ゼンハイザーから、MOMENTUM(モメンタム)シリーズの最新モデルとして、ワイヤレスヘッドホン「MOMENTUM 4 Wireless」が発表された。市場想定価格¥54,890前後(税込)で、ホワイトが年8月23日、ブラックは9月下旬の発売を予定している。

 MOMENTUM 4 Wirelessは、2019年に発売された「MOMENTUM 3 Wireless」の後継モデルで、音質をさらに進化させるだけでなく、ANC(アダプティブノイズキャンセリング)機能を搭載し、最大60時間の再生時間のバッテリーと快適性を向上させるなど、ワイヤレスヘッドホンの新たなベンチマークを打ち立てる “すべてを再構築した、究極のワイヤレスヘッドホン” となっている。

「MOMENTUM 4 Wireless」のホワイト仕上げ

 音質向上へのこだわりも満載で、新たに開発された42mmドライバーを搭載。歪みを最小限に抑え、すべての周波数帯域を忠実に再現、鮮やかで躍動感のあるサウンドを届けてくれる。また
振動板にも新素材を採用して耐久性をアップ、ゼンハイザークォリティを長期的に維持できるようになっているそうだ。なおこのドライバーはアイルランドの自社工場で生産されている。

 回路面では、Bluetooth用と信号処理用にふたつのチップを搭載。Bluetooth用のクアルコムチップは旧モデルからアップデートし、信号処理用のチップはDACとANCの役割を担っている。この構成は完全ワイヤレスイヤホンの「MOMENTUM True Wireless 3」と同じで、全体のパフォーマンスを効率化し、音質を大幅に向上できるという。

 その他、バッフルの角度を調整し、サウンドがユーザーの耳によりダイレクトに届くようにデザインしたアングルバッフルを採用。これにより、特に高域がユーザーの耳に届きやすくなり、自然なサウンドステージを創出できるとのことだ。バッフルには制振性を高める要素も組み込み、音質へのこだわりを徹底している。

 Bluetoothコーデックは、SBC、AAC、aptX、aptX Adaptiveに対応。aptX Adaptiveは48kHz/24ビット用だが、これはワイヤレスヘッドホンとして安定したパフォーマンスを実現するために検討した結果とのことだ。将来的にアップデートで96kHz/24ビット対応できる可能性もあるが、現時点では未定という。

 ノイズキャンセリングの進化点も多い。まずMOMENTUM 4 Wirelessでは、ANC専用に4つのMEMSマイクを搭載した。外側のマイクの最適化をデザイン段階から行い、空気の乱れを抑制するために角やエッジを最小限とし、風切り音やノイズが入りにくい位置にマイクを設置している。さらに内側にもフィードバック用のマイクを2基搭載する。周囲の騒音に合わせてノイズキャンセリングの効果を自動調整するアダプティブノイズキャンセリング機能も実装した。

 イヤーパッドの形状も一新され、厚みをスリムにしながらも遮音性を高めることで、パッシブノイズアイソレーションを向上している。デザイン自体もMOMENTUM 3 Wirelessがやや無骨な印象だったのに対し、MOMENTUM 4 Wirelessはスタイリッシュでスマートなフォルムに変化している。

 周囲の音を取り入れたい際には、タッチ操作で外音取り込み機能に切り替え可能。外音取り込みの量もタッチパネルで調整できるので気分や環境に合わせて使いこなせるという。

 搭載された8基のマイクのうち、残り4基は通話に特化したMEMSマイクとなる。独自のアルゴリズムを用いてデジタルビームフォーミングを実現、4基のマイクの信号をつなぎ、声をしっかりと集音する。通話時には自動で風切り音のノイズを抑制、通話品質を大幅に向上させている。

 MOMENTUM 4 Wirelessでは、最長60時間もの再生を実現した点もポイントだ。しかもアクティブノイズキャンセリングをオンにした状態でこれだけの使用が可能とのことで、一度フル充電しておけ1日8時間使ったとしても、1週間持つことになる。5分の充電で最大4時間再生できる急速充電にも対応済み。

キャリングケースは「MOMENTUM 3 Wireless」用のそれもより厚みを抑えた設計になっている

 上記のように本体デザインも刷新されている。ヘッドバンド内側にはシリコンカバーのクッションを配し、クッション部のセンターには小さなくぼみを入れることにより、さらなる心地よさを実現した。耳への空間を最適化したイヤーパッドはヴィーガンレザーを採用、自在に旋回するヒンジと伸縮アームで圧迫感を軽減し、イヤーパッドは耳にしっかりフィットしてくれる。

 また、装着時のヘッドホン本体と頭の接地面積を増やすことで、重量が均等に分散し、頭全体にかかる圧力を軽減するように設計されている。ヘッドバンド全体の圧迫感も軽減するなど、短時間から長時間リスニングまで、すべてのシーンで最高の快適さを発揮してくれるだろう。

 操作面ではヘッドホンを外すと自動で再生を停止、装着すると再生を開始するスマートポーズ機能や、ヘッドホンを持てば自動で電源オン、使わない状態で15分放置すれば電源がオフになるオートオン/オフ機能も備えている。

 StereoSound ONLINEではMOMENTUM 4 Wirelessの取材を実施、気になるインプレッションは近日中にお届けする予定だ。どうぞお楽しみに。

「MOMENTUM 4 Wireless」の主なスペック

●型式:ダイナミック・密閉型
●周波数特性:6Hz〜22kHz
●感度:106dB SPL(1kHz/0dB FS)
●インピーダンス:470Ω(アクティブ)、60Ω(パッシブ)
●無線規格:Bluetooth 5.2 + Class 1(最大10mW)
●Bluetoothコーデック:SBC、AAC、aptX、aptX Adaptive
●動作時間:最大60時間(iPhoneボリューム mid、ANC on)
●充電時間:2時間(フルチャージ)/5分(4時間動作)
●質量:約293g
※付属品:キャリーケース、USB-Cチャージングケーブル、1.2mオーディオケーブル、航空機用アダプター