射殺された凶悪犯チャールズ・リー・レイの魂が乗り移った人形。その人形を手にした少年アンディと母カレンの恐怖を描く。数あるキラードールの中でも、凶暴性、残虐度、ユーモア、皮肉、そして名声において、チャッキーを超える人形はない。脚本家ドン・マンシーニが学生時代から温めていた脚本を、『フライトナイト』の監督トム・ホランドが演出。フーダニット(ミステリ小説用語:Who done it = 誰が犯行を行ったか)の要素が強い推理劇的な筋書きを、ホランドとマンシーニで改訂、血生臭いホラー度を高めている。
35mmオリジナルカメラネガからの4Kデジタルレストア/HDRグレード(HDR10/ドルビービジョンHDR)。『JAWS/ジョーズ』の撮影監督ビル・バトラーは「人形の質感が生々しく映らないように、鮮鋭な解像感を抑えてソフトフォーカスで統一している。スタジオでは露光を与えすぎてしまったので、1ステップから2ステップの減感現像を行った」と語っている。
UHD BLU-RAYではこうした絵づくりを再現。既発BLU-RAYにみるDNRデジタルノイズリダクションの弊害、エッジハロー(輪郭の縁取り)などから解放。ディテイル描画力、黒レベルも強化されている。HDRはコントラストと明るさのバランスを向上、原色や二次色、暗色の描色も良好だ。
フロントヘビーのシネソニック。ミッドレンジが改善され、発声は一貫して明快。ローエンドは抑制気味ではあるが、アクション、音楽に存在感を与えるのに十分な力感と重量感がある。 ドルビーアトモス・リミックスにおけるアクティブな要素は、ジョー・レンゼッティの音楽。サラウンドは音楽以外ではあまり効果を発揮していないが、不気味なムードの増幅は聴取できよう。
UHD PICTURE - 4/5 SOUND - 4/5