本日から幕張メッセでスタートした「CEATEC2022」パートナーズパークの注目が、「METAVERSE EXPO JAPAN 2022」だ。ここには昨今多方面で話題になっているメタバースに関連した展示が多数あり、その多くを実際に体験できるようになっている。

 メタバースというと、3Dゴーグルやグローブを装着してバーチャル世界に没入する、ややマニアックな趣味と思われがちだ。もちろんそういった本格的な3Dバーチャル体験が可能なブースもあるが、他にもバーチャルショウルームといったビジネス用途からスマホを使ったコミュニティ空間といったパーソナルな楽しみ方まで準備されている。

 リアルを効果的にサポートするツールとしてのメタバースに触れられる場として、METAVERSE EXPO JAPAN 2022に足を運んでみてはいかがだろう。

Meta(パートナーズパーク/ホール6/P001)

 MetaとInstagramのブースでは、バーチャル会議室「Meta Horizon Workrooms」とARエフェクトが体験できた。

 前者は、オールインワンVRヘッドセットのMeta Quest 2を着用して行うリモート会議で、会議室の環境(リゾートホテルやコテージ風など)から机の配置(横並びか円卓状か)、さらには座席の位置まで自由に選択可能。毎回気分を変えて会議に臨めるよう細かく配慮されている。

 これらの設定はMeta Quest 2のコントローラーを使ってバーチャル空間内のメニュー画面から行うが、設定が終われば、コントローラーを外しても自分の手の動きを内蔵カメラが認識してアバターに反映してくれる。そのため隣席のアバターとハイタッチをする、といったことも可能だ。また位置情報も認識しているので、隣の人とならひそひそ話もできるとのことだ。

 ARエフェクトはスマホでQRコードを読み込むと、会場内に設置されたジオラマの映像にエフェクトが追加されたり、あるいは自分の写真(動画)に色々な効果が加わるというもの。こちらはインスタの投稿を楽しんで欲しいという提案だった。

BASCULE(パートナーズパーク/ホール6/P001)

 これぞメタバース! という体験ができるのが、BASCULE(バスキュール)の「THE ISS METAVERSE」だ。これは、JAXAとの協業で、国際宇宙ステーション(ISS)の飛行位置をリアルタイムにシミュレーションしたバーチャル体験ができるというもの。今この瞬間、ISSに滞在している宇宙飛行士と同じ地球の光景を眺め、宇宙で語り合うことも可能という。

 3Dヘッドセットを装着すると、いきなりISS近傍の宇宙空間に浮遊した状態にトリップできる。ISSの軌道高度は408kmとのことで、視線を下に向ければ地球を見下ろすこともできるわけだ。映像はやや輪郭の強調感はあるが、高コントラストでクリアーな仕上がりで、本当に空中浮遊しているような気分になる。

 視点位置は左右のコントローラーの操作で自由に調整できる。試しにうんと高い位置まで上がってみたところ、ISSの全貌を見下ろすこともできた。その下には地球が広がっているわけで、これは絶景だ(とはいえ、さすがにこの状態では足がすくんでしまった)。

 また今回の展示では「宇宙×ボリュメトリックビデオ」という新しいメタバース体験も準備されている。宇宙空間(ISSの太陽光パネルの上)でアーティストが歌うというもので、コントローラーをペンライトのように振って応援もできる。こちらもなかなかの没入感で、メタバースの楽しさに気軽に触れられるコンテンツだと感じた。会場にお出かけの方はぜひ体験していただきたい。ただし、高所恐怖症の方は要注意!

REALITY(パートナーズパーク/ホール6/P001)

 スマートフォン向けのメタバース、RAELITYは、もっとも手軽に参加できるサービスかもしれない。スマホにアプリをインストールするだけで、ライブ配信やバーチャルコミュニティに参加できるというものだ。

 また同社では様々な業種とのコラボもスタートしているそうで、例えばHISとの連携ではバーチャルコミュニティ内に様々な観光地を体験できるスペースを設け、そこで疑似体験した後に実際に航空券を予約できるといったサービスもスタートしている。

DNP(パートナーズパーク/ホール6/P001)

 DNP(大日本印刷)では、2021年からリアルとバーチャルを融合するXR(Extended Reality)技術を活用し、新しい体験価値と経済圏を創出するXRコミュニケーション事業を推進している。今回は、バーチャル空間でリアルタイムに映像を制作する「バーチャルプロダクション」と、XR空間構築システム「PARALLEL SITE」によって開発したさまざまなメタバース(背景画像)を掛け合わせた展示が行われていた。

 同社では長年の印刷業務で培った映像制作、CG技術を活かしてリアルなメタバース画像を作成できるそうで、それらをLEDディスプレイに投写し、さらにリアルタイムのカメラ画像と合成することで、出演者自身もその場にいるかのような気分でコンテンツ製作に臨める環境を作り出すという。

TOPPAN(パートナーズパーク/ホール6/P001)

 TOPPAN(凸版印刷)は、TV CFでもお馴染みのMira Verseを体験できるブースを展示。バーチャルショウルームと銘打ち、大型LEDディスプレイに車のショウルームの映像を再現していた。

 その映像では、印刷会社として色の再現にこだわっているそうで、本物と同じ色味、質感が再現できるよう注意したとのことだ。特に車の場合はメーカーや車種によって同じ赤でも微妙に異なっている。バーチャルショウルームでも、そこまできちんと再現できることが大切だと同社では考えているわけだ。