誰もが屋外で音楽を存分に楽しめる、完全ワイヤレスイヤホンの決定版、という太鼓判を押したくなる製品が登場した。それがHUAWEI(ファーウェイ)のANC(アクティブノイズキャンセリング)機能付完全ワイヤレスイヤホン、「HUAWEI FreeBuds Pro 2」だ。

 こちら、同社製完全ワイヤレスイヤホンの最上位機種に位置づけされており、機能性と音質の両面で強いこだわりを持つ製品。ファーストモデルは2020年11月に登場(日本国内発売)、この夏に1年半ぶりのリニューアルが行われて第2世代へと進化した。

マイクロ平面振動板ドライバーを完全ワイヤレスイヤホンとして初搭載(※1)
14Hz〜48kHzをカバーして、ナチュラルで心地いいヴォーカルが楽しめる

HUAWEI FreeBuds Pro 2 ¥26,800(税込)
●使用ドライバー:11mmダイナミックドライバー+独自開発マイクロ平面振動板ドライバー
●再生周波数帯域:14Hz〜48kHz
●防水性能:IP54(イヤホン本体)
●Bluetoothコーデック:LDAC、AAC、SBC
●連続再生時間:6.5時間(ノイズキャンセリングOFF)、4時間(ノイズキャンセリングON)
●充電:有線=USB Type-C(5V/0.5A以上)、ワイヤレス=Qi規格(2W)
●寸法/質量:W21.8×H29.1×D23.7mm/約5.8g(単体、イヤーチップ含む)
※1:2022年6月22⽇時点、ファーウェイ調べ。主要メーカーの完全ワイヤレスイヤホン市場において。

本体に装着されているイヤーチップ(Mサイズ)の他に、S/Lサイズも同梱されている。充電用のUSB Type-A→Cケーブルも付属

 ところが、実際の製品を手にしてみるとFreeBuds Pro 2は先代に比べて使い勝手も音もまったくの別物。2〜3世代の隔たりを感じるほど魅力的な製品へと進化していたのだ。

 こんな急激な製品進化は、オーディオ業界全体を見回しても滅多にないこと。実はこれ、ファーウェイのAV機器開発体制が大いに関係している様子だ。というのも、同社では日本を含む世界6ヵ所にオーディオ技術研究所を設置し、1000名以上の技術者が新製品の開発に携わっているという。

 実際、FreeBuds Pro 2の開発もこの体制下で進められ、音質やノイズキャンセリング、装着感、ユーザビリティまで様々なポイントで徹底した検証や新技術の開発が行われたという。

 たとえば、注目度の高いANC機能について、FreeBuds Pro 2は格段に精度を増している。フィードフォワード+フィードバックマイクを組み合わせたハイブリッド方式こそ先代と変わらないものの、フィードフォワードマイクを片側に2つずつ搭載した6マイク構成に変更。さらに、ユーザーの装着状態を自動的に検知して、キャンセリング信号の波形を最適化しているのだ。

 そして、「インテリジェントダイナミックANC 2.0」という独自技術によって、最適なノイズキャンセリングモード(ウルトラ、標準、くつろぎ)を自動で選択。これらの合わせ技によって、高精度、かつ実際の使用環境に即したノイズキャンセリングを実現している。

イヤホン本体はステム型デザインで、ピアノの鍵盤をイメージした仕上げ。バー部分の両サイドで音量や再生/停止などの操作ができる(写真左)。充電は本体下部のUSB Type-Cに加え、ワイヤレス充電にも対応(右)

 実際にノイズキャンセリングの効果をチェックしてみると、強めだけれど違和感のない、自然な効き具合といった印象だった。音質が低下することはいっさいなく、しかも屋外、電車内、オフィスなど、環境ごとの騒音レベルに合わせて自動調整してくれるため、手軽に活用できる。このインテリジェントさは、大いに魅力的だ。

