スマートホンは、いまや世代、性別、地域の垣根を越えて広く浸透し、コミュニケーションツールとしてのみならず、日々の生活に欠かせないキーデバイスになっています。その傑出した能力は、当然ながら音楽再生の分野でも遺憾なく発揮されています。
ここでは、5月に小社から発行したムック「かんたん、わかりやすい スマホで始めるオーディオ&ネット動画再生読本」の中から、スマホを音楽の再生機として、ハイレゾ音源の醍醐味を体験するための知識、ノウハウ、システムづくりのあり方などを紹介した記事を、順次掲載していきます(全36回を予定)。
今回はCDの音源をスマホで聴きたい!というテーマのなかで、「CDレコ」「ラクレコ」でいい音を快適に楽しむ方法についてご紹介します。
「かんたん、わかりやすい スマホで始めるオーディオ&ネット動画再生読本」はこちらからご購入いただけます。
「CDレコ」「ラクレコ」で、 いい音を快適に楽しめる
アイ・オー・データ CDレコ5(CD-5WK/ワイヤレス接続タイプ)
オープン価格(直販価格14,080円)
バッファロー ラクレコ(RR-W1-BK/ワイヤレス接続タイプ)
¥11,110 税込
手もとにあるCDの音源をスマホに保存して聴きたい。そんなニーズに応えてくれる機器が、アイ・オー・データの「CDレコ」とバッファローの「ラクレコ」だ。
両製品のコンセプトはほぼ同じ。付属のワイヤレスCDドライブに聴きたいCDをセットし、リッピング(CD内のデータを取り込むこと)すれば、データがワイヤレスでスマホに転送され、専用のアプリで再生できるようになる。しかも音質は最高でCDと同等の44.1kHz/16ビットのロスレスまで対応していて、リッピングはCD1枚につき4分前後の短時間で済んでしまうとあって、いずれもヒット商品となっている。
音楽サブスクでは聴けないアーティスト/楽曲は現在でもそれなりの数があるし、手元のCDを楽しみたい場合もあるだろう。そうしたCD音源をスマホで聴く場合には「CDのリッピング(データの読み込み)」が必須となる。
従来のリッピング作業では、基本的にパソコンを経由しなければスマホにデータを転送することができなかったが、CDドライブから直接スマホにデータを転送できる「CDレコ」や「ラクレコ」を使えば、そういった煩雑な作業はいっさい不要。
実際に両製品を使用してみたが、使い勝手や音質に大きな差はなく、どちらもCDクォリティの音をスマホで快適に楽しむことができた。音楽メディアとしてのCDが全盛だった時代を知る40代以上の方は、いまもたくさんのCDライブラリーをお持ちではないだろうか。その資産をスマホ時代にも活かせるという点で、重宝すること間違いなしの製品である。
ステップ1 CDをドライブにセット
画面はアイ・オー・データ「CDレコ」の専用アプリ画面。Wi-Fiモデルと有線モデルがあり、今回はWi-Fiモデルを使用。スマホとCDドライブをWi-Fiで接続すると、上の画面が表示される。CDをドライブに入れると、CDデータベース「gracenote」によるタイトル検索が始まる
ステップ2 音質を設定する
CDのタイトルの検索が終わると、取り込む音質設定を行なう。①「CD音質(FLAC)」、②「高音質(AAC 320kbps)」、③「標準(AAC 256kbps)」、④「長時間1(AAC 128kbps)」、⑤「長時間2(AAC 96kbps)」。①から⑤の順で、音質に優れているが、そのかわりデータ量としては大きくなる。音にこだわるのならば、①を選択したい
ステップ3 データ取り込み(リッピング)
音質設定が終わると、CDのリッピングが始まる。「CD音質(FLAC)」を選択し、約70分のCDをリッピングしたところ、所要時間は約4分だった。ほとんどの作品は、写真のようにジャケット写真も表示されるが、自身で選択した画像を使うこともできる
ステップ4 取り込み後、すぐに再生可能
リッピング終了後の「CDレコ」アプリの再生画面。各種音楽サブスクなどの操作画面とほぼ同じ使い勝手で、リッピングした楽曲から自分の好みの曲だけを選んだプレイリストなども作成できる。バッファロー「ラクレコ」も基本的な性能はほぼ同様だ