テクニカル オーディオ デバイセズ ラボラトリーズ(TADL)から、「Evolutionシリーズ」のブックシェルフスピーカーの新製品「TAD-CE1TX-WN」が11月下旬に発売される。専用スピーカースタンド「TAD-ST2TX-K」も同時発売となる。価格はTAD-CE1TX-WNが\2,700,000(ペア、税別)、TAD-ST2TX-Kは¥560,000(ペア、税別)。

 TAD-CE1TX-WNは、革新的な技術を取り入れた製品をラインナップするEvolutionシリーズの新製品で、2014年発売の「TAD-CE1」の後継モデル。「Bi-directional ADSポート」を引き続き採用し、そこに、新開発のウーファーユニット、ミッドレンジユニットを搭載。同シリーズの音質コンセプトを継承し、“音場と音像の高次元での融合”の実現を目指したスピーカーとなる。

TAD-CE1TX-WNの主な特長
●理想的な点音源再生を実現した「CSTドライバー」を採用
位相の一致したポイントから、広帯域にわたって指向性をコントロールして再生する中高域用の同軸スピーカーユニット「CSTドライバー」を搭載することで、安定した定位と自然な音場空間の再現を実現。また、ミッドレンジのコーンにより同軸配置されたトゥイーターの指向特性を制御し、トゥイーターとミッドレンジのクロスオーバーにおける位相特性と指向特性を一致させることで、全帯域で自然な減衰特性と指向放射パターンを両立しながら、CSTドライバーのみで250Hz~100kHzという超広帯域再生も実現しているという。

●トゥイーターに独自の蒸着法で加工した「ベリリウム振動板」を採用
トゥイーターには、軽量で剛性に優れたベリリウムを独自の蒸着法で成形した振動板を採用。コンピューター解析による最適化手法「HSDOM(Harmonized Synthetic Diaphragm Optimum Method)」を用いて形状設計し、分割振動とピストンモーションの最適バランスを導き出すことで、100kHzまでの超広帯域再生を可能にした。

●ミッドレンジに高内部損失の「新開発マグネシウム振動板」を採用
ミッドレンジには、実用金属の中で最も軽く内部損失が高いマグネシウム振動板を採用。表面に化成被膜と塗装による複合処理を施すことで、表面硬度の向上と損失の付加をはかり、材料固有の共振音による影響を排除することで、歪みの少ない澄み切った中音域の再現を実現。また、サスペンションと振動板における中高域での逆共振を制御し、低歪化と立下り特性の改善も行なっているという。

●ウーファーに「新開発MACSⅡ(Multi-layered Aramid Composite Shell 2nd generation)振動板」を採用
アラミドの織布と不織布を5層にラミネートした振動板をさらに改良し、センターキャップとコーンを一体化した1ピースのシェル状(殻形状)振動板の物性最適化を行なうことで、豊かでクリアな低音を再生すると同時に、色付けのない素直な中低域を再生するとしている。

●高い制振性と強度をもつ「SILENT(Structurally Inert Laminated Enclosure Technology)エンクロージャー」
高剛性のバーチプライウッド(樺合板)を骨組みに使用し、内部損失の高いMDF材と組み合わせることで、高い強度と低共振を実現する「SILENTエンクロージャー」を採用。エンクロージャー左右の側板に、10mm厚の高剛性アルミパネルを装着することで、キャビネットの共振をさらに低減しているそうだ。また、エンクロージャー内部の定在波解析を行ない、最適な吸音材を効果的に配置することで、音像・音場に悪影響を及ぼす内部定在波を排除しているとしている。

●自然で豊かな低域を再生するポートシステム「Bi-Directional ADSポート」
スリット形状のポート(ダクト)をエンクロージャーの両サイドに設置し、開口部をホーン形状にすることで、滑らかな空気の流れを実現するポートシステム「Bi-Directional ADSポート」を継承。大振幅時のポートノイズを低減するとともに、ポートからの内部定在波の漏洩を抑制することで、レスポンス良く豊かな低域を再生。また、ポートの開口部を前後・左右対称にレイアウトすることで、ポート駆動による振動を打ち消し自然な低域の再生も可能としている。

●木目が美しい「トロピカル オリーブⅡ」材をエンクロージャーに採用
従来モデルで好評のトロピカルオリーブ柄を継承し、さらにその美しさを活かす、濡れたような質感を持つ全面鏡面仕上げを採用。透明度の高い品位ある塗装を施し、塗装の吹き付け作業や下地塗装の研磨、最終の磨き上げの工程を熟練の職人がていねいに時間をかけて仕上げているという。

●性能を最大限に引き出すスタイリッシュな専用スタンド
専用スタンド「TAD-ST2TX-K」は、高強度でありながら高い制振性を持つ構造により、「TAD-CE1TX」のパフォーマンスを最大限に引き出すよう設計されているそうだ。

TAD-CE1TX-WNの主な仕様
型式:3ウェイ バスレフ ブックシェルフ型
搭載ユニット:ウーファー 18cmコーン型、ミッドレンジ/トゥイーター 同軸14cmコーン型 / 3.5 cmドーム型
再生周波数帯域:34Hz~100kHz
クロスオーバー周波数:250 Hz、1.8kHz
出力音圧レベル:85dB(2.83V・1m)
最大入力:200W
定格インピーダンス:4Ω
ユニット極性:低域(+)、中域(+)、高域(+)
寸法:W287xH510xD447mm
質量:29kg
付属品:ウーファーグリル、ショートケーブルx2、滑り止めパッドx4、クリーニングクロス、オーナーズマニュアル

スピーカースタンド「TAD-ST2TX-K」の主な仕様
寸法:W399xH591xD485mm (スパイク未装着時)
質量:18.5kg
付属品:コーン型スパイクx6、転倒防止スパイクx4、スパイク受けx6、コルクシートx6、組立用ネジx16、本体固定用ネジx4、オーナーズマニュアル