スマートホンは、いまや世代、性別、地域の垣根を越えて広く浸透し、コミュニケーションツールとしてのみならず、日々の生活に欠かせないキーデバイスになっています。その傑出した能力は、当然ながら音楽再生の分野でも遺憾なく発揮されています。

ここでは、5月に小社から発行したムック「かんたん、わかりやすい スマホで始めるオーディオ&ネット動画再生読本」の中から、スマホを音楽の再生機として、ハイレゾ音源の醍醐味を体験するための知識、ノウハウ、システムづくりのあり方などを紹介した記事を、順次掲載していきます(全36回を予定)。

今回は「安定して、音もいい。有線でスマホをオーディオ機器につなごう」というテーマのなかで、Androidスマホとオーディオ機器との接続についてご紹介します。

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 Androidスマホの場合、現在多くの製品では、USB Type C端子からの出力になるが、接続の方法は大きく2通りに分けられる。まずUSB Type C/USB Type B変換ケーブルを使用して、両者を1本のケーブルで接続するというパターンだ。

パターン1 変換ケーブルで直結

USB Type C/USB Type B変換ケーブル

メリット
かんたん

デメリット
プリンター等に使う汎用品しか選択肢がない

最新のAndroidスマホの多くに採用されているUSB Type C端子から、オーディオ機器に装備されているUSB Type B端子をつなぐためのケーブル。USB Type Cケーブルは、端子が多機能であるため多種多様なケーブルが発売されているが、「オーディオ用」としては、「USB2.0」対応で「USB Standard B端子」との接続が可能なケーブルを選ぼう。写真は本別冊の取材で用いたエレコム製の正規認証品だ

エレコム U2C-CB20NBK(2m品、黒)

 

これもケーブル1本だけで完結しているため、接続がシンプルでかんたん。このタイプのケーブルは選択肢も多く、比較的安価で入手できるが、実際にはプリンターなどとの接続で使われる汎用品がほとんどで、オーディオグレードのケーブルは現時点では存在していないようだ。

 またUSB Type C入力を持つポータブルDACについては、USB Type C/USB Type Cケーブルを使うことになるが、これもiPhoneの場合と同様、給電専用のケーブルがあり、音楽再生には使えないケースがあるため、注意が必要だ。

パターン2 変換アダプター経由

USB Type C/TypeAメス変換アダプター→USB Type A/TypeBケーブルで接続

メリット
高音質ケーブルが選べる

デメリット
やや面倒。接点が増える

一般的なUSBケーブル(片側Type A端子、片側Type B端子)とUSB Type C端子装備のAndroidスマホをつなぐには、USB Type C / Type Aメス変換アダプターを使う。すでにハイグレードなオーディオ用USBケーブルをお持ちの場合は、こちらを使えばいいだろう

エレコム MPA-AFCM01NBK(15cm、アダプターのみ)

 

 次にUSB Type C/Type Aメスの変換アダプターを介して、USB Type A / Type Bケーブルでオーディオ機器と接続するというパターンだ。つまり「アダプター」と「ケーブル」を使うことにはなるが、音楽信号伝送については汎用性が高く、オーディオ用の高音質USBケーブルが選べるというメリットもある。

 ただ接続がやや複雑で、曲がりや引っ張りなど、ちょっとしたストレスで接点が不安定になる危険性も高い。音質的には接点が増えることによるハンディを背負うことになる。

 またスマホによってはMicro USB B端子を装備しているケースもあるが、これは基本的にUSB Type C端子のものを、Micro Bに置き換えて考えればいい。ただ組合せによっては、オーディオ機器につながらないケースもあるようだ。

 スマホとオーディオ機器につなぐにはOTG(On The Go)機能を活用することになるが、特別な設定を必要としないiPhoneに対して、Androidの一部の機種では設定メニューに入り、OTG機能を有効にする必要がある。しかも設定しても一定時間操作しないと解除されてしまうケースもあるので注意したい。

OTG(On The Go)設定に注意

Androidスマホとオーディオ機器につなぐにはOTG(On The GO)という機能を活用する必要があるが、それが常時有効にならないスマホがあるので注意したい。正しくスマホとオーディオ機器をケーブルでつないでも機器が認識されない場合は、ここもチェックしてみよう。

画面はオッポモバイルのReno5Aスマホでの画面。本機では、「設定」-「その他の設定」-「OTG接続」で、OTG有効にする必要がある。しかも、10分操作がないと、この設定が自動でオフになるので注意したい(接続中は自動オフにはならない)

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