売となった。

 坂本龍一といえばこの秋、日本でも公開された映画『アフター・ヤン』のメイン・テーマ曲、Netflixのアニメ『exception』のサウンドトラックを手掛け、その健在ぶりを示している。

 坂本龍一はこれまで『戦場のメリークリスマス』(1983年)、『ラストエンペラー』(1988年)、『シェルタリング・スカイ』(1991年)、近年では『レヴェナント:蘇りし者』(2016年)、『MINAMATAーミナマター』(2020年)などで研ぎ澄まされた映画音楽を生み出してきた。その〈世界のサカモト〉が認める「109シネマズプレミアム新宿」の音響システムがどのような音を聞かせてくれるのか、興味が尽きない。

 下記に掲載されている音響監修:坂本龍一の公式コメントは学生時代、新宿の街であらゆる最新カルチャーに接してきた教授の生き様が垣間見れる。

 東急系列の映画館はこれまでも地場に根ざしたコンセプトを掲げ、他の劇場との差別化を図ってきた経緯がある。「109シネマズプレミアム新宿」は新宿という街で刺激を受けてきた坂本龍一の感性が反映されている点にアドヴァンテージがある。35mmフィルム対応の映写機の導入も決まっており、最新の音響システムのみならず、〈映画の光と影〉に焦点を合わせた試みも目が離せない。