 もうひとつ、「アダプティブイヤーマッチングEQ(AEM EQ)」という機能も魅力だ。これは、イヤホンのノズル内に配置されたマイクが外耳道内の音響状況を検出してくれるもので、これによって耳の形状や装着状態に応じた最高のリスニング環境を提供してくれるというもの。要するに、誰でも同じ音が楽しめるという、画期的なシステムとなっているのだ。

 一般的なイヤホンの場合、耳の形によって音の印象が変わってしまうことがあるため、どんなに評判のよい製品であってもバランスよく聴こえないなど、相性問題が生じてしまう場合がある。FreeBuds Pro 2では、人それぞれで異なる聴こえ方をチェック、自動的に調整してくれるので、誰もが同じ音色傾向のサウンドを楽しむことができる。最新モデルならではの、画期的なシステムといえるだろう。

 さらに、「アダプティブボリュームEQ」も注目だ。もともと、人間の耳は音量が大きいときと小さい時とで、高域、中域、低域のバランスが違って聴こえる傾向にあるが、それを自動調整し、異なる音量でも一貫した帯域バランスを実現する機能になる。結果、どんな音量でも楽曲制作者の意図にマッチした正しいバランスに整えてくれる。いつでもどこでも音楽を楽しみたいという人に、意外と重宝する機能だ。

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 同社ではFreeBuds Pro 2について、セラミックホワイト、シルバーフロスト、シルバーブルーの3色をラインナップしている。このうちシルバーフロストはアマゾン限定販売だ。

 そのアマゾンでは、8月14日までFreeBuds Pro 2を10%割引で購入できるキャンペーンを実施している。加えて今回、StereoSound ONLINE読者向けに、さらに5%オフとなるクーポンコードを発行してもらった。こちらは8月8日〜10日までの期間限定なので、FreeBuds Pro 2が気になっている方は今すぐ決断を! (下の関連リンクから購入できます)

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 もちろん、肝心のサウンドについても様々な技術が投入されている。搭載されているドライバーは、11mm口径のダイナミック型に加えてマイクロ平面振動板をもつ新開発ユニットを搭載、デュアル構成を採用している。

 このうち、マイクロ平面振動板ドライバーはダイナミック型とBA(バランスド・アーマチュア)型のいいとこ取りをしたような構造で、ダイナミック型と同じくピストンモーションを採用しつつも、BA型と大差ない小型ケースに収納されている。クリアーで歪みの少ない音が特長で、超高域再生を可能にしているという。

 また、マイクロ平面振動板ドライバー、ダイナミック型ドライバーともに4マグネット構造を採用。抑揚表現のダイナミックさと、S/Nのよさを巧みに両立させている。

 加えて、フランス発の音響ブランドDevialet(デビアレ)によるチューニングが行われていることも注目ポイントだろう。先日発売されたファーウェイ製Bluetoothスピーカー「HUAWEI Sound Joy」で始まったコラボレーションで、今回が第2弾となる。音楽性を重視するデビアレならではの音作りは、とても魅力的に感じられる。

アプリの「AI Life」をインストールしたスマホとペアリングすると、アクティブノイズキャンセリングのモード切替や、LDACの再生音質が設定できる。LDAC対応プレーヤーをお使いの方は事前にこの確認をお忘れなく

 もうひとつ、音質面での注目ポイントがある。それは、LDACといった高音質Bluetoothコーデックに対応していることだ。なかでもLDACは最大96kHz/24ビットに対応しており、ハイレゾの高品位サウンドを楽しむことができる。

 ただし、AndroidスマートフォンでLDAC再生を行うためには少々の注意というか、手順が必要となっている。というのも、FreeBuds Pro 2をLDACで再生するにはスマートフォン用アプリ「HUAWEI AI Life」が必要で、さらにGoogle PlayストアのAI Lifeはバージョンが古く、HUAWEI App Galleryにある最新バージョンをダウンロード&インストールする必要がある。製品パッケージに付属する取説にQRコードが記載されているので、それを読み込んでアプリをダウンロードするのが簡単だ。

 ということで、今回はファーウェイ製スマートフォン「HUAWEI P40 Pro 5G」に加えてAndroidスマートフォンのXiaomi「Mi 11 Lite 5G」で試聴を行なってみた。どちらも、コーデックはLDAC(990kbps)を活用している。

 ニュートラル、という言葉がピッタリのサウンドキャラクター。高域に変な鋭さはなく、それでいて中高域は明瞭、低域も充分な量感を備える、バランスのいいサウンドだ。ピアノの音も伸びやかに感じられるので、倍音成分の揃いもよさそう。

音源再生には主にスマートフォンを使い、BluetoothコーデックのLDACを使ったハイレゾクォリティでの伝送も試している。その効果も絶大だった

 その恩恵か、女性ヴォーカルの魅力も際立っている。適度な距離感があるのに、それぞれの声の特徴がはっきりと伝わってくるので、聴いていてとても楽しい。YOASOBIからAimer、MYTH& ROID、大原ゆい子、上田麗奈まで、特徴の異なるシンガーを幅広く楽しむことができた。

 音場の広がりも自然で、ヴォーカルが近すぎるといった演出感もない。音楽ジャンルも得手不得手がほとんどない。ハードロックからJポップ、クラシックまで、それぞれのよさがしっかりと引き出されている。ここまでオールラウンダーな製品は滅多にないかも。このあたり、ファーウェイとデビアレのコラボによって生まれた絶妙さなのかもしれない。

 ちなみに、FreeBuds Pro 2ならではの音の魅力を存分に楽しむために、LDAC接続は必須といえる。最初Mi 11 Lite 5GではAACで試聴した。それはそれで悪くはなかったのだが、LDACに変えたところ、解像感やダイナミックレンジの再現性が格段にアップ。音の印象が大きく変化したのだ。P40 Proや他のDAPでも印象は同じだった。

 このようにFreeBuds Pro 2は、機能性もユーザビリティも、そして肝心の音質も格段にクォリティアップを果たしている。しかも、多くの人が様々な環境で存分に楽しめるよう、様々な工夫が凝らされている。数多ある最新完全ワイヤレスイヤホンのなかでも、1、2を争う完成度の高さだ。

「HUAWEI FreeBuds SE」の装着感とニュートラルなサウンドが心地いい。
この価格と音質で完全ワイヤレスイヤホンデビューできるとは幸せだ

 ファーウェイから同じタイミングでもうひとつ、エントリークラスの完全ワイヤレスイヤホン「HUAWEI FreeBuds SE」が発売されている。こちら、セミオープン・カナルデザインと呼ばれる、ほんの少しだけ耳穴に入れる装着スタイルを採用しているのが特徴だ。

 実際、このデザインが素晴らしくいい。カナル型のような圧迫感はなく、それでいて使用中に脱落するようなことはない。FreeBuds Pro 2と同じく、大量の3D耳型モデルや仮想試着システムによるパラメーター分析などを行ってデザインを追い込んでいったのだろう。過去にあった同スタイルの製品とは別格の装着感のよさを持ち合わせている。これだけでも、大いに魅力的な製品といえる。

 音質的にも、ニュートラル志向のサウンドキャラクターはどんな音楽ジャンルでも聴きやすい。手頃な価格設定も含め、こちらも幅広いユーザーにお勧めできる製品だ。(野村ケンジ)

FreeBuds SEの付属品。イヤーチップはS/M/Lの3サイズで、充電用のUSB Type-A→Cケーブルも同梱される

HUAWEI FreeBuds SE ¥4,980(税込)
●使用ドライバー:10mmダイナミックドライバー
●防水性能:IPX4(イヤホン本体)
●Bluetoothコーデック:SBC
●連続再生時間:6時間
●充電:有線=USB Type-C
●寸法/質量:W20.0×H38.1×D20.6mm/約5.11g(単体、イヤーチップ含む)

今回はFreeBuds Pro 2に加え、同時発表されたFreeBuds SEも試聴している